日本画像学会誌
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40 巻, 2 号
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論文
  • 望月 明, 佐藤 五郎, 澁谷 安洋, 中村 安則
    2001 年40 巻2 号 p. 110-115
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/07/02
    ジャーナル フリー
    電子写真方式による冊子印刷の設計方法を開発した.本設計方法を開発するために,必要な3つの主要な問題を明らかにした.第1は,転写ローラと冊子間の転写圧力と冊子表面の汚れを考慮した転写電圧の問題である.従来は,紙1枚に印字するための転写電圧を計算で求めていた.本開発では実験により,冊子印刷に最適な転写電圧を求めた.第2は,実験により,転写圧力が1.6[N/cm]以上,転写電圧が2.0[kV]以上の領域に最適な転写範囲が存在することを明らかにしたことである.第3は,電子写真印刷における転写した印刷を乱す要因がオレイン酸であることを明らかにし,オレイン酸を除去するクリーニングローラを開発したことである.
  • 笹井 浩介, 宋 明良, 喜多尾 真裕, 泉 倫生, 中島 健
    2001 年40 巻2 号 p. 116-123
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/07/02
    ジャーナル フリー
    新規なプリントシステム実現の可能性を判断するために,クーロン力が作用する自由表面を有する水性インク薄層の流れ場と電場の連成解析手法を開発した.一方数値解析手法の妥当性を判断するために基礎実験を行った.その結果以下の結論を得た.(1)数値解析および実験のいずれにおいてもインクが変形し輸送される現象を確認した.(2)数値解析ではインクが紙に輸送される時間に与える自由液面形状の影響を予測できた.(3)インクの粘度および表面張力がインクの変形および輸送に与える影響が予測できた.(4)印加電圧がインク到達時間に及ぼす影響は実験では顕著でなかったが,数値解析では妥当と思われる影響が見られた.(5)インク粘度,表面張力,表面形状および印加電圧によりインクの輸送時間を制御できることがわかった.
  • —ディスプレイセル中におけるトナーの移動—
    趙 国来, 星野 勝義, 北村 孝司
    2001 年40 巻2 号 p. 124-128
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/07/02
    ジャーナル フリー
    導電性黒色トナーと白色粒子の電界中での移動を用いた書換え可能な反射型ディスプレイの導電性黒色トナーの移動について検討した.ディスプレイセル中に導電性黒色トナーのみを封入した際の導電性黒色トナーの移動は低電圧から急速に増加し,印加電圧200V以上でほぼ一定値を示し,電極の被覆率50%を示す.一方,導電性黒色トナーと白色粒子を封入したトナーディスプレイセルでは300V以上の電圧印加が必要で被覆率26%で飽和を示した.このことは白色粒子を混入することにより導電性黒色トナーの移動を開始する閾値電圧が増加するためと考えられる.また,実験結果から導電性黒色トナーの移動にはセル内に約50%の空隙が必要であることがわかった.
  • —トナーディスプレイの応答時間—
    趙 国来, 星野 勝義, 北村 孝司
    2001 年40 巻2 号 p. 129-133
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/07/02
    ジャーナル フリー
    導電性黒色トナーの移動を利用したトナーディスプレイの応答時間について検討した.トナーディスプレイは画像部と非画像部での光の吸収と反射に基づいた反射型ディスプレイである.フォトンカウンティング法によりトナーディスプレイの電圧印加に対する表示の応答時間を測定した.応答時間は印加電圧500Vで黒表示から白表示への変化が1.1ms,白表示から黒表示への変化が1.0msであった.応答時間はセル中に封入する粒子量に依存することがわかった.セル内の黒色トナーおよび白色粒子の分布状態の観察から両電極にそれぞれ正に帯電している導電性黒色トナー層と負に帯電している白色粒子層が付着しており,両電極には空間が存在することがわかった.このことから電極の極性の切り換えにより正に帯電している導電性黒色トナーと負に帯電している白色粒子が入れ替わることにより黒と白の表示が行われていると考えられる.
Imaging Today
『高速プレートレス・デジカルカラープリンティングの現状と将来を探る』
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