今日、患者主体の医療実現に向け、各医療機関でさまざまな取り組みがなされている。その中でクリティカルパスにおいては、患者の意見や要望を盛り込んだ内容にすることが求められている。
当院でも様々なクリティカルパスを使用しているが、医療者本位に作成したものが多いことから、今回、当循環器科では、患者の意見をもとに心臓カテーテルのクリティカルパスの改善に取り組んだ。
50名の患者の協力を得て、意見を調査したところ、1) 文字の大きさや説明がわかり難い 2) 看護師の説明が不十分ということで、1) については、文字の大きさや説明の表現方法、クリティカルパスの様式を工夫することで改善した。また、2) については、クリティカルパスの説明や確認、日々のアウトカム評価に患者の参加を試みた。院内看護師にアンケート調査を行った結果、クリティカルパスの運用面での問題があるが、アウトカム評価に患者が参加する提案については賛同が得られた。
これらをもとに、アウトカム評価を患者とともに行うツールとして、心臓カテーテルクリティカルパスの「チェックシート」を作成した。50名の患者に使用した結果、多くの賛同が得られたが、一部の患者から否定的な意見もあった。これらをふまえ、個々の患者に応じたチェックシートの活用が今後の課題となった。
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