体外循環技術
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41 巻, 4 号
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原著
  • 中村 淳史
    2014 年 41 巻 4 号 p. 441-450
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
     人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)の生体への侵襲の一つにガス状微小塞栓(gaseous microemboli:GME)があり、生体への影響はいまだ懸念事項である。CPB回路の気泡捕捉能を検討する上では、回路内における微小気泡の基本的変動を理解しておくことが重要と考え、CPB回路内における気泡の変動について検討を行った。 電気分解にて任意のサイズの気泡群を発生可能な気泡発生器を作製し、内径3/8inchの回路内に気泡群を発生させ、電気分解による気泡(electrolysis bubble:EB)と空気による気泡(air bubble:AB)の比較を行った。またEBを用いて、異なる気泡サイズ、距離、温度、回路内圧時における、微小気泡の変動を検討した。 EB、AB両者ともCPB回路内において小さく収縮していき、同様な減衰傾向が見られた。また、気泡は小さくなるほど、縮収速度が遅くなった。温度による気泡への影響は小さく、回路内圧が高いほど、気泡の収縮速度が高くなる結果となった。以上より、CPB回路の気泡捕捉能の検討は、気泡の移動距離、血液流路長、滞在時間、回路内圧による気泡径の変動を考慮した設計・評価が必要である。また、EB法は任意の大きさの気泡群の発生が可能であり、気泡捕捉能の検討への可能性が示唆された。
  • 長江 祐吾, 柏 公一, 木下 修, 小野 稔, 松山 裕, 大橋 靖雄
    2014 年 41 巻 4 号 p. 451-459
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル フリー
    補助人工心臓を植込む際は患者情報を市販後追跡調査であるJ-MACS(Japanese Registry for Mechanically Assisted Circulatory Support)に登録する必要がある。本研究ではJ-MACSが臨床現場でどのように受け入れられ、どの程度の業務負担になっているかを調査した。植込み認定施設と製造販売業者を対象に、自記式調査票を用いて登録に対する意識調査を行った。J-MACSへのアクセスログを解析し登録作業の実態を調査した。依頼した27施設のうち15施設(31人)と業者3社(8人)から回答があった。半数が登録作業は他の業務に支障を来すと回答した。J-MACSが患者管理に役立つと回答した者は26%だった。登録作業のモチベーション維持要因は、成果の公表が31%で一番多かった。削除してもよい登録内容や時点は一部に限られた。登録作業の所要時間は44%が10分以内だった。登録内容や時点は概ね受け入れられており、参加者は大幅な改定よりもデータが有効に活用されることを望んでいた。1回の作業時間は短いものの回数が多いことが負担となっていると推察された。
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