The Journal of Antibiotics, Series B
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9 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • Acidomycin生産株の抗徽・抗酵母物質
    五十嵐 政二, 緒方 浩一, 三宅 彰
    1956 年 9 巻 3 号 p. 101-103
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    当研究所で分離されたAcidomycin (Actithiazic acid) 生産株Streptomyces acidomyceticus1)は, 菌体中と培養濾液中に抗徽物質を生産する。この有効物質はまだ粗粉末として得られたに過ぎないが, 紫外部吸収曲線, 濃硫酸反応からPentaene groupの抗徽物質であると思われる。現在までに, この群に属すると認められているのはEurocidin2) およびFungichromin, Fungichromatin3)なので, 本品をこれらと比較し報告する。
    この抗徽物質は粗粉末ではあるが, 上記の性質以外ではEurocidin, Fungichrominなどと較べ種々の差が認められるので, 新物質であろうと推定し, Aliomycinとよぶ。
  • 1956 年 9 巻 3 号 p. 103
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • Sarkomycinの研究その1 E1, E2の単離
    立岡 末雄, 三宅 彰, 井上 道隆, 和田 正三, 岩崎 英介, 緒方 浩一
    1956 年 9 巻 3 号 p. 104-106
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sarkomycinナトリウム塩を水に溶解し, 酢酸銅を添加して不純物を除去し, pH5.2~5.5のもとで酢酸エチルで抽出し, pH2.0の塩酸, 硫化水素またはイオン交換樹脂を用いて脱銅し濃縮したのち, 石油エーテルを添加すると, 溶液の部から結晶E1C14H18O7m.p.169℃ が, 沈澱の部から結晶E2C10H14O4m.p.179℃ が得られた。
    これらの結晶は, 予備的実験でEHRLICH腹水癌, 吉田肉腫に対して微弱ながら作用する結果が得られたが, この効果についてはさらに検討の余地がある。.
    本研究の要旨は日本抗生物質学術協議会研究会 (昭和30年6月例会) で発表した。
  • Sarkomycinの研究その2 S1の単離
    立岡 末雄, 三宅 彰, 和田 正三, 井上 道隆, 岩崎 英介, 緒方 浩一
    1956 年 9 巻 3 号 p. 107-109
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    粗製ザルコマイシンから, 前報でのべたE1, E2の他に, 結晶S, C14H18O6S2を単離した。本品はM.pyogenesvar. aureus209P, M. flavus, に対して抗菌作用をもち, また絶対量10mg, 5mgで抗EHRLICH腹水癌作用を示す。これを元のSarkomycinに比較すると, 抗菌作用は強いが抗EHRLICH腹水癌作用は強いとはいえない。
  • Sarkomycinの研究その3 S2, S3の単離
    立岡 末雄, 三宅 彰, 井上 道隆, 和田 正三, 岩崎 英介, 緒方 浩一
    1956 年 9 巻 3 号 p. 110-113
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sarkomycinを酢酸銅溶液で処理してSarkomycinの銅塩をつくり, その酢酸エチルに対する溶解性の差を利用して分割をおこない, 酢酸エチルに不溶性の部分から硫化水素による脱銅で前報1) で述べた結晶S1の他に, 新らたに結晶S2 (C14H18O6S) およびS3 (C20H26O9S2) が得られた。これらの結晶の理化学的, 生物学的諸性質を検討したが, いずれも抗菌作用をもち, EHRLICH腹水癌を移植したマウスの体重増加抑制作用および生命延長効果が認められた
  • 伊藤 泰一, 宮村 定男, 桶谷 修三
    1956 年 9 巻 3 号 p. 114-116
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    最近, 各種の抗原虫性抗生物質の出現と共に, 抗生物質治療の領域にも新らしい面が開拓されつつある。抗原虫性の測定は, 殆んど稀釈法によつているが, 各種抗生物質の濃度測定やscreening test等には寒天平板拡散法が広く利用されていることは周知のとおりである。
    吾々は本法な利用し, Trichomonasな接種した寒天平板で諸種の抗生物質ならびに他の薬剤について抗原虫性の測定な試みたので, 茲に報告する。
  • Actinomycln Jの腫瘍細胞, 殊にその細胞分裂に及ぼす影響
    大星 章一, 青木 一夫
    1956 年 9 巻 3 号 p. 117-119
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗腫瘍性抗生物質の研究は, HACKMANN (1) のActinomycin Cの発見を緒として, 最近にわかに活気を呈して来た新分野であり, 米国ではPuromycin, Azaserin (2) 等が注目されており, 我国では梅沢 (3) によつてSarkomycin, 秦 (4) によつてCarzinophillin, 細谷 (5) によつてGannmycin等がそれぞれ抗腫瘍性を示すことが明らかにされた。これらの物質の抗腫瘍性は, 主としてEHRLICH癌, 吉田肉腫等の移植腫瘍を用いて, 腹水貯溜による体重増加の阻止効果および延命効果によつて追求されているが, 腫瘍細胞に対する直接の影響を細胞学的に詳細に追求したものは少ない。吉田 (6) は, 抗癌剤の条件として, その薬物が腫瘍細胞に対して障碍作用を示すこと, 担腫瘍動物に対して延命効果を示すことの2条件を必要とすると強調している。我々 (7, 8, 9) は先にNitromin, Sarkomycinについてその腫瘍細胞に対する直接障碍作用について報告し, その作用機転に言及した。今回我々は, Actinomycinについてその抗腫瘍性を検索する機会を得た。Actinomycinは1940年WAKSMANによつて発見された抗生物質であるが, その高度の毒性のために薬剤として顧みられなかつた物質である。しかし, HACKMANNは各種のActinomycinのうちHBF 386という物質がマウスのSarcoma 37, EHRLICH癌, ラッテのWALKER癌に対して抗腫瘍性を有することを明らかにし, BROCKMANN (10) によつてこのHBF 386がWAKSMANのActinomycin Aとはその組成を異にすることが示され, Actinomycin Cと命名された。我々の使用したActinomycinは梅沢等 (11) によつて発見されたもので, その組成が既知のActinomycin A, B, Cと異なるため, Actinomycin Jと命名されているものである。我々はこの物質の抗腫瘍性を検索する第1段階として, 先づその腫瘍細胞に対する直接障碍作用について検索した。
  • Trichomonas性放線菌の菌学的性状について
    山口 辰良, 佐分利 保雄
    1956 年 9 巻 3 号 p. 120-131
    発行日: 1956/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    第1報において172株の抗Trichomonas性放線菌を選出し, それらを24の菌種または菌種群に分け, 有効性の変化, 他の微生物に対する抗菌スペクトル, 稀釈単位及び溶血価等について検討し, 更に形態学的及び培養上の諸性状に基づいて分類を試みたが, 本報告ではこれら抗Tyichomonas性放線菌のうち土壌から新らたに分離した放線菌141株の各種培地上における培養上の諸性状, 炭素源の利用性等の菌学的諸性状について記載する。
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