日本血管外科学会雑誌
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16 巻 , 6 号
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巻頭言
総説
  • 平井 正文
    16 巻 (2007) 6 号 p. 717-723
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    日本におけるリンパ浮腫治療は,重症例を除き通院にて患者自身によるセルフケアを中心に施行される.診療では,がん治療医療機関とリンパ浮腫治療専門医療機関とが連携し,役割分担して診療に当たることが望ましい.リンパ浮腫の通院治療の基本は,(1)日常生活指導の順守,(2)リンパ誘導マッサージ(セルフマッサージ)の施行,(3)弾性ストッ キング・スリーブの使用である.しかし,この治療を画一的にすべての患者に施行するのではなく,患者の病態と生活環境に合わせた個別の患者指導ができるようevidenceを積み重ねることが大切である.
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原著
  • 東浦 渉, Roy K Greenberg, Catherine Francis, Ethan Katz, 吉川 公彦
    16 巻 (2007) 6 号 p. 725-733
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    腎動脈分岐部より中枢側におよぶステントグラフトを用いて治療した傍腎動脈腹部大動脈瘤(以下juxtarenal AAA)を対象に初期および中期治療成績の評価を行った.対象は外科的手術の非適応例で,かつ従来のステントグラフトによる治療が解剖学的に適応外となるプロキシマルネックを有する症例である.FenestrationはCTをもとに腹部動脈分枝の解剖にあわせて作成し,ステントグラフト留置後に,分枝動脈の起始部にステントを留置した.362本の腹部分枝を含んだ139例に対し治療を行い,1 例を除く全例で腹部分枝の再建とステントグラフト挿入に成功した.平均観察期間は21カ月(0~55カ月)であった.30日以内に死亡した症例が 2 例で認められた.退院前CTではタイプ I エンドリークが 4 例,タイプIIIエンドリークが 3 例で認められたが,1 カ月後のCTではタイプ I エンドリークやタイプIIIエンドリークは認められなかった.瘤径の縮小は 6 カ月,12カ月,24カ月で,各々54%,80%,79%で認められた.血清クレアチニン値の上昇は18例で認められ,このうち 5 例で人工透析が必要となった.再建が予定された362本の腹部分枝のうち,腎動脈狭窄が11 本,腎動脈閉塞が 8 本および上腸間膜動脈狭窄が 1 本で認められた.Fenestratedステントグラフトを用いた血管内治療は,腹部分枝が狭窄する危険性があるため,腹部分枝の血流を慎重に経過観察する必要があるが,juxtarenal AAAに対するfenestratedステントグラフトを用いた血管内治療により良好な中期成績が得られ,本法は有効な治療法となりえることが示唆された.
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  • 西野 貴子, 佐賀 俊彦, 松本 光史, 金田 敏夫, 岡本 健, 井村 正人, 中本 進, 札 琢磨, 藤井 公輔
    16 巻 (2007) 6 号 p. 735-740
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    開心術後遠隔期におけるStanford A型大動脈解離の発症は比較的まれであるが,現在においても重篤な術後合併症の一つである.本症に対して手術を行った自験例を対象に手術時の上行大動脈径や,高血圧症などの発症要因,早期成績について検討した.1992年 1 月から2005年12月までに開心術後遠隔期にStanford A型大動脈解離を発症し,手術を施行した自験例は 5 例であった.初回手術は大動脈弁置換術:2 例,冠動脈バイパス術:2 例,Bentall手術:1 例で,初回手術から大動脈解離の発症までの平均期間は7.7年であっ た.手術術式は上行置換術:4 例,弓部置換術:1 例で,初回手術で冠動脈バイパス術を施行した症例は,再冠血行再建を同時に施行した.早期死亡はなく,遠隔期に 1 例が肺炎で死亡した.開心術後の大動脈解離発症の最大危険因子は上行大動脈径であるという報告が ある.初回手術時に大動脈の菲薄化や脆弱性を認めた例には,術後長期にわたって,上行大動脈径を厳格に経過観察する必要がある.初回手術時に大動脈径が40mm以上で,前述した危険因子を認めた例には,積極的に上行置換術を同時に行い,拡大放置例で術後経過中に50mm以上の拡大を認めた場合には,待機的な再手術を積極的に考慮する必要がある.
