日本血管外科学会雑誌
検索
OR
閲覧
検索
16 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
巻頭言
特別寄稿
  • Henrik Sillesen
    16 巻 (2007) 1 号 p. 1-6
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    Treatment of patients suffering peripheral arterial disease (PAD) has changed significantly over the last decades. Endovascular therapy now accounts for 25-40% of vascular interventions in Europe and, in addition, medical therapy and life style changes have proven beneficial to the PAD patient. Traditionally, open vascular surgery has been provided by the vascular surgeon, endovascular treatment by the radiologist and medical treatment by the internist or angiologist. However, patients and politicians are demanding increased service and if all treatment options for the vascular patient can be offered by the same physician in the same department, not only will demands be fulfilled, but the quality of treatment may improve as well. In most European countries the vascular surgeon decides on the indication for either open surgery or endovascular treatment. Preventive medications to avoid complications to atherosclerosis are simple to prescribe and adjust in the majority of patients and are often provided within the vascular department. The future vascular specialist will be a physician with a basic vascular training, including vascular medicine, open as well as endovascular surgery. This article describes this development, which is happening at different paces throughout most of Europe.
    抄録全体を表示
  • 倉田 悟
    16 巻 (2007) 1 号 p. 7-11
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    血管外科医が今置かれている状況と,これから歩んで行く道を考えながら,血管外科医のあり方を三期に分類し,血管外科医の進むべき方向性について著者の私見を述べた.第一期は血管外科医の今置かれている状況,第二期は心臓血管外科専門医制度から血管外科が分離独立すること,第三期は血管専門医制度を新たに構築することである.現段階では,血管外科が心臓血管外科学会から血管外科専門医制度を立ち上げ,独立性を主張する域には未だ達していないと思われる.血管外科上級医はこの現況を直視し,血管外科医が社会に対する責任を果たすために血管外科専門医制度を自ら立ち上げていかなければならない.現在,心臓外科医,血管外科医,放射線科医,循環器内科医,あるいは脳外科医など,いろいろの科が独自の基準で行っている血管内治療を密接な共同作業を通じて統合し,新たな血管専門医制度の構築に向け血管外科医が中心となり知恵を出し合わなければならない.そして,高齢者社会を反映し急増する血管病に対して長い治療経験をもつ血管外科医が大いに活躍できる時代になって欲しいものである.
    抄録全体を表示
原著
  • 鹿田 文昭, 荻野 均, 松田 均, 湊谷 謙司, 佐々木 啓明, 綿貫 博隆, 北村 惣一郎
    16 巻 (2007) 1 号 p. 13-16
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    【背景】破裂性胸部大動脈瘤は重篤な疾患であり,その手術成績は不良である.患者背景および手術成績について検討した.【方法】2001~2005年に破裂性胸部大動脈瘤のため緊急手術を施行した27例(急性大動脈解離および切迫破裂例を除く)を対象とした.男女比14:13,平均年齢74.5 ± 7.4(60~88)歳.真性瘤20例,仮性瘤 2 例,慢性大動脈解離 5 例(A型 1 例,B型 4 例)であった.破裂部位は,心嚢内 2 例,胸腔内17例,縦隔内sealed rupture 5 例,肺内穿破 3 例であった.術式は,弓部全置換12例,下行置換 9 例,hemiarch置換 1 例,胸腹部置換 4 例,基部置換(Bentall)+ hemiarch置換 1 例であった.合併手術は冠動脈バイパス術 2 例,左鎖骨下動脈バイパス 1 例,大動脈-左大腿動脈バイパス 1 例であった.【結果】病院死を 7 例(25.9%)に認め,原因は低心拍出量症候群 2 例,脳梗塞 2 例,感染 2 例,肺出血 1 例であった.合併症は呼吸不全 5 例(18.5%),脳梗塞 8 例(29.6%)などを認めた.病院死亡の危険因子は側開胸手術で,脳梗塞の危険因子は80歳以上であった.Kaplan-Meier法での累積生存率は,術後 3 年で71.4%であった.【結論】破裂性胸部大動脈瘤に対する緊急手術は依然として高い死亡率を伴い,成績向上のためにはさらなる迅速,正確な手術が望まれる.また,呼吸不全と脳梗塞の発生頻度が高く,その予防対策も重要と考える.
