日本ペインクリニック学会誌
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20 巻 , 4 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
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原著
  • 福永 智栄, 森山 萬秀, 神原 政仁, 中野 範, 池田 和世, 恒遠 剛示, 棚田 大輔, 村川 和重
    20 巻 (2013) 4 号 p. 461-467
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/08/30
    ジャーナル フリー
    【目的】薬物療法に難渋する痛みを有するがん患者23 名に対し,くも膜下フェノールブロックを行い,その適応や鎮痛効果について検討した.【方法】片側胸部または会陰部に痛みのある患者を対象とし,15 %フェノールグリセリンを用いてくも膜下フェノールブロックを施行した.治療効果の指標として,ブロック前,ブロック後2 週間,4 週間,3 カ月でのvisual analogue scale(VAS)値ならびにオピオイド使用量の変化で評価をした.【結果】ブロック施行後,有意なVAS の低下が認められた(P<0.05).ブロック前(胸部13 例:65.6±12.2,会陰部10 例:74.4±10.4)に比較し,2 週間後(胸部:前21.5±19.1,会陰部:33.0±25.8)にVAS 改善は最大となった.しかし,VAS 値はブロック後の時間経過に伴って経時的に増加したものの,ブロック施行前に比べ有意に低下したままであった.オピオイド使用量は,ブロック前後で有意差はなかった.また胸部と会陰部での部位による鎮痛効果に差はなかった.【結論】くも膜下フェノールブロックは,薬物に抵抗する限局した痛みに対し単回の処置で持続的な効果が期待できる治療法である.
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  • 井上 卓郎
    20 巻 (2013) 4 号 p. 468-475
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    薬物抵抗性の三叉神経痛の治療には,神経ブロック療法,高周波熱凝固法,ガンマナイフ治療,微小血管減圧術などが治療選択となる.当院では,微小血管減圧術,ガンマナイフ治療を施行しており,両治療法の長期成績を同一判定基準に基づいて比較し,痛みに対する効果,合併症,総合判定の比較を行った.薬物抵抗性の三叉神経痛203 例中,1 年以上の経過観察が可能であったものは,微小血管減圧術群75 例,ガンマナイフ治療群59 例であった.痛みに対する効果は,微小血管減圧術群が有意に高かった.合併症は,微小血管減圧術群では,顔面のしびれ以外に聴力障害,ドライアイによる視力障害,小脳症状による歩行障害など,周術期の合併症が残存した症例があった.一方,ガンマナイフ治療群には,周術期の合併症はなかったが遅発性の顔面のしびれを多く認め,総合判定では微小血管減圧術が良好な成績であった.本稿の結果からは,薬物抵抗性の三叉神経痛の治療には,微小血管減圧術が望ましいと思われた.
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症例
  • 村谷 忠利, 奥野 隆司
    20 巻 (2013) 4 号 p. 476-478
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/10/11
    ジャーナル フリー
    難治性脊髄損傷後痛に対してくも膜下ステロイドブロック(intrathecal steroid block:ITSB)を施行し,良好な治療結果を得たため報告する.症例は70歳の男性.22年前,交通外傷による脊髄損傷のため,両側下肢の弛緩性完全麻痺と持続性の痛みを発症した.加療されたが改善せず当院紹介となりITSBを施行した.ITSBは,第4~5腰椎間よりスパイナル針を穿刺し,くも膜下腔に10%糖液2 ml,デキサメタゾン4 mgを投与した.ITSB施行翌日,症状の変化がなかったためガバペンチンの併用を開始し経過観察を行った.ITSB施行8日後,VAS 10 mmと著明に症状が改善したため,ガバペンチンの投与を中止した.その後症状の再発やITSBの副作用などなく1年を経過している.ステロイドのくも膜下腔,硬膜外腔投与の効果,安全性,副作用に関し依然検討する余地はあるものの,ITSBは難治性脊髄損傷後痛に対し有効な治療法の一つであると考えられる.
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  • 平森 朋子, 眞鍋 治彦, 久米 克介, 有川 智子, 武藤 官大, 武藤 佑理
    20 巻 (2013) 4 号 p. 479-483
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    発作性片側頭痛は,群発頭痛と同様に激しい片側痛とともに自律神経症状を呈するが,インドメタシンが著効することが特徴の,まれな疾患である.今回,群発頭痛からの移行,三叉神経痛との合併例を含む発作性片側頭痛の3 例を経験したので報告する.症例1 は31 歳,男性.突然5~6 回/時の頻度で,右後頭部痛が出現した.発作時に同側の流涙,眼瞼下垂,鼻閉を伴った.発作性片側頭痛を疑いインドメタシンの投与を開始したところ,痛みは消失した.症例2 は63 歳,女性.反復性群発頭痛として発作期のプレドニゾロンと予防薬としての炭酸リチウム,ベラパミルの投与を行っていたが,寛解期が短くなり,発作時にジクロフェナクで痛みが軽減したことから,インドメタシンを定期投与した.その後,発作は消失した.症例3 は77 歳,男性.特発性三叉神経痛としてカルバマゼピンの投与中であった.痛み発作時に同側の流涙,結膜充血,眼瞼下垂を伴うことがあったため,インドメタシンを併用投与した.その後痛みは軽減消失した.頭部・顔面痛は長期的な治療を要することが多いが,その経過中に痛みの性状が変化したり治療に抵抗性を示す場合には,他の疾患の合併を念頭に置く必要がある.
