日本血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-767X
Print ISSN : 0918-6778
19 巻, 2 号
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原著
  • 由利 康一, 山口 敦司, 堀 大治郎, 白石 学, 長野 博司, 田村 敦, 野口 権一郎, 内藤 和寛, 根本 一成, 安達 秀雄
    2010 年 19 巻 2 号 p. 51-56
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2010/04/23
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】当院におけるOpen Surgeryとステントグラフト(SG)治療(thoracic endovascular aneurysm repair; TEVAR)について早期,中期治療成績を比較し,ステントグラフト時代における胸部大動脈瘤治療を検討する.【方法】2006年1月~2009年8月31日に行われた急性大動脈解離を除いた単独胸部大動脈瘤手術213例を対象とした.全例において解剖学的SG適応可否のサイジングを行い,SG適応と判断されたのは62例であった.このうちTEVAR施行(SG群)は30例,Open Surgery施行(OP群)は32例であったので,両者を後ろ向きに比較検討した.【結果】早期成績に関しては,両群とも手術死亡はなく,全例独歩退院もしくは転院した.手術時間・術後経口摂取開始日数・術後在院日数・出血量・輸血率・術後呼吸障害の発生頻度の比較検討ではSG群はOP群よりも手術時間・術後在院日数は有意に短く,出血量・輸血率・術後呼吸障害の発生は有意に少なかった.経過観察中にSG群3例・OP群4例の死亡脱落を認め,3年生存率はそれぞれSG群88.7%・OP群87.1%であったが両群間に統計学的有意差は認めなかった.【結論】TEVAR,Open Surgeryともに早期・中期成績は良好であったが,TEVARはより低侵襲であり,高齢者などのhigh risk症例にはTEVARが有利であると思われた.
第38回 日本血管外科学会学術総会予稿集
抄録
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