体外循環技術
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45 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
  • Tetsuya Kamei, Shoji Kubota, Chihiro Saito, Kiyoshi Yoshida, Makoto Hi ...
    2018 年45 巻2 号 p. 95-100
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/07
    ジャーナル フリー

    The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine (JaSECT) established the Japanese Perfusion Database and started its operation in 2013. This database collects pre-surgery physical findings of patients who have undergone perfusion during cardiovascular surgery, as well as perfusion conditions and outcomes. The purpose is to tabulate and analyze data on a nationwide scale. In this study, we analyzed 6,956 cases of adult (age 16 and up) cardiovascular surgery performed with perfusion. The data was collected over three years, from January 1, 2014 to December 31, 2016. In Japan, perfusion is most frequently performed with valve surgery, followed by aortic surgery and coronary artery bypass grafting (CABG). Differences according to type of surgery are discovered by analyzing the perfusion registry, which suggests that collecting this data is useful. It should be noted, however, that data analyzed for this study was obtained from only 30 institutions, so it did not represent the entire country. The results also show large variations for some data items. In the future, data accuracy is expected to increase as efforts are made to modify the input interface and more institutions participate in the registry to catalog more cases.

  • ―2014-2016年データの集計―
    亀井 哲也, 窪田 將司, 齊藤 千紘, 吉田 靖, 日比谷 信
    2018 年45 巻2 号 p. 101-106
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/07
    ジャーナル フリー

    日本体外循環技術医学会は、体外循環下に心臓血管外科手術を受ける患者の手術前の医学的身体所見と体外循環の実施状況、およびその結果を全国規模で集計・解析するために体外循環症例データベースを構築し、2013年よりデータベース事業を開始している。解析対象は体外循環症例データベースに保存された2014年1月1日から2016年12月31日までに実施された体外循環を伴う成人(16歳以上)心臓血管外科手術3年分のデータ6,956症例とした。日本における体外循環の手術タイプは、valveが最も多く、次いでaorta、CABGの順であった。手術タイプによって差異があることは、体外循環症例登録の解析結果を通じて知り得たものであり、データが蓄積されることの有用性がうかがえる。ただし、解析対象は30施設であり、けっして日本の代表値でないことを留意しておく必要がある。また、集計結果から、項目によっては、ばらつきが大きいことがうかがえ、今後、入力インターフェースを工夫するなど、登録データの精度向上に努めること、参加施設数が増え、登録数が増加することでデータの精度は向上すると予想される。

研究論文
  • 濱田 直弥, 西 宏之, 加藤 大三, 椋本 匡俊, 濵津 宏太, 橘 慎也, 真住居 美和, 倉重 修平, 尾崎 達斗, 大畑 雄咲, 高 ...
    2018 年45 巻2 号 p. 107-110
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/07
    ジャーナル フリー

    オープンステントグラフト(open stent graft:OSG)を用いた全弓部大動脈置換術(total arch replacement:TAR)では、末梢側の大動脈吻合を行う必要がなく、手術侵襲の軽減が期待される。今回OSG使用時のTARと従来のTARでの人工心肺法について比較検討を行った。OSGを使用したTAR症例24例をO群、従来のTAR症例14例をT群とし、両群間における術中、術後因子について比較検討した。周術期死亡、合併症に関して両群間に差はなかったが、O群の方がT群に比し大動脈遮断時間(p=0.04)、脳分離灌流時間(p=0.05)、下半身循環停止時間(p=0.04)が有意に短く、ICU帰室後12時間の出血量が少量であった(p=0.03)。OSGを用いたTARは体外循環関連時間を短縮し、出血量の軽減に寄与する可能性がある有用な術式であると考えられた。

  • 加藤 貴充, 楠本 繁崇, 前田 孝一, 鳥飼 慶, 溝手 勇, 倉谷 徹, 坂田 泰史, 澤 芳樹, 吉田 靖, 高階 雅紀
    2018 年45 巻2 号 p. 111-116
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/07
    ジャーナル フリー

    2013年10月より保険償還された経カテーテル的弁膜症治療(transcatheter valve therapy:TVT)は急速に発展してきた。当院では、2009年から2017年9月31日までに506例のTVTを実施してきたが、ハイリスクの高齢者ということもあり、一般的な開心術に比べ補助循環を要する症例が多く、43例に補助循環装置を導入し(8.5%)、うち2例では人工心肺に移行した(0.4%)。ハイブリッド手術に適した回路構成や状況に応じた対応が必要となる。そこで私たちは、補助循環と同様に迅速導入でき、ハイブリッドに適した回路長と状況に応じてリザーバーの設置ができる回路を作成した。TVTに対応できる回路は迅速導入できることに加え、回路の延長作業が不要になるように回路長を延長し、大量出血時に安全に補液対応ができること、開胸に移行した際にtotal flowが得られるような回路の工夫が必要となる。今後も低侵襲手術が増えていくと思われるが、補助循環を効果的に使うことで安全に手術が遂行できるため、新しい術式のニーズに応じてこれからも検討が必要である。

エラータ
  • 2018 年45 巻2 号 p. 161
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/07/07
    ジャーナル フリー

     下記の原著論文について本文表記(Result・結果)および表(Table 5・表5)の一部に訂正があります。修正のうえ再受領(本誌 p.95~106)しました。

     対象となる論文:体外循環技術 Vol.45 No.1(通巻130号)p.15-26

     英文:Data analysis of the perfusion registry in Japan Aggregate data between 2014 and 2016

     和文:日本における体外循環症例データベースの解析 2014-2016年データの集計

     著者:亀井哲也、ほか

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