Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
17 巻, 1 号
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  • 農薬製剤懸濁液の分散粒子に関する研究 (第1報)
    片山 泰之, 善 重和, 堀出 文男, 津田 重典, 辻 孝三
    1992 年 17 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    界面活性剤を含有する各種硬水中における2種の鉱物質担体の懸垂性を調べた. カオリナイト・クレーの場合, 水の硬度が高くなるとクレー粒子のζ電位が低下して粒子同士が凝集し, 結果的に懸垂率が低くなった. ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加するとζ電位の増加により懸垂性は向上した. 一方ケイソウ土の場合, 界面活性剤の添加によりζ電位は高められたが, 無添加のときよりも懸垂率は低くなった. 界面活性剤の添加により, クレーの付着張力は増大したがケイソウ土のそれは減少した. このことから界面活性剤の存在はケイソウ土の界面エネルギーを増加させて凝集を引き起こすことが示唆された. ケイソウ土とクレーの付着張力に対する界面活性剤の影響の違いは, 両者の表面の親水性の差異によるものと考えられた.
  • 符阪 隆文, 壇辻 寛和, 井上 芳博, 岩永 幸一, 佐藤 安夫, 長瀬 弘始
    1992 年 17 巻 1 号 p. 7-16
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    1-ベンゾイル-3-フェニル尿素型化合物は, 昆虫が脱皮する際に新たに形成されるクチクラ層の正常な形成を阻害することによって, 昆虫を死に至らしめる新しいタイプの殺虫性化合物として知られ, これまで多くの農薬企業によって構造修飾が行なわれてきた. 筆者らはこの型の化合物のアニリン部分の4位の置換基Zに着目し, Zとしてポリフルオロアルキルオキシ, あるいは相当するチオ基を有するものが高い殺虫活性を有するグループを形成していると考え, この位置に1, 1, 2, 2-テトラフルオロエチルチオ基および2-クロロ-1, 1, 2-トリフルオロエチルチオ基を有するもの4, およびこれらに対応するスルホニル体2, およびスルフィニル体3を合成し, これら新規なベンゾイルフェニル尿素型化合物の鱗翅目昆虫に対する殺幼虫活性を調べた. 4は予想どおり高い効果を有していたが, 2および3の中にも対応する4に匹敵する殺虫活性を有するものがいくつか見い出された. 合成した化合物のアニリン部分の置換様式と殺虫効果の関係から, 4位の置換基のほか2位にフッ素, 塩素, メチル基などの適当な置換基を有することが, 高活性の発現に大きく寄与していることが判明した.
  • 殺菌活性を有するN-Phenylformamidoximes の研究 (第2報)
    早川 公一, 中山 章, 西川 博明, 中田 昭, 佐野 慎亮, 横田 因
    1992 年 17 巻 1 号 p. 17-25
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    N-フェニルホルムアミドキシム類のベンセン環の置換基およびホルムアミドキシムのO-置換基の殺菌活性に対する影響を調べた. 殺菌活性はベンズイミダゾール系殺菌剤に耐性を示す Botrytis cinerea に対する活性を指標とした. ベンゼン環置換基についてはまずハロゲン, アルキル, アルコキシの様々な置換様式について in vivo の試験で活性を調べ, 3, 5-ジクロルフェニルの4位の置換基が活性に非常に大きな影響を与えることを把握した. そこで, この4位置換基について in vitro で活性を調べ, 構造活性相関を物理化学的パラメータを用いて重回帰分析により解析した. その結果, 置換基が直結した炭素の13C-NMRケミカルシフトを指標とする置換基の電子的性質および置換基のある一定方向の最大幅が, 活性の大きさの変化に有意に効果を及ぼすことがわかった. また, この置換基の性質は殺菌活性に対する影響ばかりでなく, ベンズイミダゾール系殺菌剤との負相関交差耐性という特性にもきわめて重大な影響を与えていた. ホルムアミドキシムのO-置換基についても, 同様に重回帰分析により定量的構造活性相関を解析したところ, 化合物の疎水性および置換基の最大幅 (B5) にそれぞれ最適値が存在することがわかった.