    抄録全体を表示
  • 松下 昌裕, 池澤 輝男, 坂野 比呂志
    16 巻 (2007) 1 号 p. 17-22
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    【背景】最近は開腹手術後早期から経口摂取が可能という報告が多い.腹部大動脈瘤手術後早期から食事を開始できるか否か検討するとともに,開腹法と後腹膜経路法を比較検討した.【方法】2004年までの 3 年間の待機的腹部大動脈瘤手術例121例のうち,手術後 2 日あるいは 3 日目から全粥食を開始した108例を対象とした.開腹法90例,後腹膜経路法18例である.年齢,性別,食事開始日(開腹法2.5 ± 0.5日,後腹膜経路法2.4 ± 0.5日),手術時間,出血量は両群間に有意差はなかった.手術後の食事摂取量の変化を 6 型に分類し,第 5 病日には50%以上摂取可能である 3 つの型を食欲良好型,第 5 病日以後も50%摂取できない 3 つの型を食欲不良型と大別した.Retrospective studyを行った.【結果】開腹法は食欲良好型50例(56%),食欲不良型40例(44%),後腹膜経路法は食欲良好型13例(72%),食欲不良型 5 例(28%)で有意差はなかった.50%摂取可能となった日は開腹法3.4 ± 2.4日,後腹膜経路法2.8 ± 0.8日で有意差はなかった.嘔吐は開腹法 6 例(7%),後腹膜経路法 0 例で有意差はなく,胃管再挿入例はなかった.開腹法例のうち食欲良好型を食欲不良型と比較すると,年齢,性別,食事開始日,人工血管形,動脈瘤径,手術時間,出血量,心肺腎機能に有意差はなかった.【結論】開腹法でも多くの例で腹部大動脈瘤手術後早期から食事摂取は可能であり,食事摂取に関しては後腹膜経路法の利点はそれほど大きくないものと思われた.開腹法手術例のうち,当初経口摂取が不良である例の特徴を手術前,手術中所見から指摘することはできなかった.
    抄録全体を表示
  • 正木 久男, 田淵 篤, 柚木 靖弘, 久保 陽司, 濱中 荘平, 稲垣 英一郎, 種本 和雄
    16 巻 (2007) 1 号 p. 23-29
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    1976年 1 月から2005年 5 月までに当科で治療した大動脈腸骨動脈病変を有する下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)のうち,大動脈大腿動脈バイパス(A-FないしA-biF:A群)319例345肢,大腿大腿動脈交叉バイパス(F-F:B群)88例88肢,腋窩両側大腿動脈バイパス(Ax-biF:C群)44例60肢,血管内治療71例80肢(PTA,stent:D群)を対象とし,それぞれの治療法につき長期成績を検討した.術式の選択は,全身状態良好な症例には,A-FないしA-biF,全身状態不良な症例や75歳以上の高齢者で片側病変にはF-F,両側病変にはAx-biFを選択し,全周性に石灰化がない限局性病変には血管内治療を選択した.平均年齢はA群66歳,B群73歳,C群71歳,D群68歳で,B,C群はA,D群に比べて有意に高齢であった.術前合併症では,1 人あたりに占める合併症では,A群はB群,C群に比較して有意に低かった.病院死亡率はA群 7 例(2.2%),B群 3 例(3.4%),C群 4 例(9.1%),D群 0 例(0%)でA群はC群に比較して有意に低かった.B,C群間には有意の差はなかった.累積開存率はA群 5 年91%,10年86%,B群 5 年73%,10年73%,C群 5 年44%,10年44%,D群 5 年83%で,A群が最もよく,次いでD,B,C群の順であった.年齢,性別をほぼ同等にした累積生存率は,5 年でA群82%,B群60%,C群38%,D群80%,10年でA群54%,B群60%,C群 0%で,5 年では,A群はB,C群に比べて有意に高かった.A,D群間には有意の差はなかった.2007年にTASC II が発表される予定であり,それとともに血管内治療の適応の拡大が予想されるが,現時点では,生命予後および治療成績から,われわれの術式選択は妥当と考えられた.
