日本画像学会誌
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45 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
原著論文
  • 渡邊 孝宏
    2006 年45 巻5 号 p. 424-428
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    並列計算により計算速度を向上させた電子写真の二成分系現像剤挙動シミュレータを開発した.本シミュレータは,複数台のコンピュータをネットワーク接続したコンピュータクラスタ上で稼動し,MPIおよびOpenMPによる並列計算が可能である.本シミュレータを利用することで,1台のコンピュータでの計算時間を6分の1以下に短縮することができる.従来は実施困難だった実際のシステムに近い粒子数でのシミュレーションにより,単に現像剤挙動を再現するだけでなく,現像剤流動における現像剤ストレスやドクターブレードの通過量との関係など,現像ユニット設計に重要なより多くの情報を得ることができる.
  • 中村 隆, 大久保 大五郎, 川上 哲哉, 笹原 正光
    2006 年45 巻5 号 p. 429-432
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    a-Si感光ドラムの成膜方法として一般的に使用されている13.56MHzの高周波プラズマに替えて,DCプラズマを使用するCVD法を開発した.この新しい成膜方法により,従来の2倍以上の成膜速度が得られ,また,成膜中の粉体発生を極少にすることが出来,さらに感光ドラムの特性ムラを大幅に改善することができた.これらの改善により,生産コストを低く抑えることが可能になり,今後需要が見込まれる小径タンデムカラー機への搭載が容易になった.
Imaging Today
  • 出野 貴
    2006 年45 巻5 号 p. 434-443
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    近年,微細化した有機顔料はさまざまな分野から興味が持たれている.微細化顔料の性能を最大に引き出すためには,顔料をできるだけ一次粒子に近い状態まで分散し,安定化する必要がある.本稿では顔料の微細化と表面処理技術についての概略を述べ,微細化顔料に適用されている最近の分散技術について紹介する.
  • 林 広子
    2006 年45 巻5 号 p. 444-450
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    インクジェットプリンタはドットの微小化による粒状性の改善とインク技術,画像処理技術,メディア,メカニズム等の進化により,銀塩写真と比較して遜色ない写真画質を実現できるようになった.しかし高画質化が進む一方で,染料インクの課題である耐久性の改善が強く望まれるようになった.我々はその耐久性を飛躍的に高められるインクとして顔料,分散樹脂,インク組成のアプローチ等から顔料インクの開発に取り組んできた.結果として総てを満足するインク開発までには至っていないが,普通紙対応性の優れるインク(PX-Vインク),光沢メディアでの写真品質の優れるインク(PX-G,PX-P/K3インク)等その用途に合わせ,コンシューマからハイアマチュア,プロフェッショナルユーザーの要求に応えるインクを実現した.
  • 堤 武弘
    2006 年45 巻5 号 p. 451-456
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    従来の染料系インクが達成できなかった,堅牢性や早い色安定性などの点で顔料系のインクジェットインクが近年注目されている.インクジェット色材用として顔料分散体を用いる場合,安定性を初めとして種々の特性を満たす必要があるが,各種顔料分散体を比較した結果,マイクロカプセル顔料が最も有効と考えられた.マイクロカプセル顔料をインクジェット色材として用いた場合の性能と特徴について紹介する.
  • 水口 仁
    2006 年45 巻5 号 p. 457-465
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    ピリジン環を組み込んだジケトピロロピロール誘導体(赤色顔料)の高プロトン親和性を利用した新規なプロトン受容型の水素ガスセンサーの動作機構ならびに感度特性を解説した.本センサーは,クリーンエネルギー源である燃料電池の到来を考慮し,本来のプロトン•センサー(i.e.酸センサー)の機能を水素ガスセンサーに転用したものである.本稿では特に水素ガスセンサーの感度と結晶構造との相関関係を明らかにし,結晶構造の果たす役割を強調した.本センサーの特徴は感度が極めて高く,室温動作,可逆であり,CO,CO2,NO,CH4,SO2,CH3OH,C2H5OHのガスや水蒸気の影響を全く受けないことである.ピリジン環をペリレンイミドならびに銅フタロシアニンに組み込んだ水素ガスセンサーについても紹介した.
  • 大石 知司
    2006 年45 巻5 号 p. 466-470
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    フレキシブルディスプレイ用材料の要素技術開発を目的として,有機無機ハイブリッドフレキシブル基板およびラテント顔料インクを用いたインクジェットプリンティング(IJP)法によるカラーフィルタの形成技術について検討した.超薄板ガラスと有機フィルムを複合化させることにより,可とう性を有し,強度,ガスバリア性に優れたハイブリッド基板を開発した.色材の三原色顔料を溶媒に可溶なラテント顔料化し,これをインクとするIJP法によりカラーフィルタをハイブリッド基板上に形成した.簡便なIJP法によりパターニングおよび三原色の混合による多色化が可能である.また,得られたカラーフィルタは透明性,可とう性を有している.
教育講座
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