新聞売子問題として知られる一期間在庫モデルでは, 発注時にその期の需要量が把握できないとき発注量と需要量に不一致が生じ, 余剰または品切れによる大きな損失が予期される.ところで余剰品は供給者に返却し, また品切れが発生しそうな場合は追加注文が許されるならば, このような損失を小さくしうる.しかし, 返却および追加注文には許容限度が定められているのが一般的である.本研究では, この両者がある限度内で許されるような一期間在庫モデルにおける最適発注量について, 期待利潤最大化の観点から考究する.ところでこのような場合, 変域は決定変数に依存していくつかの区間に分割され, それぞれの区間に対して異なる利潤関数が設定される.すなわち, 利潤関数や区間の分割状況などは実際には供給者との契約などで多様な場合が考えられる.そこで, さまざまな状況にも対処しうるような一般的解法を提案する.また, 需要分布としていくつかの分布を想定した場合の数値例を与える.
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