日本ペインクリニック学会誌
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最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
総説
  • 髙橋 弘
    原稿種別: 総説
    2019 年 26 巻 4 号 p. 279-287
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/11/08
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    サイバーナイフ(CK)の特徴は,従来の定位放射線治療装置で使用されていたガントリーに代えてロボットが採用され,患者の位置を正確に認識できる病変追尾装置が装備されたことであり,固定がフレームレスとなった.また,治療計画時に一点にビームを収束させるisocentricという方法と,一点に集中させずビーム強度の変化により3次元的な線量分布を形成するnon-isocentricという2通りの照射方法を選択できる.これらの特性はガンマナイフ(GK)とは異なるが,従来GKが行ってきた特発性三叉神経痛の治療をCKも同様に施行することが可能で,しかも高齢者に発生しやすい三叉神経痛治療において非侵襲的固定のフレームレスであることの利点は大きい.また,個人差の多い三叉神経の走行に対して照射法を選択できる点も有用である.このCKとGKの定位放射線治療の結果を,自験例および最新の報告例から検証してみると,初期除痛効果および治療後合併症としての三叉神経障害に関して大きな相違はみられず,サイバーナイフ定位放射線治療の適応は今後ますます拡大していくものと思われる.

  • 千葉 知史, 中本 達夫, 飯嶋 千裕, 綿引 奈苗, 伊達 久
    原稿種別: 総説
    2019 年 26 巻 4 号 p. 288-296
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/11/08
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    超音波ガイド下神経ブロックは,神経とその周辺組織,ブロック針や注入薬液などをリアルタイムに描出できる安全確実な手技として普及しつつある.通常透視下で行われていた仙腸関節ブロックも超音波ガイド下に行われることが多くなってきた.仙腸関節ブロックとは,仙腸関節障害症例に診断的・治療的目的に行われる手技である.仙腸関節ブロックは,仙腸関節内注入と後仙腸靱帯内注入の2種類に大別できるが,それらの方法の成功率や注入時の放散痛の研究,カダバーを用いた仙腸関節知覚枝の解剖の知見などから後仙腸靱帯内注入が確実で効果が高い方法として推奨されている.仙腸関節知覚枝は,posterior sacral network(PSN)という神経叢から分枝するが,PSNはS1,S2,S3の後枝外側枝に由来することが多い.S1,S2,S3後枝外側枝は,同名の後仙骨孔の外側に存在する外側仙骨稜を横切るように走行するため,同部位を穿刺目標とすると効果的なブロックとなる.神経ブロック的手技のなかで比較的浅い位置でのブロックであり周囲に動脈や重要臓器などの組織も存在しないため,腰下肢痛症例の診療に積極的に導入してもよいと思われる.

原著
  • 松岡 由里子, 中西 美保
    原稿種別: 原著
    2019 年 26 巻 4 号 p. 297-302
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/11/08
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    【目的】がんの支持療法や緩和医療では,飲水量が低下しても漢方薬が有効で継続内服を希望する症例を経験する.漢方エキス剤を少量水でも効率よく内服するために,内服直前にあらかじめ懸濁する方法がある.懸濁法では,沈殿率を下げて内服効率を上げることが重要である.現在,漢方エキス剤の懸濁の報告は,室温や高温の水使用に限られるが,食欲不振・嘔気時は,低温の飲食物が摂取しやすい.そこで支持療法や緩和医療で頻用する漢方エキス剤の少量水での懸濁時沈殿率と低温を含む懸濁温度との関連を検討した.【方法】20 mlシリンジ内の0,20,40℃の蒸留水各15 mlに,24種の漢方エキス顆粒剤各0.5包を1種ずつ入れ,各温度で懸濁直後と5分後に各1分間転倒撹拌し,10分後の沈殿量から沈殿率を計算した.【結果】0℃かつ20℃での沈殿率が40℃でのそれより高値を示さない9方剤,またその中に全温度で肉眼的沈殿を認めない1方剤が存在した.【結論】漢方エキス顆粒剤を懸濁する際には,症例や方剤によっては,より安全で簡便な室温水や冷蔵水の使用も考慮すべきである.

  • 齋藤 義孝, 新堀 博展, 丸田 秀郎, 打越 絵理子, 伊藤 純子, 立山 俊朗
    原稿種別: 原著
    2019 年 26 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/11/08
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    2015年から2017年に当院ペインクリニック外来を新規受診した7,773名において,疼痛の原因が未診断の悪性腫瘍であった患者を調査した.その数は8例で,遭遇率は約0.1%であった.全例,MRI検査を施行して,悪性腫瘍を鑑別し,2~8週間で他院専門科へ紹介できた.腰痛症例は6例あり,腰痛のred flag signの『発症年齢50歳以上』と『時間や活動性に関係のない腰痛』に該当した.神経ブロックが無効でもあり,これらを満たすことは,悪性腫瘍を疑うサインとして捉えた.腰痛以外の疼痛2症例においても,『時間や活動性に関係のない』点は同様であった.また,『発症年齢50歳以上』に該当し,神経ブロックが無効でもあった.腰痛以外の疼痛症例でも,これらは悪性腫瘍を疑うサインとして捉えられた.

  • 堤 祐介, 伊達 久, 北村 知子, 滝口 規子, 山城 晃, 渡邊 秀和, 綿引 奈苗, 千葉 知史
    原稿種別: 原著
    2019 年 26 巻 4 号 p. 308-312
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/11/08
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    【目的】初期の帯状疱疹関連痛に対する神経ブロックの効果を検討する.【方法】本研究はヒストリカルコホート研究であり,2014年1月から2015年12月までに,帯状疱疹罹患後3カ月以内に当院を受診した患者を対象とした.痛みのスケールとしてはvisual analogue scale(VAS)を使用し,神経ブロックの有無を説明変数,来院時と発疹発症から3カ月後のVASの差を従属変数とし,神経ブロックの有無がVASの変化へ与える影響を調べた.【結果】対象人数は265名であった.共変量で調整した多変量線形回帰分析では神経ブロックはVASを有意に低下させることが示された(P=0.01).また,受診前期間が短いほどVASが大きく低下することが示された(P<0.0001).【結語】神経ブロックは帯状疱疹の痛みの緩和に有効であり,受診前期間が長いほど神経ブロックによる痛みの緩和効果は低くなることが示唆された.

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