日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
5 巻, 4 号
【特集】理事長就任にあたって
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
依頼論文
◆特集:理事長就任にあたって
  • -社会に貢献する補綴歯科臨床の推進-
    矢谷 博文
    2013 年 5 巻 4 号 p. 363-368
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
     日本補綴歯科学会が創設されてから,今年で80周年を迎えるに至ったことは,誠に喜ばしく,そのような節目の年に理事長に就任させていただくことはこの上ない光栄である.理事長講演では80周年を節目として,今後学会がめざす方向やなすべき活動を会員諸氏に明示し,所信表明とした.
     現在,社会構造や疾病構造の変化を背景に医療費が増大し,国の医療費抑制策により歯科医療の経済基盤は大打撃を受け,良質の歯科医療の提供が危うくなっている状況にある.その中で,歯科を覆う閉塞感を打破するために,日本補綴歯科学会は,より質の高い学術情報の発信と健康増進に直結する活動を通じて人々の健康な暮らしや豊かな人生にこれまで以上に貢献しなければならない.
     歯科補綴学が人々の健康増進により貢献するためには,狭い専門領域にとどまることなく健康科学・生活科学としての歯科補綴学に脱皮しなければならない.そのような視点に立った施策を学会活動の基本としたい.
     いまだに学会主導で行うべき仕事は多く残されている.すなわち,学会主導の疫学研究の推進,それらの結果を基にしたEBDに資する臨床エビデンスの構築,臨床ガイドラインの作成と公開,学会主導の大型研究予算の獲得などである.これらの学会活動を通じて補綴歯科臨床が人々の健康にいかに役立っているかを国民に明示するとともに,蓄積した学術情報の臨床歯科医による利用を促し,補綴歯科臨床全体のレベル向上に繋げたい.
     また,国際他学会との人的交流,国際的学術集会の日本開催,JPR誌の重要補綴関連雑誌への格上げなどにより本学会の国際的役割を整備したい.加えて,本学会がアジアにおける中心的役割を担えるよう留学生の受け皿づくりや留学基金創設などを通じてアジア諸国との交流を深めたいと考えている.
ポジションペーパー
  • 玉置 勝司, 石垣 尚一, 小川 匠, 尾口 仁志, 加藤 隆史, 菅沼 岳史, 島田 淳, 貞森 紳丞, 築山 能大, 西川 洋二, 鱒見 ...
    2013 年 5 巻 4 号 p. 369-386
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
     難症例の1つに咬み合わせ異常感や違和感があり,その訴えに対応する客観的所見が確認できない症例に遭遇することがある.通常,咬合紙,ワックス,シリコーンなどを用いて確認はするものの,咬合接触状態に特に異常は見つからない.さらに,患者の咬合に関する執拗な訴えに対して歯科医師が患者に問題の部位を確認してもらい,患者の指示により咬合調整を行ってしまうといった患者の感覚主導型治療に陥ってしまうことがある.その結果,患者の訴えは改善しないばかりか,逆に悪化することもさえもある.そして,患者と歯科医師の信頼関係が壊れ,思わぬ方向に陥ってしまうことも珍しくない.
     このような患者が訴える咬合に関する違和感に対して,社団法人日本補綴歯科学会,診療ガイドライン委員会において,平成23年度「咬合感覚異常(症)」に関する診療ガイドラインの策定が検討された.診療ガイドラインの策定に際し,委員会の作成パネルによるガイドライン策定を試みたが,咬合感覚異常(症)に関する十分に質の高い論文は少なく,診療ガイドラインの作成には至らなかった.そこで,本委員会のパネルで協議した結果,「咬合感覚異常(症)」に対する日本補綴歯科学会としてのコンセンサス・ミーティングを開催して本疾患の適切な呼称の検討を行った.また事前のアンケート調査結果から,このような病態を「咬合違和感症候群(occlusal discomfort syndrome)」とした.
     今回のポジションペーパーは,今後の診療ガイドラインの作成とそれに対する研究活動の方向性を示す目的で,過去の文献と咬合違和感症候群患者のこれまでの歯科治療の経過や現在の状況について実施した多施設による患者の調査結果をもとに作成された.
  • 笛木 賢治, 大久保 力廣, 谷田部 優, 荒川 一郎, 有田 正博, 井野 智, 金森 敏和, 河相 安彦, 川良 美佐雄, 小見山 道, ...
