体外循環技術
Online ISSN : 1884-5452
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49 巻, 4 号
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原著
  • 田中 勇真, 中村 有希, 峰松 佑輔, 楠本 繁崇, 吉田 靖, 高階 雅紀
    2022 年 49 巻 4 号 p. 361-367
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/11
    ジャーナル フリー

     EVAHEART®の血液ポンプ停止再起動事象を改善するためのクールシールユニット(cool-seal unit:CSU)のフィルタ出口圧(filter outlet pressure:FPout)設定値の増加、CSUリザーバ内圧の増加(加圧補液)や昇圧クリップ(金属クリップとプラスチッククリップ)の装着が摺動面圧力に対してどのように影響を与えるかを検証し適切な設定方法を検討した。

     CSUに模擬ポンプケーブルとマノメータを接続し、加圧補液や昇圧クリップ装着時のFPoutおよびクールシール液のポンプスピード(cool-seal speed:CSspeed)を変化させた際の摺動面圧力を測定した。また、加圧補液や金属クリップ装着時におけるクールシール液減少に伴う摺動面圧力の変化を測定した。その結果、加圧補液と金属クリップ装着時ではCSspeedの低下に伴い摺動面圧力は直線的に上昇し、プラスチッククリップではラチェットを締めるごとに摺動面圧力は指数関数的に上昇した。クールシール液減少に伴う摺動面圧力は加圧補液において低下したが、金属クリップでは一定であった。以上のことから、血液ポンプの停止再起動事象においては、FPoutの増加や加圧補液によりCSspeedの設定目標値を定め、金属クリップを用いてCSspeedを調整する方法が有用である可能性が示唆された。

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