  • 磯部 直彦, 鈴木 工, 西川 淳一, 金子 秀雄, 中塚 巌, 吉武 彬
    1992 年 17 巻 1 号 p. 27-37
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    アルコール側C-1炭素を14Cで標識した (1R)-cis-または (1R)-trans-empenthrin [(RS)-1-ethynyl-2-methyl-2-pentenyl (1R)-cis-trans-chrysanthemate] をそれぞれ3および150mg/kgまたは3および600mg/kgの割合で1回経口投与すると, 14Cは速やかに, 投与後7日目までにほぼ完全に尿および糞中に排泄された. 投与後7日目の体内に残存する14C量は投与量の0.4%未満であった. 尿, 糞および呼気中への14C排泄率はそれぞれ投与量の22~41%, 60~74%および1~2%であった. cis-または trans-異性体を3mg/kgの割合で投与した後1~8時間目に組織中14C濃度は最高となった. 肝臓および腎臓中の14C濃度は他の組織に比べ高かった. cis-異性体を投与したラットの脂肪は他の組織に比べ14Cが長期間残存した. 放射能の分布や排泄には顕著な性差は認められなかった. trans-異性体を投与したラットの組織残留14C濃度は cis-異性体投与群に比べ低かった. cis-および trans-異性体を投与したラットの糞中の親化合物量は, 投与量のそれぞれ7~13%および17~26%であった. 主要な代謝はエステル結合の開裂および生成したアルコールのグルクロン酸抱合化であった. 他に, 酸側メチル基およびアルコール側メチレン基の酸化, およびアルコール側三重結合の水和反応を認めた.
  • 清水 力, 中尾 徹, 須田 欣孝, 阿部 洋
    1992 年 17 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    メプロニルは, イネ紋枯病菌ミトコンドリアのコハク酸を基質とする酸素消費を低濃度で阻害したが, NADHを基質とする酸素消費にはほとんど影響を与えなかった. そこでコハク酸酸化に関与する酵素に対する影響を検討したところ, 本剤は低濃度でイネ紋枯病菌ミトコンドリアのコハク酸-チトクロムc還元酵素 (I50; 0.25μM), コハク酸-コエンザイムQ10還元酵素ならびにコハク酸-DCPIP還元酵素 (I50; 0.24μM, Ki; 0.082μM, Ki′; 0.23μM) を阻害することが明らかとなった. 以上の結果から, メプロニルの作用点は呼吸鎖複合体IIのコハク酸脱水素酵素であると考えられる. 一方, イネいもち病菌, 灰色かび病菌, ラット肝臓, マウス肝臓, エンドウ黄化幼植物ならびにサツマイモのコハク酸-DCPIP還元酵素は弱く阻害されたに留まったことから, 本剤は高い選択性を有した薬剤であると考えられる.
  • Adrien FÓNAGY, 松本 正吾, 内海 恭一, 折笠 千登世, 満井 喬
    1992 年 17 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    カイコおよびハスモンヨトウを用い, 合成したカイコのPBANのフェロモン腺に対する作用を, in vivo および in vitro で検討した. 合成PBANを断頭したカイコ雌成虫に注射すると濃度依存的にボンビコールの生産が促され, また, その生産量は注射後90~120分で最大となった. 一方, 合成PBANを含む Grace 培地でカイコおよびハスモンヨトウのフェロモン腺を培養したところ, 両種とも濃度依存的にフェロモンの生産が促され, その生産量は培養開始後90~120分で最大となった. さらに, 両種におけるフェロモン生産はカルシウムイオノフォアを含む Grace 培地でフェロモン腺を培養しても引き起こされることから, カイコおよびハスモンヨトウにおいて, PBANの標的器官がフェロモン腺であること, また, その作用の発現にはカルシウムイオンが介在していることが示唆された.
  • 尾添 嘉久, 持田 和男, 中村 利家, 江藤 守総
    1992 年 17 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    昆虫のGABA制御クロルイオンチャネルに存在する二環式リン酸エステル結合部位の構造に関する知見を得るために, 3位アルキル基置換チオノ型二環式リン酸エステル類を合成し, イエバエおよびチャバネゴキブリに対する共力剤存在下での殺虫活性と [35S] TBPSのイエバエ頭部膜画分への結合阻害活性を調べた. イエバエに対する局所施用で高い活性を示す置換基の順は, i-Pr>Me=H>Et=t-Bu>s-Bu>n-Prであった. チャバネゴキブリへの注射では, t-Bu=i-Pr>Me=Et>n-Pr=s-Bu=Hの順となった. n-Buとi-Buの場合は, 両アッセイ系においてほとんど活性がなかった. また, [35S] TBPS結合阻害活性は, t-Bu, i-Pr,s-Buの場合が高く, Me, Et, n-Pr, H, n-Buがそれに次いだ. i-Buの場合は活性が弱かった. 3位への炭素数3個までの長さのアルキル基の導入は作用部位への親和性を高め, t-Buとi-Prが最適であった. ただし, アルキル基2位での分枝は親和性を低下させた.