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  • 境 徹也, 澄川 耕二
    20 巻 (2013) 4 号 p. 484-487
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/08/30
    ジャーナル フリー
    薬物乱用頭痛とは,頭痛治療薬を頻用する結果生じる難治性の頭痛である.今回,複数の頭痛治療薬の頻用が誘因と疑われた薬物乱用頭痛に,ガバペンチンが有効であった症例を経験した.症例は50歳,女性で,中学生の頃から片頭痛を自覚し,市販複合鎮痛薬にて自己対処していた.しかし,12年前に市販複合鎮痛薬を毎日内服するようになり,6年前よりリザトリプタンを毎日,ロキソプロフェンを月に10日以上使用するほど頭痛は悪化していた.当科受診時,患者は連日性の頭痛を訴え,その性状は持続的な締め付け感を伴うものであった.薬物乱用頭痛についての患者教育を行い,リザトリプタンとロキソプロフェンの内服中止と頭痛日記の記載を指導した.5週間後,リザトリプタンとロキソプロフェンの内服を中止でき,ガバペンチンの内服を開始した.11週間後,持続的な締め付け感を伴った頭痛は拍動性の頭痛へと変化し,その程度は軽減した.本症例では,薬物乱用性頭痛の説明や頭痛日記の記載といった患者教育とガバペンチンの投与が,症状軽快に有効であったと思われた.頭痛治療薬の乱用により引き起こされた脳の過剰興奮を,ガバペンチンが抑制したのではないかと推測している.
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  • 山田 直人, 相原 孝典, 加藤 幸恵, 木村 丘, 松井 秀明
    20 巻 (2013) 4 号 p. 488-490
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/10/11
    ジャーナル フリー
    水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)感染によるRamsay-Hunt症候群(ハント症候群)はまれに第7,8脳神経以外の脳神経症状を合併することがある.今回,多発性脳神経障害を伴うハント症候群の1例を経験したので報告する.症例は79歳の男性,左耳介部の帯状疱疹,顔面脱力および左の声帯,軟口蓋と舌の麻痺等を認め,第9~12脳神経の障害を伴うハント症候群の診断となった.柳原スコアで6/40と重症であり,入院のうえ,抗ウイルス薬,ステロイドおよび神経ブロック等で治療をしたが,難治性で顔面神経麻痺の改善は乏しかった.それ以外にも嚥下困難や吃逆,誤嚥性肺炎等の対症療法に苦慮した症例であった.
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  • 工藤 尚子, 三浦 耕資, 周東 千緒, 村上 敏史, 齊藤 理, 的場 元弘
    20 巻 (2013) 4 号 p. 491-495
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    オピオイドの全身投与で十分な鎮痛が得られなかった2 例のがん性痛患者に対して,くも膜下モルヒネに高用量のブピバカインを併用し良好な鎮痛を得たので報告する.症例1:72 歳の男性で,肺がんの腸腰筋・大腿筋群転移による下肢の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大94 mg/日で併用し,痛みはverbal rating scale で4 から1~2 へ軽減した.症例2:64 歳の女性で,直腸がんの皮膚転移による陰部,大腿の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大66 mg/日で併用した.レスキュードーズ使用時に下肢のしびれ,低血圧を認めたが,レスキュードーズの調整で軽減し,痛みはnumerical rating scale で10 から2~5 へ軽減した.くも膜下モルヒネの効果が不十分ながん性痛の患者において,ブピバカインを加え,副作用や合併症に注意しながら高用量まで漸増することで,患者満足度の高い優れた鎮痛が得られた.
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  • 河田 竜一, 大城 研司, 守田 季郎, 平山 かおり, 亀谷 悠介, 鴛渕 孝雄
    20 巻 (2013) 4 号 p. 496-499
    公開日: 2013/11/07
    [早期公開] 公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    70 歳,男性の頸・胸椎後縦靭帯骨化症に対する椎弓切除術後に生じた左前胸部痛に対し,オピオイド治療を6 年前から行ってきた.初診時,痛みで睡眠と日常生活動作(ADL)が高度に障害されており,オピオイドを開始した.コデイン60 mg/日から開始し最大240 mg/日で12 カ月間投与したのち,モルヒネ30 mg/日に変更し,最大200 mg/日で26 カ月間投与した.この間にフェンタニル貼付剤(FP)が慢性痛に保険適応となったので,FP 8.4 mg に変更して3 カ月間,12.6 mg で17 カ月間投与した.FP 12.6 mg で鎮痛・副作用対策とも良好で,ADL はかなり改善された.しかし,慢性痛では12.6 mg で治療の見直しを要するとの安全情報に基づき,鎮痛,ADL の改善度と安全性のバランスから,より低用量での治療とし8.4 mg へ減量した.減量により痛みは増強したが,ADL は保たれている.その後に公表された慢性痛のオピオイド処方ガイドラインでは,FP の推奨される上限量は12.6 mg である.がん性痛と異なり,慢性痛のオピオイド治療では開始時から上限量を考慮して投与計画を立てる必要がある.
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