Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
2 巻, 1 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 宮本 純之, Moreno L. KEPLINGER, Ronald J. WINGENDER, 滝本 善之, Donald H. JENK ...
    1977 年 2 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    シアノフェンホス (シュアサイド ®) 連続投与による乳牛のミルクおよび肉中における残留について宮本純之, M. L. Keplinger, R. J. Wingender, 滝本善之, D. H. Jenkins (住友化学工業株式会社, Industrial BIO-TEST Laboratories).
    シアノフェンホス (シュアサイド) O-エチルO-4-シアノフェニルフェニルホスホノチオエートを0, 5, 15, 50ppmの割合で含んだ飼料で各群4頭の乳牛を30日間飼育し, ミルクを採取するとともに3頭を30日目に解剖して肝臓, 腎臓, 筋肉および脂肪を得た. 各群残り1頭はさらに30日間正常飼料で飼育しミルクを採取したのち屠殺した. ミルク, 組織中におけるシアノフェンホスおよびシアノフェンホスオキソンをメタノール・アセトニトリル混液で抽出後FPD付きガスクロマトグラフで定量したところ, 50ppm処理区のミルク中にのみシアノフェンホスが認められ処理開始2日および4日後で最高0.25ppmに達した. オキソン体も同じく4日後に最高の0.06ppmに達したが, 両化合物ともその後減少し, 30日後では検出限界以下となった. 50ppm区30日後における脂肪中のシアノフェンホスおよびオキソン体の残留量はそれぞれ平均0.9ppmおよび0.09ppmであり, 他の組織中ではこれらの残留量はその約1/10であった. 15, 5ppm処理区ではミルク中の残留量はすべて検出限界以下, 組織中にもほとんど残留を認めなかった.
    60日後では各処理区を通じて少量 (0.005ppm) のシアノフェンホスが一部の組織中に検出されたにすぎず, オキソン体はまったく存在しなかった.
  • 中村 安夫, 石川 莞爾, 鍬塚 昭三
    1977 年 2 巻 1 号 p. 7-16
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ベンゼン環を14Cで標識したベンチオカーブを用い, 室内実験により, 土壌中の分解に関与する土壌要因の影響について研究した. 性質の異なる3種類の土壌を, 畑地状態, 酸化的湛水および還元的湛水状態とし, その中でのベンチオカーブの分解を比較すると, 土壌間ではあまり差は認められず, 土壌の酸化還元状態が分解に大きく影響した. いずれの土壌でも, 酸化的 (好気的) 条件ではベンチオカーブは速かに分解し, 同時に14CO2が顕著に生成した. 還元的 (嫌気的) 条件では分解が遅く, 14C2の生成も少なかった. また, 滅菌土壌中ではベンチオカーブの分解はほとんど認められなかった. 中間生成物相互間の比率は土壌条件の差によっても大差がなく, 土壌条件が異なっても同一の分解経路で分解するものと推定された. さらに, ベンチオカーブの反覆施用, シメトリン, CNPおよびプロパニルとの混合施用はベンチオカーブの分解に大きな影響を及ぼさなかった.
  • 石川 莞爾, 中村 安夫, 仁木 良夫, 鍬塚 昭三
    1977 年 2 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    14C-標識および非標識化合物を用いて, 紫外線および太陽光線下でのベンチオカーブの光分解を研究した. 水溶液中でベンチオカーブは紫外線により速やかに分解し, 比較した他の7種類の農薬より速やかに分解した. ベンチオカーブの分解生成物として, ベンチオカーブスルホキシド, デスエチルベンチオカーブ, 4-クロルベンジルアルコール, 4-クロルベンツアルデヒド, 4-ヒドロキシベンツアルデヒド, 4-クロル安息香酸のほか, 同定された化合物8種類および未同定の化合物約20種類が検出された. これらのうち, 4-クロルベンジルアルコールおよび4-クロルベンツアルデヒドが多量に生成した. 太陽光線下でも水溶液中でベンチオカーブは速やかに分解し, そのさい検出された分解物の大部分は紫外線照射で生成した分解物と同じものであった. ガラス板上の薄層へ紫外線を照射した場合も, 水溶液と同様の分解物が生成した.
  • 志賀 直史, 俣野 修身, 後藤 真康
    1977 年 2 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    MBC自身がケイ光スペクトルを有することに着目し, ベノミルおよびチオファネートメチルを有機溶媒で抽出し, 溶媒転溶により精製した後, ベノミルは酸性条件下で加水分解してMBCとし, チオファネートメチルは閉環反応によりMBCとして, ケイ光光度計を検出器とする高速液体クロマトグラフィーで定量することを試みた. ベノミルは土壌, きゅうり, トマト, もも (果肉および果皮), みかん (果肉および外皮), チオファネートメチルは土壌について分析した. いずれの試料でも定量が可能であり, 従来の方法に比べて簡便で感度も良好である.