  • 瀬戸 秀春, 禿 康雄, 銭 昭輝, 清水 猛
    1992 年 17 巻 1 号 p. 61-67
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ククルビン酸のすべての立体異性体および種々の類縁体をラセミ体にて立体選択的に合成し, 構造活性相関の解明ならびに農業上実用可能な植物生長調節剤の探索を目的として, これら化合物について水稲の幼苗根およびトウモロコシの草丈の成長に対する阻害活性を調べた. その結果, 水稲の幼苗根の成長阻害活性を高めるククルビン酸類縁体の化学構造要因として, 1) 1位と2位の置換様式がシスであること, さらに, 2) 3位の水酸基, 3) (Z)-2′-petenyl あるいはbutyl基に代表される2位の alkenyl あるいは alkyl 置換基, および, 4) 1位の methyl acetate 置換基が重要であることが解明された. 水稲の幼苗根の成長阻害活性において, ククルビン酸類縁体の中で, 相当する3-oxo体である, ジャスモン酸メチルあるいはエピジャスモン酸メチルに勝るものはなかったが, 茎葉処理によるトウモロコシ草丈の成長阻害活性においては, これらの化合物と同等あるいは若干強い活性を示す化合物がいくつか見い出された. これにより, より実用的な茎葉処理においては, 3位がケトンであるより水酸基のほうが, また, 2位の置換基が alkenyl よりも alkyl 基のほうが活性発現に適していると推測された.
  • 岡田 至, 奥井 周子, 関根 真波, 高橋 洋治, 福地 俊樹
    1992 年 17 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    われわれは先にN-(4-tert-ブチルベンジル)-4-クロロ-3-エチル-1-メチルピラゾール-5-カルボキサミド (tebufenpyrad, Code No. MK-239, Pyranica®) が, 高い殺ダニ活性を有することを報告した. さらに高活性な化合物を目標に, 26種の二環式ピラゾール誘導体 (IV) を合成し殺ダニ活性を試験したところ, シクロペンタン環を有する化合物が高活性であることを見いだした. その中で, N-(4-tert-ブチルベンジル)-2, 6-ジメチル-2, 4, 5, 6-テトラヒドロシクロペンタピラゾール-3-カルボキサミド (21) が最も高い活性を示し, テトラニカス属やパノニカス属のダニに対してMK-239に匹敵する活性を示した.
  • 三宅 敏郎, 春山 裕史, 満井 喬, 桜井 成
    1992 年 17 巻 1 号 p. 75-82
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ピリダジノン環を有する新規JHM, NC-170は, ヒメトビウンカの変態を強く阻害し, その活性は4齢幼虫に対する局所施用法でID50=0.42pg/larvaであった. さらに, NC-170は, 短日, 低温条件により誘起される本種の幼虫休眠を阻止し, また, 休眠幼虫に対しては, その休眠を打破する作用を示した. 本種の休眠は, 脱皮ホルモンの処理によって打破されることが確かめられたことから, NC-170は, 内因性脱皮ホルモンの分泌を刺激し, その結果, 二次的に休眠打破を引き起こした可能性がある. 一方, 天然のJH-1,2,3について同様の検討を行なったところ, JH-1のみが, NC-170と同等の休眠打破活性を示したものの, 変態に関してはいずれのJHもまったく影響を与えなかった. したがって, 本種においては, NC-170は, JH-1のみならず, 変態生理に関与する別種の JH homologue の mimic として機能しているものと想像された.
  • Adel Ramzy FAHMY, 宮田 正
    1992 年 17 巻 1 号 p. 83-85
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    クロルフルアズロン抵抗性コナガ2系統 (TL系統, BK系統) を無淘汰条件下におき, 抵抗性の消失程度を調べた. 無淘汰系統のLC50およびLC95値は徐々に減少した. しかし, 感受性系統と比較した抵抗性比をみると, 変動が認められた. 抵抗性の2系統とも, 9世代無淘汰で飼育することにより抵抗性比は3になり, ほとんど感受性系統と同程度の感受性に回復した.