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  • 緒方 孝治, 石本 忠雄
    16 巻 (2007) 6 号 p. 741-746
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    【背景】当科では,下肢動脈閉塞性疾患に対し,スクリーニングとしてmagnetic resonance angiography(MRA)を行い,治療が必要と思われる症例に対してdigital subtraction angiography(DSA)を追加している.MRAで指摘された病変がDSAでどのように評価されるのか検討した.【方法】2004年 7 月から2005年11月までにMRA,DSAともに行った12例を対象とした.MRAで認められた病変を信号欠損,狭窄,信号低下,スリット状,複合病変の5 群に分類,それらについてDSAで確認し,閉塞,高度狭窄,軽度狭窄,病変なしの 4 つに判別した.【結果】MRAで105病変が確認され,信号欠損(28病変)はDSAでは閉塞23(82.1 %),高度狭窄 4(14.3%),軽度狭窄 1(3.6%),病変なし 0,狭窄(11病変)はDSAでは閉塞 0,高度狭窄 4(36.4%),軽度狭窄 5(45.5%),病変なし 2(18.2%),信号低下(34病変)はDSAでは閉塞 1(2.9%),高度狭窄12(35.3%),軽度狭窄 9(26.5%),病変なし12(35.3%),スリット状(24病変)はDSAでは閉塞 0,高度狭窄 2(8.3%),軽度狭窄15(62.5%),病変なし 7(29.2%),複合病変(8 病変)はDSAでは閉塞 0,高度狭窄 7(87.5%),軽度狭窄 0(0%),病変なし 1(12.5%)と判別された.【結論】MRAとDSAでは,病変の描出は必ずしも一致するとは限らない.それぞれの異なる特性を理解し検査を行う必要があると考える.
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  • Seyyed Reza Mousavi, Pezhman Kharazm, Ali Kavyani, Gholamhossein Kazem ...
    16 巻 (2007) 6 号 p. 747-750
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    Background: Lymphedema is the result of impaired lymphatic drainage from the affected organ. This abnormality can be primary or secondary. Different nonoperative and operative approaches have been introduced to treat chronic lymphedema. In this study, we describe a new surgical technique and compare its results with other more commonplace methods. Materials and methods: We included 296 patients given a diagnosis of chronic lower extremity lymphedema who had not responded to nonoperative management for at least 6 months. They were collected during 15 years between March 1987 and March 2002. Doppler ultrasonography of the deep venous system to confirm its patency was routinely performed in all. Then, they underwent surgery and were followed for at least 1 year postoperatively. Results: All patients were operated by our new technique which is a modified form of Miller’s or Homan’s. The outcome was excellent and 89.2% of patients had no complications. A 10.8% total complication rate was achieved, the most common of all was wound seroma. Conclusion: According to the difficulties with treatment of chronic lymphedema and variety of surgical options, our method achieved excellent health and could be the standard operative procedure to treat the intractable forms of disease.
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  • 福田 篤志, 久米 正純, 岡留 健一郎
    16 巻 (2007) 6 号 p. 751-757
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    【背景】腹部大動脈瘤破裂は,救命率の低い重篤な病態であり,どのような因子がその転帰と関係するかに興味がもたれる.【方法】当院救命センター搬入症例における腹部・腸骨動脈瘤(AAA)破裂症例の割合と,救命例・死亡例における各予後因子の比較から,AAA破裂症例救命に寄与する因子を検討した.【結果】(1)2003年11月から2005年12月の当院救命センター搬入症例7327例中,来院時心肺停止例(CPAOA)は275例であった.このうちAAA破裂症例は6例であり,1 例を手術室に搬入し得たが,術中死で失い,CPAOAでの救命例はない.(2)また,1994年から2005年に,当院でAAA破裂で手術した43例で,救命は30例,在院死亡は13例(30%)であった.術前心肺蘇生施行例,術前ショック例,腎動脈より中枢での大動脈遮断施行例,出血量の多い例で,有意に死亡率が高く,術前循環不全が重篤であったり,血腫が広範であったことと関連していた.破裂 – 来院時間別の死亡率は,1時間以内 5 / 9(56%),1~3時間 6 / 10(60%),3~10時間 2 / 11(18%),10時間以上 0 / 13(0%)で,長い時間経過で搬入された症例は循環状態が安定して生き延びた症例であることを反映していた.執刀 – 遮断時間も死亡例で有意に短く,より切迫した循環状態での手術であることを示していた.【結論】AAA破裂症例の死亡率は,術前の循環不全の程度と強く関係しているので,院内救急体制や手術手技の評価を行う際には,在院死亡率のほかに,術前ショック症例における来院 – 執刀時間,執刀 – 遮断時間,大動脈遮断時間などを指標とすべきと思われた.
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  • 湊 直樹, 片山 雄二, 蒲原 啓司, 柚木 純二, 佐藤 久
    16 巻 (2007) 6 号 p. 759-765
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    【目的】胸腹部大動脈手術時の大腿動脈逆行性送血は,粥腫・血栓・細菌塊の逆行性塞栓や,解離性瘤における腹部臓器や脊髄血管のmalperfusionの危険性を有する.大腿動脈逆行送血を行わず,腹部臓器・肋間動脈の選択的灌流を併用し「末梢側から置換していく胸腹部置換術式」の成績を検討する.【対象】2005年 7 月~2007年 2 月に末梢側から置換した胸腹部大動脈瘤連続 7 例(年齢62 ± 12歳,男性 4,女性 3)は,真性瘤 1,解離性瘤 5,敗血症のMRSA感染性仮性瘤 1 例で,Crawford分類 I 型 1,II型 4,III型 2 例であった.【術式】腎動脈下腹部大動脈を遮断し,分枝付graftを腹部大動脈に吻合後,graftより順行性部分体外循環を開始する.遮断を腹腔動脈上に移し,腹部分枝・腰動脈を選択的灌流し(計450~600ml / 分)再建後,順次graftからの灌流に移行する.中枢側大動脈を遮断し,肋間動脈 (T8~12)の選択的灌流(10~20ml / 分 / 1 枝)を行う.Adamkiewicz動脈をMDCTで同定しておき先に再建する.Graft中枢吻合し体外循環離脱後,残りの肋間動脈を再建する.【結果】体外循環時間121 ± 45分.下肢虚血時間70 ± 22分.選択的灌流時間はAdamkiewicz動脈55 ± 44分,腹腔動脈89 ± 65分,上腸間膜動脈80 ± 65分,腎動脈48 ± 41分であった.敗血症のMRSA感染性仮性瘤(透析例)の 1 例が45病日に呼吸不全で死亡した.全例に脊髄障害なく, malperfusionや粥腫・血栓・細菌塊塞栓による臓器障害を認めなかった.【結論】本法は脊髄や腹部臓器保護に長け,逆行送血による臓器塞栓や解離例でのmalperfusionの危険性を除外できるため,胸腹部大動脈置換術の成績向上に貢献できる可能性がある.
