先に, 余は (1957)1)
C. albicansについて, 代謝型の最も基本的な呼吸に関して, 各種糖類を供試基質とした場合, Glucose, Fructose, Mannose, Galactose, Xylose, Maltose, Sucrose等の糖類が本菌によつて酸化されることをみとめ, このうちGlucose, FructoseおよびMaltoseは, 添加の直後から酸化を受け, ほぼ直線的な酸化型式を示すが, Mannose, Galactose, XyloseおよびSucroseに対しては逐次的増加の型式を示し, 殊にSucroseに対しては, 60分の潜伏期の後に酸化能が増大し, いわゆる適応的酸化型式を示した。また,
C. albicansの生菌浮遊液または超音波処理菌を使用して, TCA cycle上の有機酸酸化を検した結果, Pyruvateを始めTCA cycleのすべてのメムバーを酸化した事実から,
C. albicansにおいてもTCA cycleが存在することを明らかにした。微生物のアミノ酸酸化, 殊に, D-アミノ酸酸化に関しては, まだ検索の余地が多い。KREBS (1933) 2) が動物組織におけるD-アミノ酸酸化酵素の存在を明らかにして以来, 該酵素が高等動物組織に広く分布することは周知であるが, 微生物ことに
C. albicansにおけるD-アミノ酸酸化に関しては殆んど知見がなく, また, アミノ酸酸化能の立場から,
C. albicansの代謝型式を, 高等動物体細胞または細菌群のそれと比較生理学的に考察することも意義があると考えられる。余は, 更に, L-およびD-アミノ酸を供試して, 本菌のアミノ酸酸化能を検し, 次の所見を得た。
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