  • 本間 保男, 高橋 広治, 水野 宏, 見里 朝正
    1977 年 2 巻 1 号 p. 33-40
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    キュウリうどんこ病菌 Sphaerotheca fuliginea を供試し, 本菌の生育過程に及ぼす大豆レシチンの影響を検討した. キュウリ子葉裏面に大豆レシチン2000ppmを処理し, うどんこ病菌分生胞子を接種し, 分生胞子の発芽, 菌糸の伸長, 分生子梗, 分生胞子の形成を経時的に走査電顕により観察した. 分生胞子の発芽には著しい抑制はみられなかったが, 無処理区に比し, 発芽管がやや太く, 短くなり, 菌糸の伸長が遅くなる傾向がみられた. もっとも顕著な影響は, 処理区の接種3日目以降の菌糸先端部に現われた. すなわち, 伸長した菌糸の先端部周縁に薄膜が見られ, うなぎ尾状を呈し, 日数の経過とともに膜の部分が拡大することであった. また無処理区に比し, 分生子梗, 分生胞子の形成が遅れ, 数も少なく, とくに分生胞子が分生子鎖から離脱せずに, そのままたれ下がり, 全体的にゼンマイ状を呈するものがみられた.
  • 山本 出, 大沢 貫壽, Frederick W. PLAPP
    1977 年 2 巻 1 号 p. 41-49
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    メチルパラチオンはβ-シクロデキストリンに包接され1:2または1:1の包接モル比を与えた. メチルパラチオンと4種のピレスロイド bioallethrin, tetramethrin, resmethrin, pyrethrins の包接化合物の棉畠昆虫に対する室内殺虫効果を検討したところ, 包接メチルパラチオン (1:2比) は Anthonomus grandis (ワタミゾウムシ) に対し遊離メチルパラチオンと同等の効果を示す一方, その残効性はきわめて長くなり, 温室内で棉植物の葉上10日後でもほとんど分解しなかった. しかし寄生蜂の一種 Campoletis sonorensis への毒性は包接化によってあまり減らなかった. ピレスロイドはいずれも C. sonorensis に低毒性であり, 包接化によりさらに安全性が高められるが A. grandis の殺虫には包接物は遊離ピレスロイドより高濃度が必要のようである. Heliothis virescens に対し包接メチルパラチオンは有効であったが, 包接ピレスロイドは十分摂食されていても無効であった.
  • 小川 邦彦, 津田 正孝, 山内 文雄, 山口 勇, 見里 朝正
    1977 年 2 巻 1 号 p. 51-57
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    殺虫剤, 2-iso-propylphenyl N-methylcarbamate (ミプシン®, MIPC) の側鎖の methyl 基を14Cで標識した化合物を用いて, 水稲における吸収, 移行と代謝, および土壌中における分解を検討した. 水稲では, 14C-ミプシンは根や葉面から吸収され, 上部または他の葉へ移行するが, おもに揮散により消失し, 収穫時の残留量は少なかった. 稲体内に吸収されたミプシンは代謝されて, 稲わら中ではおもに, 2-(1-hydroxy 1-methylethyl) phenyl N-methylcarbamate と 2-iso-propylphenyl N-hydroxymethylcarbamate が生成し, 玄米中ではおもに, その水抽出物を加水分解することにより 2-iso-propylphenylcarbamateが認められた.
    土壌では, 湛水条件下よりも畑地条件下で分解が速く, それぞれおもに, 2-iso-propylphenol と 2-iso-propylphenylcarbamate を生成した.
    ミプシンの代謝物の生物学的評価を3種のコリンエステラーゼの阻害度から検討した結果, ほとんどの代謝物や分解物はミプシンよりも阻害度が低かった.
  • 吸収, 移行および化学形態変化について
    小林 勝一郎, 石塚 皓造
    1977 年 2 巻 1 号 p. 59-65
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    barban の選択殺草機構を解明するために, barban の吸収, 移行および化学形態変化について検討した. 移行および化学形態変化の速度においては, 感受性植物 (エンバク), 抵抗性植物 (コムギ) の間に大きな差は認められなかった. 茎葉による barban の吸収を, intact shoots と sectioned shoots について調べてみた. intact shoots の場合には, 感受性植物のほうが著しく多く吸収することが認められ, その際, 殺草点と思われるタンパク・核酸生合成系の阻害もきわめて大であった. これに対して, sectioned shoots の場合には, 吸収, およびタンパク生合成能の抑制ともに, 両植物間に差は認められなかった. したがって, barban の選択殺草性の主因の一つとして, 茎葉による吸収速度の差が挙げられる.
  • 大川 秀郎, 金子 秀雄, 宮本 純之
    1977 年 2 巻 1 号 p. 67-76
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Permethrin [3-phenoxybenzyl 3-(2,2-dichlorovinyl)-2,2-dimethylcyclopropanecarboxylate] の (+)-trans および (+)-cis 体をおのおのインゲンマメの葉面に処理すると, 両者とも速やかに代謝される. trans 体と cis 体の半減期はおのおの約7日と9日であった. 両異性体ともエステル結合の開裂, アルコール側のフェノキシ基とおそらく酸側のジメチル基の酸化, ならびに生成するカルボン酸とアルコール類の抱合などの代謝反応を受ける. おもな代謝物はアルコール側から phenoxybenzyl alcohol, 2'-hydroxyphenoxybenzyl alcohol, 4'-hydroxyphenoxybenzyl alcohol のグルコシド, 酸側からは dichlorovinyl chrysanthemic acid とおそらくその水酸化体のグルコシドであった.
    permethrin の両異性体およびそれらの代謝物は植物体中でほとんど移行しなかった.
  • 池庄司 敏明
    1977 年 2 巻 1 号 p. 77-89
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • とくにRPARを中心に
    窪田 幸夫
    1977 年 2 巻 1 号 p. 91-94
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 進藤 登
    1977 年 2 巻 1 号 p. 95-101
    発行日: 1977/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
feedback
Top