    抄録全体を表示
  • 石井 浩二, 明神 一宏, 石橋 義光, 川崎 正和, 松川 誠, 國重 英之
    16 巻 (2007) 1 号 p. 31-36
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    末梢血管疾患における冠動脈病変の頻度や治療戦略,治療成績について検討した.1996年 4 月より2004年12月までに治療を要した腹部大動脈瘤(AAA)は297例(男性241例,女性56例),閉塞性動脈硬化症(ASO)164例(男性138例,女性26例)であった.2001年以降は,術前に全例冠動脈造影もあわせて行う方針としており,連続220例(AAA 124,ASO 96)に冠動脈病変の評価を行った.27例(12.3%,AAA 16,ASO 11)に虚血性心疾患の既往を認め,残りの193例中71例(36.8%,AAA 40,ASO 31)に冠動脈造影上有意狭窄を認めた.しかしながら胸痛等の自覚症状を有していたのは 6 例(8.5%,AAA 4,ASO 2)に過ぎなかった.冠動脈病変の内訳は一枝病変35例(18.1%,AAA 20,ASO 15),二枝病変24例(12.4%,AAA 12,ASO 12),三枝病変 8 例(4.1%,AAA 6,ASO 2),左主幹部病変 + 三枝病変が 4 例(2.1%,AAA 2,ASO 2)であった.冠動脈バイパスをも要したのはAAA 297例中32例,ASO 164例中24例の計56例(12.1%)で,男性46例,女性10例,平均年齢は72.1 ± 6.4(54~85)歳であった.冠動脈バイパス先行群が39例,末梢血管疾患先行群が10例,一期群が 7 例であった.バイパス先行群では待機中にAAAの破裂 1 例,病院死亡 2 例,遠隔死亡 1 例を認めた.末梢血管疾患では死亡例や術中・待機中の心イベントはなかった.末梢血管疾患を先行した理由は,AAA破裂・切迫破裂,巨大瘤(径 ≥ 60mm),重症虚血趾等であった.一期群では死亡例はなかったが,合併症として縦隔炎 2 例,後腹膜血腫 1 例があった.末梢血管疾患には高率に冠動脈病変が合併することから,周術期の合併症を防ぐために術前に冠動脈造影を行い治療方針を決めるべきである.治療を要する冠動脈病変がある場合,まず冠動脈の治療を行った後に二期的に末梢血管疾患の治療を行った方が安全と思われるが,瘤径が60mmを超える場合や重症虚血趾を有する場合には同時手術が望ましい.
    抄録全体を表示
症例
  • 北川 敦士, 松川 律
    16 巻 (2007) 1 号 p. 37-40
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    皮膚潰瘍を合併した一次性下肢静脈瘤に対し伏在静脈本幹結紮術が奏効した 2 症例を経験したので報告する.症例 1:20年来左下肢に静脈瘤あり,ここ数年皮膚潰瘍,蜂窩織炎を繰り返していた.下肢duplex scanにて左大伏在静脈・小伏在静脈の逆流,拡張あり.局所麻酔下に両静脈の伏在静脈本幹結紮術を施行,潰瘍は消失し症状は軽快した.症例 2:以前より左下腿に難治性潰瘍あり,下肢duplex scanにて左大伏在静脈の逆流,拡張あり.伏在静脈本幹結紮術を施行,潰瘍は消失し軽快した.うっ滞性皮膚炎に伴う下腿潰瘍は一次性下肢静脈瘤が原因であることが多い.伏在静脈本幹結紮術は皮膚の循環状態を改善し,難治性皮膚潰瘍も治癒が見込め,有用な一治療法と考えられる.
    抄録全体を表示
  • 加納 正志, 筑後 文雄
    16 巻 (2007) 1 号 p. 41-43
    公開日: 2007/05/10
    ジャーナル フリー
    症例は67歳,男性.上腹部痛を主訴に当院を受診.ショック症状なし.左上腹部に軽度の圧痛を認め,胃内視鏡検査にて胃噴門後壁に手拳大の腫瘤様病変を発見された.CT検査では,径27 × 38mmの脾動脈瘤を認め胃と瘻孔を形成しており,胃内視鏡検査での腫瘤性病変は動脈瘤内の血栓と考えられた.すなわち切迫破裂した脾動脈瘤が胃と瘻孔を形成したものの,大出血を来すことなく安定した血行動態で経過しているものと思われた.発熱もあり動脈瘤への感染が疑われたため準緊急的に手術を施行した.手術は脾動脈を根部で結紮し摘脾を行い,瘤壁の癒着の強い部分は周囲組織への損傷を避けるべく切除せず大網を被覆してドレナージを行った.胃との瘻孔は大きく食道近傍であったため,胃部分切除で対処できず胃全摘術を要しRoux-Yにて再建した.術後,発熱は軽快し合併症なく経過した.血行動態の安定した稀な脾動脈瘤-胃瘻を経験したので報告する.
    抄録全体を表示
地方会記事
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top