肺静脈閉塞を合併した総肺静脈還流異常では出生後早期の治療介入が求められる.我々は,肺静脈閉塞を伴う総肺静脈還流異常の早産極低出生体重児に対して,ステント留置と再拡張を先行し,待機的な開心術により合併症なく救命された1例を経験した.症例は在胎32週5日,体重1,284 gで出生し,肺静脈閉塞を伴う下心臓型総肺静脈還流異常と診断された.日齢4,狭窄部位である垂直静脈から静脈管にかけてステントを留置した.ステント内狭窄を生じたため,日齢29,日齢38にステント再拡張を行った.日齢57,1,849 gでsutureless法による心内修復術を施行し,合併症なく自宅退院した.
抄録全体を表示