Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
23 巻, 4 号
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  • Udaya Priyantha De ZOYSA, 中田 昌伸, 大川 秀郎
    1998 年23 巻4 号 p. 369-378
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    除草剤クロルプロファム (CIPC) の環境および作物試料における残留量を測定するために酵素免疫測定法を開発した. CIPCハプテンと担体蛋白質との結合体を免疫原とし, 免疫したマウスから調製した脾臓細胞とミエローマ細胞を融合し, 3種の抗CIPCの抗体を産生するハイブリドーマのクローンを樹立した. これらの抗体について競合間接ELISAのCIPCによる阻害曲線を求めた結果, 測定可能な範囲は05~10ppb, 5~100ppb, 50~500ppbであった. また, 50%阻害を示す濃度 (IC50) はそれぞれ1.6ppb, 13ppb, 161ppbであった. さらに, 他のカーバメイト系農薬および構造類縁化合物に対する交叉反応性を検討した結果, 3種のモノクローナル抗体はこれらの化合物とほとんど反応性を示さず, 非常に特異性が高かった. CICPを水道水, 土壊およびバレイショ試料に添加し, 添加回収率をHPLCによる測定値と比較したところ, 両価に高い相関が得られた. これらの抗体はメタノールに対する耐性が強く, 試料をメタノールで抽出して, 抽出液をそのまま希釈することによる簡便, 迅速な残留農薬の測定が可能である.
  • 竹中 秀行, 早瀬 善男, 長谷川 利一, 市場 常男, 益子 道生, 村林 旭, 武田 禮二
    1998 年23 巻4 号 p. 379-385
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    種々の2-(置換-2-ピリジルオキシメチル)フェニル-2-メトキシイミノアセトアミド誘導体を合成し, ピリジン環の置換基が殺菌活性に及ぼす影響について, 茎葉散布試験を実施して調べた. その結果, 無置換の化合物に比較して, ピリジン環の3位, 5位または6位にトリフルオロメチル基またはハロゲンが導入された化合物群は明らかに活性が高かった. さらにトリフルオロメチル基やハロゲンが同時に導入された化合物の中では, 3,5-, 3,6-または5,6-ジ-置換体が予防効果, 治療効果ともに高く抗菌スペクトラムも広がる傾向が見られた. 3,5,6-トリ-置換体はキュウリおよびコムギのうどんこ病に対しては予防効果, 治療効果ともに高かったが, キュウリベと病に対しては予防効果は高いものの, 治療効果が劣る傾向が見られた. メトキシイミノ部の幾何異性体間ではE-体の方がZ-体より活性が高かった.
  • 高橋 義行, 堀 秀隆, 古野 秀和, 河野 敏郎, 高橋 誠, 和田 豊
    1998 年23 巻4 号 p. 386-391
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Bacillus thuringiensis (BT) の Kurustaki HD-1 株の殺虫性結晶蛋白 (ICPs) に対する抗血清を作製し, BT製剤中のICPsの簡易・迅速検出法の確立を目的として, 3種類の酵素標識抗体法 (ELISA) を比較検討した. アビジン・ビオチン複合体を利用した間接法 (ABC-ELISA) と抗原を直接プレートに吸着させた後に酵素を標識した抗体を反応させるAC-ELISAと二重抗体サンドイツチ法 (DAS-ELISA) の2種類の直接法を供試した. ELISAによる検定では, BT製剤を0.1M NaOHで溶解することで検出感度が高まった. 3種類のELISAの検出感度はAC-ELISA<ABC-ELISA=DAS-ELISAの順で高かった. ABC-ELISAおよびDAS-ELISAでは市販の6種類のBT製剤の検出限界希釈倍数は105~107倍であり, この最大希釈倍数 (107倍) は約4~8ng/mlのICPs濃度であった. また, DAS-ELISAではキャベツ粗汁液による非特異反応や反応阻害等の影響は認められなかったが, 抗原を直接プレートに吸着させるABC-ELISAやAC-ELISAでは強い非特異反応が認められた. 生物検定用にオウトウ果実から抽出した試料をABC-ELISAを用いて分析した結果, ICPsの残留量はコナガを用いた生物検定の結果とほぼ一致した.
  • サンチョ E., フェルランド M.D., ガモン M., アンドリュー E.