  • 水谷 章, 広瀬 茂樹, 今崎 秀之, 大羽 克明, 石黒 丈雄, 林 幸之
    1992 年 17 巻 1 号 p. 87-89
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    新規殺ダニ剤, ビス (2-メチル-2-フェニルプロピル)-トリメチルシリルメチルスタニルクロライド (SSI-121), はナミハダニ, ニセナミハダニ, カンザワハダニおよびミカンハダニに対して接触毒として有効に作用した. サイヘキサチン抵抗性のカンザワハダニ, ならびにヘキシチアゾクスおよびフェンブタチンオキサイドの両者に抵抗性のミカンハダニは, 本化合物に対して交差抵抗性を示したが, その程度は低かった.
  • 長田 裕之
    1992 年 17 巻 1 号 p. S1-S7
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 菅 洋
    1992 年 17 巻 1 号 p. S9-S14
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • エーリング G., ライスト K. H., エバート E.
    1992 年 17 巻 1 号 p. S17-S23
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    フェノキサプロップエチルはドイツヘキスト社によって合成されたイネ科雑草に有効な茎葉処理型選択性除草剤である. 本原体の各種動物に対する毒性試験の結果によると, ラットの急性経口毒性においてLD50は2357~3646mg/kg, マウスにおいては, 4670~5490mg/kgであった. ラットの急性経皮毒性ではLD50は2000mg/kg以上であった. また眼および皮膚への一次刺激性は軽度であり, 皮膚感作性は陰性であった. さらに亜急性毒性, 慢性毒性, 発癌性, 繁殖毒性, 催奇形性および変異原性においても, 特記すべき本品投与の影響は認められなかった. したがって, フェノキサプロップエチルは, 定められた使用方法および注意事項を遵守することにより, 安全性を確保できる薬剤であると言える.
  • 三笠化学工業株式会社農薬技術部技術課
    1992 年 17 巻 1 号 p. S25-S27
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    有機ニッケルの安全性評価のために, 各種の試験を実施した.
    その結果, 本化合物はラット, マウスを用いた急性毒性試験では, 経口, 経皮のいずれの投与経路においてもLD50値が高く, 最大無作用量は亜急性毒性では1191.1~1994.1mg/kg/day, 慢性毒性試験では, 7.3~8.8mg/kg/dayであった. 眼および皮膚に対しては一次刺激性が認められたものの, 水洗などによって消失しうるものであった. また, 染色体異常試験のうち, 代謝活性化法においてのみ染色体異常の誘起が認められたが, 他の変異原性試験や催奇形性試験などの結果では毒性は認められなかった.
    これらのことから, 有機ニッケルは比較的安全性の高い化合物であると考えられる.
    なお, 本化合物の水和剤は, 稲白葉枯病防除薬剤として, また粉剤は稲白葉枯病および籾枯細菌病の防除剤として使用基準が設定され, 実用に供されている.
  • 武田薬品工業株式会社アグロ事業部農薬開発部開発第三
    1992 年 17 巻 1 号 p. S29-S34
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    各種毒性試験を実施し, バリダマイシンAの安全性評価を行なった. バリダマイシンAはラットおよびマウスにおける急性毒性が低く, 投与可能な最大投与量においても死亡例はみられずきわめて安全性の高い薬剤である. バリダマイシンA5%液剤の眼および皮膚に対する一次刺激性は軽度であり, 皮膚感作性は認められなかった.
    ラットおよびマウスを用いた亜急性毒性試験ではバリダマイシンAの10%含有飼料を投与しても, すべての検査項目に検体投与による影響は認められなかった.
    ラットおよびマウスを用いた慢性毒性・発癌性試験ではバリダマイシンAの10,000ppm含有飼料を投与した雄ラットに軽度の体重増加抑制, Ht, Hbおよび赤血球数の軽度な減少が認められ, 10,000ppm含有飼料を投与した雌雄マウスに赤血球数の軽度の減少が認められた. これら慢性毒性試験における最大無作用量はラットで1000ppm (雄40.4mg/kg/day, 雌47.2mg/kg/day), マウスで10,000ppm (雄1174mg/kg/day, 雌1124mg/kg/day) と判断された. いずれの動物においても催腫瘍性は認められなかった.
