日本ペインクリニック学会誌
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症例
  • 玉井 秀明, 堀田 訓久, 瀧澤 裕, 後藤 卓子, 丹羽 康則, 平 幸輝
    原稿種別: 症例
    2023 年 30 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2023/01/25
    公開日: 2023/01/25
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    Bell麻痺の多くは予後良好であるが,治療に難渋する患者をしばしば経験する.今回,発症後2カ月間の治療で全く改善の見られなかった重度Bell麻痺の患者に対して鍼灸治療を行い,麻痺の改善を認めた症例を経験したので報告する.症例は67歳の女性.Bell麻痺の発症当日からステロイドが投与されたが,発症1カ月後の麻痺スコアは,柳原40点法で0点と重度であった.麻酔科を受診し,星状神経節ブロック(SGB)およびsilver spike point(SSP)療法を9回施行したが,麻痺の改善が全く見られなかったため,発症2カ月後から鍼治療および自宅での自己施灸を開始した.鍼治療は1~3週間に1回の頻度で実施し,自宅施灸はほぼ毎日行った.その後,麻痺は徐々に改善し,発症7カ月後の麻痺スコアは22点となった.薬物療法や神経ブロックで治療効果が得られなかったBell麻痺に対して,鍼灸で改善した症例を経験した.鍼灸治療は合併症リスクが低く,慢性の病態に対して長期間継続可能であり,自己施灸も利便性が高いことから,ペインクリニック診療で難渋するBell麻痺に対して考慮すべき治療法の一つと考えられた.

  • 南 ひかり, 安濃 英里, 小野寺 美子, 菅原 亜美, 神田 恵, 神田 浩嗣
    原稿種別: 症例
    2023 年 30 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 2023/01/25
    公開日: 2023/01/25
    ジャーナル フリー HTML

    直腸がん術後の旧肛門部痛に対し,くも膜下フェノールブロック(subarachnoid phenol block:SAPB)を繰り返し行うことでquality of life(QOL)を改善し,入院から在宅療養への移行および在宅療養の継続が可能となった症例を経験したので報告する.40代男性,直腸がんの術後に薬物療法でコントロール困難な旧肛門部痛が出現し,疼痛と薬物の副作用で在宅療養が困難であった.排尿障害を考慮して不対神経ブロックや仙骨硬膜外ブロックを行ったが効果に乏しく,排尿障害が出現した時点でSAPBを行ったところ,疼痛が軽減し在宅療養が可能になった.以降骨盤内再発や多発転移が出現したが,SAPBの効果が減弱してきたタイミングでブロックを繰り返し(計3回)行ったことで在宅療養期間を長くとることができ,かつ永眠するまで疼痛はコントロールされた.旧肛門部痛や会陰部の疼痛が薬物療法で困難な場合,SAPBが考慮されるが,効果減弱時に反復して行うことで患者のQOLの改善に寄与することができた.

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