日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
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31 巻, 3 号
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症例
  • 須田 万理, 高橋 亜矢子, 山中 百優, 博多 紗綾, 松田 陽一, 藤野 裕士
    原稿種別: 症例
    2024 年 31 巻 3 号 p. 59-63
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
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    膿瘍による尾骨切除後の難治性臀部痛に対し胸腰椎移行部であるT12レベルでの脊髄刺激療法試験刺激(spinal cord stimulation:SCS)トライアルが有効であった症例を経験した.患者は24歳女性.膿瘍による尾骨切除後より臀部と下肢の持続痛を認めていた.他院ペインクリニックでブロック治療やオキシコドンを含む内服治療を行ったが効果がなく,SCSトライアル目的で当科に紹介となった.T12レベルの脊髄刺激,特にハイドーズ刺激が臀部・下肢痛に有効であった.SCSトライアル中にオキシコドンを漸減しトラマドールに変更することができた.T12レベルでのSCSが難治性臀部痛に対する治療手段となることが期待される.

  • 唐澤 祐輝, 伊達 久, 西山 遼太, 伊藤 裕之, 鈴木 陽子, 末永 佑太
    原稿種別: 症例
    2024 年 31 巻 3 号 p. 64-68
    発行日: 2024/03/25
    公開日: 2024/03/25
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    頚椎椎間板ヘルニア治療において,経皮的髄核摘出術(percutaneous nucleotomy:PN)は神経ブロックと手術の中間的侵襲度の治療である.PNデバイスとして,近年Trigger-FlexTM Dart Bipolar system(以下,Dart電極)が開発されたが,未だ臨床成績の報告はない.2020年4月から2021年3月に当施設でDart電極によるPNを施行した,頚椎椎間板ヘルニア4症例5椎間板の治療経験を述べる.手術直前・直後・術後1カ月・6カ月時点の外来のvisual analogue scale(VAS)を比較した.全例軽度~中等度変性椎間板だった.5椎間板中3椎間板は6カ月後時点でVAS 0もしくは症状が改善し終診となったが,2椎間板は6カ月後時点で術前のVAS値と同等だった.Dart電極は細径かつ内筒操作が簡便で,操作面で椎間板腔狭小例が多い高齢者にも施行しやすいが,中等度変性椎間板では無効例があると考えられた.

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