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症例
  • 古賀 秀剛, 樗木 等, 内藤 光三, 古川 浩二郎, 三保 貴裕
    16 巻 (2007) 6 号 p. 767-771
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,下肢虚血をきたした膝窩動脈瘤 3 例を経験したので報告する.症例 1 は75歳男性.左下肢動脈閉塞にて当院へ救急搬送.血行再建は困難と判断し下腿切断術を施行,その際に約 5cmの膝窩動脈瘤を認めた.症例 2 は75歳男性.左膝窩部腫瘤に対して血管エコーにて2.7cmの膝窩動脈瘤を認めるも手術拒否にて放置.その後間欠性跛行を主訴に来院.血管造影にて左膝窩動脈閉塞を認め,膝窩 – 脛骨動脈バイパスを施行した. 症例 3 は29歳男性.右膝窩腫瘤を自覚するも放置.半年後,右下肢虚血にて近医を受診しMRIにて右膝窩動脈瘤を認め当院来院.血管造影にて膝窩動脈瘤は血栓閉塞しており,膝窩 – 腓骨動脈バイパスを施行した.膝窩動脈瘤は末梢動脈瘤のなかでは頻度が高い.膝窩動脈瘤の血栓閉塞や瘤内血栓による塞栓により,重症下肢虚血に至り救肢できない場合もある.したがって壁在血栓を有する膝窩動脈瘤が指摘されれば,動脈瘤径が小さくても積極的に外科手術を考慮すべきである.
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  • 牛島 輝明, 谷内 毅, 西田 佑児
    16 巻 (2007) 6 号 p. 773-776
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    腹部分枝再建をともなう胸腹部大動脈置換を行い良好な術後経過をたどった血管ベーチェット病症例を経験したので報告する.症例は47歳の女性.45歳時よりベーチェット病と診断され,ステロイド治療を受けていた.激しい背部痛,心窩部痛を認め腹部CTにて横隔膜直下より腎動脈分岐部にかけての大動脈背側に 4.5 × 3 × 7cmの嚢状瘤を認めた.本例に対し第 8 肋間開胸および後腹膜アプローチにて常温部分体外循環下に左右腎動脈,上腸間膜動脈,腹腔動脈再建をともなう胸腹部大動脈置換を行った.術後第28病日に退院となり,その後 3 年 8 カ月の観察期間において,他部位の動脈瘤形成,吻合部瘤形成,グラフト閉塞は認めず,またステロイド剤も中止となり良好な経過をたどっている.
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  • Ryuzo Bessho, Masahiro Fujii, Yousuke Ishii, Masami Ochi, Kazuo Shimiz ...
    16 巻 (2007) 6 号 p. 777-780
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    Aortocaval fistula (ACF) is a rare complication of abdominal aortic aneurysm (AAA) involving fewer than 1% of all AAAs. ACF through a contained ruptured aortic aneurysm is an extremely uncommon complication following ruptured abdominal aortic aneurysm. ACF may cause severe hemodynamic disturbance due to a left-to-right shunt. We report here a case of ACF secondary to a contained ruptured abdominal aortic aneurysm, in a 65-year-old woman, which to our knowledge has not been reported in the literature before. Its diagnosis and treatment are presented in this article.
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  • 牧野 裕, 加藤 裕貴, 村上 達哉
    16 巻 (2007) 6 号 p. 781-783
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    症例は89歳男性.数分の意識消失を伴う突然の前胸部痛を訴え近医受診.大動脈解離を疑われ当院へ搬送.造影CTでは弓部大動脈を中心とした血腫を認めたが,大動脈解離,動脈瘤はなく,特発性大動脈破裂と診断した.高齢,心疾患の既往,弓部大動脈の高度石灰化があり手術は非常にハイリスクであり,来院時,意識レベル,血行動態が保たれていたため,保存的に加療することにした.治療方針は,急性Stanford B型大動脈解離の治療に準じた.29病日に自宅退院した.現在,2 年を経過し外来通院中である.外科治療が基本であるが,ハイリスク患者の場合,保存的治療という選択肢もあり得ると考えられた.
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