本報文では, 各場所の相対的な輸送距離と各部門の相対的な輸送量を統計的に求め, これらの数値に基づいて, できるだけ効率の高いレイアウトを, できるだけ短時間で求める手法(以下, ATSP法という)についての考察を行なっている.その際, レイアウトの効率の評価は, 輸送距離と輸送量から計算した値(以下, 評価値という)によって行ない, 評価値が小さいレイアウトほど効率のよいものといえる.ATSP法によるレイアウトの評価値は, Biased Sampling法(B.S.法)のそれよりも平均21.7%大きくなるが, 計算時間は, B.S.法のほうが部門数が多くなった場合にはATSP法のそれにくらべ100倍から800倍長くなった.また.HC63-66およびCRAFTとATSP法との比較において, 評価値では, ATSP法は, HC63-66およびCRAFTよりも平均13%大きくなった.しかし, 計算時間では, 部門の数が多くなるとHC63-66およびCRAFTは, ATSP法よりも5倍から50倍長くなった。
抄録全体を表示