    2013 年 5 巻 4 号 p. 387-408
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
     本ポジションペーパーは,義歯床用の熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の呼称と定義を提案し,臨床適用への指針を示すことを目的とした.(公社)日本補綴歯科学会会員から,熱可塑性樹脂を用いた部分床義歯の臨床経験を有するエキスパートパネル14名を選出した.パネル会議で検討した結果,「義歯の維持部を義歯床用の樹脂を用いて製作したパーシャルデンチャーの総称」をノンメタルクラスプデンチャー(non-metal clasp denture)と呼称することとした.ノンメタルクラスプデンチャーは,樹脂と人工歯のみで構成される剛性のない義歯と,金属構造を有する剛性のある義歯とに区分される.剛性のないノンメタルクラスプデンチャーは,金属アレルギー症例などの特別な症例を除き,現在の補綴臨床の原則に照らし合わせ最終義歯として推奨できない.剛性のあるノンメタルクラスプデンチャーは,審美領域にメタルクラスプが走行することを患者が受け入れられない場合に推奨できる.ノンメタルクラスプデンチャーの設計は,原則的にメタルクラスプを用いた部分床義歯の設計に則したものでなければならない.熱可塑性樹脂の物性は材料によって大きく異なるため,各材料の特性を考慮して臨床適用する必要がある.全般的な特徴としては,アクリルレジンよりも変色,面荒れしやすく,材料によっては破折しやすい.現時点では,樹脂の理工学的性質と義歯の治療効果と術後経過に関する研究が不十分であり,今後これらの知見が集積され本ポジションペーパーの改訂とガイドラインの策定が望まれる.
依頼論文
◆特集:臨床イノベーションのための若手研究者の挑戦 バイオマテリアル・エンジニアリングの新たな展開
  • ―バイオマテリアル・エンジニアリングの新たな展開―
    横山 敦郎, 岡崎 定司
    2013 年 5 巻 4 号 p. 409-410
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
  • 山田 将博, 小川 隆広, 櫻井 薫
    2013 年 5 巻 4 号 p. 411-413
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
     歯槽骨造成を達成するためには,骨再生を阻害する様々な因子を排除しつつ,同時に細胞の骨形成能を促進させる多機能性分子の応用が効果的と考えられる.我々の一連の研究により,小分子の抗酸化アミノ酸誘導体であるN-アセチルシス-L-テイン(NAC)は創傷感染予防効果,生体材料の細胞親和性向上効果および骨芽細胞の分化促進による骨再生加速効果を示すことが判明した.今回,NACが示す多様な骨再生促進効果を供覧し,補綴前処置としての歯槽骨造成の新たなステージへと向かう,骨再生のための多機能性生体材料の可能性に関して,科学的認識の共有を図りたい.
  • ─スタチンの局所投与─
    神野 洋平
    2013 年 5 巻 4 号 p. 414-416
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
     インプラント治療において,骨量不足症例への挑戦が増加し,骨増生の重要性が高まっている.骨増生に関する我々の研究を紹介する.
     ①骨増生の簡便化を目指し新術式の開発を行っている.単回のスタチン注射投与による無切開・非侵襲的骨増生を提案する.スタチンの骨形成作用に関する研究から,今回の開発に至った経緯について解説する.
     ②“骨を模倣する”というコンセプトで骨補填材料の開発を行っている.組織再生に必要な要素として,細胞,成長因子,足場,血流が知られており,骨とりわけ海綿骨はすべての要素を含んでいる.合成高分子化合物をスタート材料とした,海綿骨を模倣した自己細胞侵入型骨補填材を紹介する.
  • 土井 一矢
    2013 年 5 巻 4 号 p. 417-419
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
     骨量の減少は補綴治療の予後に対し大きな懸念要因となり,自家骨に代わる骨増生のためのバイオマテリアルの開発が望まれている.そこで,既存のマテリアルをハイブリッドさせた予知性の高く幅広い普及が可能な新規人工骨の開発に取り組んできた.中鎖型ポリリン酸は,線維芽細胞成長因子を安定化させ骨芽細胞の石灰化を促進する作用を有しており,骨再生への展開が期待できる.この中鎖型ポリリン酸を連通多孔性ハイドロキシアパタイトに吸着させた新規人工骨は,骨欠損部での骨形成促進効果を示した.そこで,新規人工骨としてのポリリン酸吸着人工骨の開発について,これまでに得られた知見を総括して報告する.