    1998 年23 巻4 号 p. 392-398
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ウナギ (Anguilla anguilla) を致死濃度以下のフェニトロチオン (以下薬物) を溶解した流水試験系に放ち, 生物濃縮および排泄を調べた. 0.02ppm区で48hr後, 0.04ppm区で24hr後にそれぞれ安定状態になった. 生物濃縮係数は0.04ppm区で大きかった. ウナギを清浄水に移すと速やかに薬物を排泄した. ウナギのエラにおける薬物動態パラメーター, K1, K2, T1/2を算出したところ, 0.02ppm, 0.04mmp区でそれぞれK1: 0.037, 0.058ml g-1 hr-1; K2: 0.0014, 0.029hr-1; T1/2: 495, 23.9hrであった. 並行して総タンパク濃度を調べたところ, 0.04ppm区で9.6hr後に70%減少していた. タンパク濃度の回復傾向は清浄水に移された後みられたが, その程度は大きくなかった. これらの結果から, 薬物に接触するというストレス状態がウナギのエラにおけるエネルギー要求に応じてタンパクの利用を必要とすることが示唆された.
  • Jeffrey G. SCOTT
    1998 年23 巻4 号 p. 399-401
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ピレスロイド殺虫剤は神経におけるナトリウムチャンネルのオープンタイムを延長することにより, その生理作用を示す. 最近,α-トコフェロール (ビタミンE) は, ラット細胞を用いたパッチクランプ法により, ピレスロイドの毒性と拮抗することが報告された. そこでα-トコフェロールが, in vivo でイエバエやチャバネゴキブリに対するピレスロイド (ペルメトリン) の殺虫力を低下させることが出来るかどうか検討した. α-トコフェロール処理は, イエバエおよびチャバネゴキブリにおいて, ペルメトリンの殺虫力をそれぞれ1/4.3及び1/6.6に低下させた. α-トコフェロールは変異型kdrを持つ抵抗性チャバネゴキブリにおいても, ペルメトリンの殺虫力を1/6.2に低下させた. これらのことから, α-トコフェロールは正常型あるいはkdr型のいずれのナトリウムチャンネルを持つ昆虫に対しても, in vivo においてペルメトリンの拮抗剤として有効であることを示した.
  • 手林 慎一, 平井 信久, 鈴木 隆久, 松山 茂, 中北 宏, 根本 直, 中西 洋志
    1998 年23 巻4 号 p. 402-406
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    甲虫目ゴミムシダマシ科 (Tenebrionidae) に属するオオツノコクヌストモドキの雄は, 集合フェロモンの主成分として acoradiene を分泌するが, 第二成分の存在も判明している. そこでオオツノコクヌストモドキの飼育容器中の空気を通気捕集し, この捕集物をSiO2及び5%AgNO3-SiO2カラム, 分取GLCで精製することで, 集合フェロモンの主成分 (acoradiene, 350mg) 及び微量成分 (1.1mg) を単離した. 第二成分にはアルデヒド基が存在し, このアルデヒド基を還元して得た炭化水素を, 合成したα-cedrene をもとにα-cedrene と決定した. さらに1H NMR及びNOESYの分析結果からアルデヒド基の位置を14位と決定し, 集合フェロモンの微量成分をα-cedren-14-al と同定した. acoradiene 及びα-cedren-14-al はそれぞれ100pg/濾紙, 3.1pg/濾紙まで集合活性が確認されたが, 相乗的な共力作用は確認されなかった.
  • 山口 健一, 福井 啓子, 高橋 正昌
    1998 年23 巻4 号 p. 407-409
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ナス科作物の萎ちょう病や半身萎ちょう病等の生物防除に有効な非病原性フザリウム属菌MT0062株について, 土壌伝染病の防除に用いられている数種殺菌剤に対する感受性を in vitro で調べた. キャプタン, クロロタロニル, ジクロフルアニド, フルトラニル, メプロニル, ペンシクロン, キントゼン, チウラム, トルクロホスメチル, バリダマイシンAのMT0062株に対するMICは何れも1000ppm以上であったが, ベノミル及びチオファネートメチルは各々1~3ppm, 10~30ppmの低濃度で菌糸伸長を完全に阻害した. 非病原性フザリウム属菌MT0062を親株として紫外線照射法によってベノミル耐性変異株の作出を試みた結果, ベノミルを10ppm含むPDA培地上でも成長する変異株が得られた. ベノミル耐性変異株の中でBR11株は発病抑制作用を保持し, 予め接種した畑土壌で生育させたトマトの根からベノミルを含む選択培地上に再分離された. 以上の結果から, 本変異株は, 生物防除に有効な非病原性フザリウム属菌の生態学的研究に利用しうる可能性が示された.
