The Journal of Antibiotics, Series B
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11 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • Candida albicansのアミノ酸酸化に及ぼすTrichomycinの影響
    塚原 叡
    1958 年 11 巻 4 号 p. 169-176
    発行日: 1958/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    さきに余は11), Trichomycin (以下Trmと略) の抗生作用をC. albicansについて, 酵素化学的立場から追究し, まず, 本菌の糖質酸化に及ぼすTrmの影響に関して検討し, 本菌によるGlucose, Fructose, Mannose, Galactose, Xylose, MaltoseおよびSucrose等の糖質酸化が発育阻止濃度以下のTrm添加によつて阻害されることをみとめ, その酸化阻害機転としては, 第1に, 糖類酸化過程の第1段階であるPyruvateとOxalacetateとの縮合を抑制することにあり, 第2に, Tricarboxylic acid cycle (TCA cycle) の前半の反応過程の遮断することにあり, 更に, XyloseおよびSucroseのように, 適応的酸化を受ける基質に対する酸化阻害作用は, 適応酵素産生を抑制するのにあることを報告した。次に, 前報2)においては, L-およびD-アミノ酸を供試して, C. albicansのアミノ酸酸化能について検し, 本菌が酸化利用するL-アミノ酸として, Glutamic acid, Alanine, Proline, Aspartic acid, ArginineおよびGlycine, またD-アミノ酸として, AlanineおよびSerineが挙げられることを報告した。D-アミノ酸酸化酵素はFlavin-adenine-dinucleotide (FAD) を補欠分子簇とし, L-アミノ酸酸化酵素はFlavo-proteinで, いずれもFlavin系酵素の代表と見なし得ることは周知のとおりであるが, 更に, これらの酸化酵素系, すなわち, 本菌によるアミノ酸酸化に及ぼすTrmの影響について検索し, Trmの作用機作に関し, 1, 2の知見を得たので報告する。
  • 鎌田 英男, 若木 重敏, 工藤 士郎, 熊部 潔
    1958 年 11 巻 4 号 p. 177-180
    発行日: 1958/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1953年HACKMAN等がActinomycin Cについて実験して以来, 各方面において抗生物質の抗腫瘍効果の研究が盛んになつたが, 当工場においても秦等のCarzinophilinおよびMitomycin, 相磯等のGancidin A, およびGancidin Wの4種について中間工業試験をおこつている。これら抗腫瘍性抗生物質の分離や化学的性質については, それぞれ発見者によつて発表されているので, 省略する。各種薬剤は色々違つた薬効をもつており, これらを適当に組合わせて用いることによつて併用効果を期待できるかも知れない。癌の種類が違つたり, また同種のものでも, できる場所や形態によつても薬物に対する感受性が変つてくる。悪性腫瘍に対する特効的薬剤の見出されておらない今日, 各種抗腫瘍剤の併用による治療効果の増大は, 大いに期待されるところである。抗腫瘍効果をしらべるのに, 細胞に対する影響として, 腫瘍細胞数の増減および腹水中に含まれる腫瘍細胞の比率をみ, 担癌動物に対する影響として, 主として腹水量の増減による体重の変動および生存日数という4つの点から判定した。
    我々は上記4種の薬剤を用い, 腹水型EHRLICH carcinomaに対する抗腫瘍効果を, それぞれの単独効果と併用効果を実験計画法によつて検討した結果を報告する。なお, 使用した4種薬剤の主な性状をTable 1に示す。これらはいづれも当工場研究室において結晶化したものである。
  • 鎌田 英男, 若木 重敏, 工藤 七郎, 熊部 潔, 香川 恒雄
    1958 年 11 巻 4 号 p. 181-188
    発行日: 1958/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Mitomycin Xは, 秦等によつて分離されたStreptomyces caespitosisの培養液中から, 当社研究室において結晶状に分離された新fraction*である。このものは, Mitomycin groupの中で, 最も安定なfractionで, アルミナ・クロマトによつて分離され, メタノール中で青色柱状結晶として得られる。pH 6~8で安定であり, 100℃ 3時間加熱しても, 60%の力価を残存する。水溶液中での紫外部吸収は, 215および360mμに極大値を有する。我々はさきにCarzinophilinの抗腫瘍性に関する研究を報告したが, 続いてMitomycin Xについても同様の実験を試み, 本薬剤の薬理機構の一部を解明しえたので, 重ねて報告する。
    実験設計, 実験方法はCarzinophilinの実験に準じた。詳しくは, “Carzinophilinの抗腫瘍性に関する研究”Chemotherapy (近日掲載予定) を参照されたい。
  • 培養液中の比色定量法およびクロモトロープ酸による比色定量法の検討
    井田 計治
    1958 年 11 巻 4 号 p. 189-191
    発行日: 1958/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    前報1) にフエノキシメチルペニシリン (ペニシリンV, 以下Pc Vと略) 結晶中のフエノキシ醋酸 (POAAと略) の比色定量法を報告したが, その方法ではPcVの培養液からPOAAと同時に他の有機物が抽出され, それが濃硫酸によつて黒色を呈するため, POAAを定量できない。しかし, 培養液からPOAAを醋酸ブチル抽出し, 更に水に転溶したのち, イソプロピルエーテルで抽出すれば, クロモトロープ酸による比色法で定量できる。なお。前報1) に記した条件に更に検討を加えたので, 併わせて報告する。
  • 1958 年 11 巻 4 号 p. 191
    発行日: 1958/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 臭素滴定法
    井田 計治
    1958 年 11 巻 4 号 p. 192-193
    発行日: 1958/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    著者等は, 先にフエノキシメチルペニシリン (ペニシリンV, 以下, PcVと略記) 中のフエノキシ醋酸 (以下, POAAと略記) の定量1) にクロモトロープ酸による比色定量をおこない, 培養液中のPOAA定量法としてポーテログラフ法による方法2) を報告した。いずれも結晶中または培養液中のPOAAの定量に用いられるが, 特別の装置を要し, 或いは反応条件を厳密に一定にする必要があるので, 臭素滴定法によりPOAAの定量をおこなつた。
  • 1958 年 11 巻 4 号 p. 194-204
    発行日: 1958/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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