専門医症例報告
  • 丸山 俊正
    2013 年 5 巻 4 号 p. 420-423
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は71歳の女性.上顎右側第一小臼歯欠損による審美・咀嚼障害を主訴に来院した.90度捻転していた上顎右側第二小臼歯の補綴形態を工夫し,さらにインプラントを用いることにより犬歯誘導の咬合様式を保存した.上顎左側第一小臼歯の欠損に対しては隣在歯の状況を考慮しブリッジを選択することにより安定した口腔環境の確立を行った.
    考察:残存歯の咬合へのリスクや歯周状態を正確に把握し,補綴修復方法を選択することができたと考えられる.
    結論:本症例では,残存歯の状態を正確に把握し,左右同名歯の欠損に対してインプラントおよびブリッジによる補綴を行うことにより,どちらも安定した治療結果が得られた.
  • 楠瀬 有紗
    2013 年 5 巻 4 号 p. 424-427
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は76歳男性.義歯の不適合による咀嚼困難にて来院した.下顎に下顎骨区域切除による皮弁部分を認めたため,同部位の義歯の形態,被圧変位を考慮し上下顎の義歯を作製,装着した.
    考察:今回の症例では口腔癌の外科処置後,著明な運動障害や軟組織への侵襲が少なかったこと,また,義歯の皮弁相当部の形態などに配慮を行ったことで良好な結果が得られ,QOLの向上につながったといえる.今後もリスクの軽減のため,観察を行っていく必要がある.
    結論:本症例では皮弁部分に配慮した義歯により,機能回復およびQOLの向上が得られた.
  • 佐々木 具文
    2013 年 5 巻 4 号 p. 428-431
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は57歳の女性.下顎右側歯肉癌,中咽頭部癌および白板症により右側舌半側切除を含む右側中咽頭・下顎骨を切除後,特に「カ行」に構音障害が生じ,当科初診となった.構音機能の回復を目的に,/ タ/・/ キ/・/ カ/ の3子音のパラトグラムを用いて口蓋床口蓋部形態を形成した舌接触口蓋床を装着した.
    考察:舌半側に加えて下顎骨や咽頭腔を含む広範囲を切除した本症例に対する,/ キ/・/ カ/ のパラトグラム応用の有効性と口蓋床後縁部形態の重要性が示唆された.
    結論:「カ行」の構音回復の困難な舌切除患者に対して,パラトグラムを用い作製した舌接触口蓋床により,構音機能および嚥下機能などが改善し,良好な経過を得た.
  • 鈴木 和彦
    2013 年 5 巻 4 号 p. 432-435
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は52歳の男性である.過去の歯科治療経験等から形成された心理的背景が歯周疾患を増悪した.歯の動揺と咬合時痛のため,家族と一緒に食事ができないことがストレスとなり,体重の減少も認められた.高度広汎型侵襲性歯周炎の診断の元,患者背景に配慮しつつ可能な限り歯を保存し,即時義歯を装着した.
    考察:食品摂取アンケートでは,初診時と比較して第3群以上に顕著な改善が認められた.残存歯の連結固定と義歯による咬合の安定,良好なプラークコントロールによって残存歯の歯周組織にも改善傾向が認められた.
    結論:心理的要因等によって進行した高度歯周疾患患者に対し即時義歯による補綴治療を行い,審美的,機能的改善が得られ,患者のQOLが向上した.
  • 友枝 圭
    2013 年 5 巻 4 号 p. 436-439
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は54歳・女性.上顎左側遊離端欠損部のインプラント治療を希望し紹介来院した.初診時における口腔内診査において,下顎右側臼歯部ブリッジに破折を認めたため,両欠損部においてインプラントによる補綴治療を行った.
    考察:十分なインフォームド・コンセントを行った結果,患者はインプラントによる補綴治療を希望した.今回,インプラントによる補綴治療3年経過後の時点においてインプラント周囲に炎症や異常な骨吸収等の所見はみられず,機能的にも審美的にも良好な口腔環境が維持されていると考えられる.
    結論:本症例では,上下顎の補綴治療にインプラントを応用することで良好な予後を得ることができた.
  • 赤塚 亮
    2013 年 5 巻 4 号 p. 440-443
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は62歳の男性,下顎右側臼歯部の歯肉疼痛・腫脹と咀嚼困難を主訴とし来院した.上顎左側,下顎右側臼歯部のインプラント除去後,治療用義歯と暫間被覆冠を利用して,臼歯部の歯冠長と咬合支持の回復を図り,中心咬合位の安定,咬合高径の是正,咬合平面の修正を行い,再評価後,最終補綴装置を装着した.