    ラットを用いた繁殖性に及ぼす影響試験, ラットおよびウサギを用いた催奇形性試験では繁殖性に対する影響および催奇性は認められなかった.
    細菌を用いた復帰変異性試験, DNA修復試験および培養細胞を用いた染色体異常試験では, いずれにおいても変異原性は陰性であった.
    バリダマイシンAは昭和47年5月2日に稲の紋枯病を対象に登録され, 以後, 稲の疑似紋枯症, イグサ紋枯病, ショウガの紋枯病, イチゴの芽枯病, ダイコン亀裂褐変症, フキの白絹病, レタスのすそ枯病, バレイショの黒あざ病, てんさい, トマト, キュウリの苗立枯病等を対象に登録された.
    バリダマイシンAは作物中に残留せず, 水中および土壌中において速やかに分解され, しかもヒトに病原性を示す菌に対する抗生物質との間に交叉耐性は認められず, 安全性の高い農薬として評価されている.
  • 武田薬品工業株式会社アグロ事業部農薬開発部開発第三
    1992 年 17 巻 1 号 p. S35-S38
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    テブチウロンの安全性評価のため各種の毒性試験を実施した. 急性経口毒性 (LD50) はラット雄で2800, 雌で1720, マウス雄560, 雌で595mg/kgであった.
    軽度の眼一次刺激性および皮膚一次刺激性が認められたが皮膚感作性は認められなかった.
    ラットを用いた亜急性毒性試験では高用量群 (2500ppm) で体重増加抑制, 飼料摂取量の低下, 膵の腺房細胞に空胞形成が認められた. 最大無作用量は雄100mg/kg/day, 雌100mg/kg/day と判断された.
    ラットを用いた慢性毒性・発癌性試験では高用量群 (1600ppm) で体重増加抑制, 腎重量の増加および膵腺房細胞に空胞形成が認められた. なお, テブチウロン投大与による催腫瘍性は認められなかった.
    最大無作用量は雄40mg/kg/day, 雌40mg/kg/dayと判断された. ラットを用いた繁殖性試験およびラット, ウサギを用いた催奇形性試験から, テブチウロンの繁殖能におよぼす影響はみられず, 催奇形性は認められなかった.
    細菌を用いたDNA修復試験および復帰変異試験においてテブチウロンは陰性を示したが, チャイニーズハムスターの培養細胞を用いた試験では高用量において軽度な陽性を示した.
    薬理試験では, テブチウロンの大量投与により中枢神経系, 自律神経系および腸管輸送能に対し抑制作用を示した.
    テブチウロンは昭和62年4月に農耕地以外の場所における除草剤として登録された.
  • 日本化薬株式会社化学品事業本部農薬事業部技術部
    1992 年 17 巻 1 号 p. S39-S43
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    MCPBエチル原体の急性毒性は弱く, 普通物相当である. 原体の眼および皮膚に対する刺激性は陰性であるが, 20%乳剤は刺激性を有する. ただし, 20%乳剤の使用時濃度 (3000倍) 希釈液の眼に対する刺激性は陰性であった. 原体の皮膚感作性は陰性であった. ラットの亜急性毒性試験ならびに慢性毒性・発癌性試験では, 高用量投与群で体重増加抑制および肝臓重量増加が認められた. マウスの亜急性毒性試験では高用量投与群においても特に変化は認められなかった. イヌの慢性毒性試験では高用量投与群で飼料摂餌量の低下と体重減少に起因した衰弱および肝細胞の変化が認められた. 繁殖性に及ぼす影響, 催奇形性および変異原性については特記すべき所見を認めなかった.
    MCPBエチルの登録保留基準値は, 米0.1ppm, 果実0.2ppmである. MCPBエチルは農薬登録されている各製剤容器・包装に貼付したラベルに記載されている使用方法および注意事項を遵守すれば, 使用場面においても, 残留毒性面においても安全な農薬である.
  • 佐藤 龍夫
    1992 年 17 巻 1 号 p. S45-S46
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 辻 孝三
    1992 年 17 巻 1 号 p. S47-S49
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 辻 孝三
    1992 年 17 巻 1 号 p. S50-S52
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 平松 禮治
    1992 年 17 巻 1 号 p. S53-S55
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 江藤 守総
    1992 年 17 巻 1 号 p. S56-S58
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 吉田 茂男
    1992 年 17 巻 1 号 p. S59-S61
    発行日: 1992/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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