目的: 0.25%と0.5%ブピバカインを用いて, 上腹部手術後患者に48時間持続硬膜外注入を行ない, 鎮痛, 血圧低下, 血漿濃度, 薬容量の見地より, 至適薬容量の決定を行なった.
方法: 予定非開胸上腹部消化器手術患者40名を対象とした. 0.25%群 (n=20), 0.5%群 (n=20) の2群に分けた. Th
7に硬膜外カテーテルの先端を位置し, 硬膜外腔へ手術終了直前にブピバカインを身長により6m
lか7m
lを単回投与し, 単回投与1時間後より3m
l/hrか4m
l/hrで48時間持続硬膜外注入を行ない, 鎮痛効果, 無痛域, 血漿濃度, 平均動脈圧, 心拍数, 動脈血ガス分析および副作用を調査した.
結果: 0.25%群より0.5%群が鎮痛効果が高く, 血漿濃度は48時間後に最高で3.07±0.61μg/m
lに達した. しかし, 局所麻酔薬中毒を呈した症例はなく, 血圧低下はあるが昇圧剤の必要はなかった.
結論: 上腹部手術後患者にはカテーテルの先端がTh
7の位置にあれば, 0.5%ブピバカインを3~4.3m
l/hrの持続硬膜外注入は, 術後疼痛に有効であり, 血漿濃度の推移より適量と考えられた.
抄録全体を表示