    考察:インプラント除去後の顎堤に高度吸収があるため,適切な把持の付与によるリジッドサポート,適切な咬合関係を具備した最終義歯の設計を行い,義歯の安定を得ることができた.
    結論:適切な下顎位ならびに咬合高径,咬合平面を回復し,中心咬合位の安定を得られた後に最終補綴を行ったことで,良好な治療結果を得た.
  • 田峰 謙一
    2013 年 5 巻 4 号 p. 444-447
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:56歳の女性,上顎左側歯肉悪性腫瘍術後の患者であり,上顎顎義歯の不適合を主訴に来院した.義歯の不適合の他,残存歯にも要治療部位を認めたため,上顎には支持および顎欠損部の辺縁封鎖性の向上を図った顎義歯を製作し,下顎には両側遊離端義歯を製作した.
    考察:顎義歯を再製作する過程において,義歯の設計および咬合支持の維持と残存歯の管理に留意することで,長期的に良好な結果が得られると考えられる.
    結論:顎義歯の治療効果は栓塞子の形態が適切であるか,また顎義歯全体の維持・安定が十分かにより大きく異なると考えられた.
  • 牧野 路子
    2013 年 5 巻 4 号 p. 448-451
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は26歳,女性.上顎左側側切歯の先天性欠損と上顎正中離開による審美不良を主訴として来院した.全顎的矯正治療を行い,上顎正中部,上顎左側犬歯と上顎左側第一小臼歯の歯間空隙を閉鎖した.上顎左側側切歯相当部にインプラントを支台とした陶材焼付前装冠にて補綴治療を行った.最終補綴を装着後4年経過したが,上部構造の破折や脱離もなく良好に経過している.
    考察:唇側の歯槽骨は様々な要因で骨吸収する可能性が考えられるため,今後さらに経過を観察していく必要がある.
    結論:上顎側切歯の先天性欠損症例に対し,インプラント補綴治療により審美性および機能を回復することが可能であることが示された.
  • 國竹 活代
    2013 年 5 巻 4 号 p. 452-455
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は初診時47歳の女性.上下顎義歯不適合による審美的不満,咀嚼困難を主訴に来院.CT検査とリップラインの診査より上顎は固定性インプラントブリッジを選択し,治療を行った.現在,上部構造装着後5 年が経過しているが,良好な予後を得ている.
    考察:インプラント周囲骨の吸収や上部構造の脱離は認めないが,天然歯の根分岐部病変が進行しているため,残存歯の歯周組織の状態や咬合接触の変化に考慮しながら経過を観察していく必要がある.
    結論:上顎無歯顎患者に固定性インプラントブリッジを装着することにより,審美的不満と咀嚼困難を改善することができた.
  • 的野 良就
    2013 年 5 巻 4 号 p. 456-459
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:患者は56歳,男性.下顎左側大臼歯部欠損と上顎前歯部の動揺による咀嚼困難を主訴に2007年9月に来院した.|67部はインプラントを支台とした陶材焼付鋳造冠にて補綴治療を行った.また,(2)1|(1)(2)には陶材焼付鋳造冠でブリッジを装着することで連結固定を行った.術後3年以上経過したが,その間|7遠心部位に軽度チッピングが生じたため,形態修正と研磨にて対応した.
    考察:チッピングの原因として前方運動時の咬合干渉,または,小さいメタルフレームによる垂直的なせん断応力によるもの等が考えられる.
    結論:片側遊離端欠損症例に対し,インプラントを用いて咬合支持を再建することができた.
  • 久保 圭
    2013 年 5 巻 4 号 p. 460-463
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/14
    ジャーナル フリー
    症例の概要:56歳女性.全顎にわたる補綴装置の歯冠長の不足と,咬筋や側頭筋の圧痛を認めたため,治療用義歯およびコンビネーションスプリントを用いて垂直的・水平的顎位の是正を行った.下顎位が安定し顎関節症症状が消失した後,約4ヶ月経過観察を行い変化がないことを確認し,最終補綴を行った.
    考察:補綴処置終了から約4年が経過後,上顎義歯の咬合面レストと下顎前装冠の一部に破損が認められたが,顎関節症症状の再発は無く,患者の満足度は高く保たれている.
    結論:顎関節症症状を伴う低位咬合症例に対し,治療用義歯,スプリント等の装着を含めた一連の補綴処置により咬合位および咬合接触を回復することは有効な手段である.
feedback
Top