  • 貞包 眞吾, 酒井 智代, 林 明子, 大川 秀郎
    1998 年23 巻4 号 p. 410-413
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    カーバメイト系除草剤クロルプロファム (IPC) の免疫化学測定法を確立した. パプテンとしてIPCのカルボン酸誘導体 (IPC-COOH) を合成し, それを牛血清アルブミンに結合させて免疫原を調製し, この免疫原をウサギに免疫して抗血清を得た. 調製した抗血清とマイクロプレート上の抗原 (IPC-COOHとウサギ血清アルブミンの結合体) との結合をIPCは競合的に阻害した. 次いで, プレートに結合した抗体の量を酵素標識抗ウサギIgGヤギ抗体を用いて求める方法によりIPCのELISAを確立した. IPCによる抗原抗体反応の50%阻害および検出限界濃度はそれぞれ140ppbおよび5ppbであった. 得られた抗体のカーバメイト系やウレア系の農薬に対する交差反応性は極めて低かった. この方法はジャガイモ中のIPCの測定に適用することができた. ジャガイモ中のIPCはメタノールにより抽出し, メタノール抽出液を20倍に希釈した後, 測定した. その検出限界濃度は0.3ppmであった.
  • 坂 真智子, 飯島 和昭, 小田中 芳次, 加藤 保博
    1998 年23 巻4 号 p. 414-418
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    超臨界流体抽出法において5種類の吸水剤を用いてトマトに19種の農薬を添加して検討したが, 取り扱い易さとピレスロイド剤の良好な回収率から, ポリマー吸水剤 Arasorb S-100Jを選択した. 農薬を添加後, SFEで抽出, GC-MS/SIMで定量した. SFEの最適条件は, 流体密度0.6mg/l, 抽出20分, トラップ40℃であった. アセフェート, クロロタロニル, キャプタンを除く16農薬では回収率79%以上を得た. SFEと溶媒抽出法を比較したが, 16農薬の回収率はほとんど差が認められなかった. いちご, ピーマンの残留実試料を用いてSFE法と告示法に準じた溶媒抽出法を比較した結果, 分析値はほぼ一致した. ポリマー系吸水剤を利用したSFE法は水分を多量に含む野菜や果実の残留分析法として有用であった.
  • 岩谷 宏司, 丸山 宗之, 中西 秀明, 黒河内 伸
    1998 年23 巻4 号 p. 419-421
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    トビイロウンカの人為接種とイネ体中の殺虫剤の残留分析を経時的に組み合わせる手法により, 育苗箱施用されたイミダクロプリドの長期にわたる残効性を実験的に解析した. 飛来性害虫トビイロウンカに対してイミダクロプリド有効成分1g/箱 (200ga. i./ha) は田植え後約2か月間, 0.01mg/kgのイネ体濃度までウンカの増殖を抑制し, 100日を過ぎて密度の回復が見られたものの被害に至らず, 収量に影響を及ぼさない許容範囲にあると考えられた. また, 収穫された籾の残留値は0.002mg/kgで日本におけるMRL 0.2mg/kgの100分の1と, 検出限界濃度に近い低いレベルであった.
  • 百町 満朗
    1998 年23 巻4 号 p. 422-426
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 正野 俊夫
    1998 年23 巻4 号 p. 428
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 西村 勁一郎, 佐々木 満
    1998 年23 巻4 号 p. 429-436
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 中原 武良, 渡部 忠一, 鎌田 泰裕, 鈴木 雅博
    1998 年23 巻4 号 p. 437-443
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 上野 民夫, 児玉 治, 田母神 繁
    1998 年23 巻4 号 p. 444-445
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 葛西 真治, 正野 俊夫, 松田 一彦, 飯田 哲司, 藤村 真
    1998 年23 巻4 号 p. 446-454
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 大山 和俊, 栗原 紀夫, 大川 秀郎
    1998 年23 巻4 号 p. 455-462
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 黒河内 伸, F. F. Fajardo, 上路 雅子
    1998 年23 巻4 号 p. 463-470
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 坂 真智子, 時枝 正則, 小田中 芳次
    1998 年23 巻4 号 p. 471-478
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 小口 寿彦
    1998 年23 巻4 号 p. 479-481
    発行日: 1998/11/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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