The Journal of Antibiotics, Series B
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10 巻, 6 号
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  • 伊藤 泰一, 宮村 定男, 庭山 清八郎, 星加 一郎
    1957 年 10 巻 6 号 p. 239-242
    発行日: 1957/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    大谷および永野 (1952年) によつて有芽胞土壌菌Bacillus brevisから分離された抗菌性Polypeptideは, 始めGAUSE & BRAZHNIKOVA (1944年) の報告したGramicidin Sに一致するものと考えられたが, その後の化学的構造に関する研究によつて, 別種のものであることが明らかにされ, 大谷等 (1954年) によつてGramicidin Jと命名された。私共は, 本物質の各種細菌に対する抗菌性を検し, 次の所見を得た。
  • Candida albicansの糖質呼吸に及ぼすTrichomycinの影響
    塚原 叡
    1957 年 10 巻 6 号 p. 243-250
    発行日: 1957/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    先に, 余は伊藤 (1956) 1) と共に, Trichomycin (以下Tmと略記) の抗生作用をTrichomonas vaginalisについて, 酵素化学的立場から追究し, まず, 本原虫の呼吸に及ぼすTmの影響に関して検討し, T. vaginalisによるGlucose, Fructose, MannoseおよびGalactose等の糖質呼吸は, 発育阻止濃度以下のTm添加によつて非可逆的に阻害されることをみとめ, また, その酸化阻害機転として, 糖類酸化過程の第1段階であるPyruvateとOxaloacetateとの縮合を抑制することを報告した。また, Tmは抗Trichomonas性を有すると共に, 抗Candida性をも発揮する点から, C. albicansを供試菌として, その呼吸に及ぼす影響について検索を試みた。前報には, C. albicansの代謝機構, 殊に他種細菌群の代謝型式との比較生理学的研究も極めて必須の事項と考え, 代謝型の最も基本的な呼吸に関して検索し, C. albicansの糖質呼吸において酸化される糖類として, Glucose, Fructose, Mannose, Galactose, Xylose, MaltoseおよびSucroseが挙げられるが, 本菌による糖質呼吸においても, 高等動植物体細胞または数種細菌類のように, TCA cycleが存在し, このcycleが糖代謝の主経路であることをみとめた。更に, TmのC. albicansによる糖類酸化に及ぼす影響についても検索し, Tmの作用機作について知見を得たので報告する。
  • 木林 由勝
    1957 年 10 巻 6 号 p. 251-254
    発行日: 1957/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    菌交代症とは, 抗生物質使用中に菌叢の攪乱交代が起り, 優勢となつた菌種によつて原病と同一臓器または他の臓器に感染がおこつた状態を意味し, WEINSTEINによる重感染症と同意義に解せられる。その発症機序については, すでにWEINSTEIN (1946, 1947, 1954, 1955), APPELBAUM等 (1948), SCHOENBACH (1949), HARVEY等 (1950), JACKSON (1951), WOODS (1951), 美甘等 (1951), LINSELL等 (1952), YOW (1952), MCCURDY等 (1952), BRISOU (1952), 堂野前等 (1952), 久保等 (1953), HOFFER等 (1954), 長岐等 (1954), 秋葉 (1954, 1955), FISHER (1955), 長谷川等 (1955) 等多数の研究者の報告がある。
    MOOR1), HARIS2), 美甘3) 等は, in vitroまたはin vivoで, 抗生物質がCandida属の発育を直接的に促進することをみとめ, それがカンジダ症発現の第1の要因であると主張したのに対し, WOODS4) 等, PAPPENFORT等5), LIPINIK6) 等, HUPPERT7) 等, 久保等8) はその直接作用を否定している。秋葉等9) は, カンジダ症の発症に及ぼす抗生物質の影響についてin vitroの実験をおこない, Peniciliin (Pc), Streptomycin (SM) およびChlortetracycline (CTC) の3種の抗生物質は, 少くとも血中濃度の範囲内ではC. albicansの発育になんらの影響をもたないことを確認した。また, 秋葉等10)はマウスを使用し, Pc, SM, CTC, Chloramphenicol (CP), Sulfaisoxazoleの投与によつてC. albicans感染が助長されるという明確な所見は得られなかつたことを報告した。
    著者は, X線照射を加えたマウスはAspergillus fumigatusに対する感受性が著るしく高まることを知ので, Aspergillus感染が抗生物質投与つてどのような影響を受けるかについて検討を加え, 真菌感染に関する一連の研究をおこなつた。
  • 木林 由勝
    1957 年 10 巻 6 号 p. 255-259
    発行日: 1957/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Colistinは1946年にライオン菌薬研究所で, 福島県下の土壌から分離した好気性胞子形成性桿菌 (Bacillus colistinus) から小山等1) が抽出した抗菌性物質である。Colistinは栗原等2) によれば, l-α, γジアミノ酪酸, l-スレオニン, α-ロイシンを構成アミノ酸とするポリペプタイドである。現在, Colistinの発見からすでに10年を経ているが, その創製期は抗生物質の輸入利用に奔走した頃であり, Colistinも利用面では多く実験された反面, その基礎的研究は必ずしも満足ではなかつたと思われる。
    Colistinの作用機序については, なお明らかでなく, その作用に関連する諸因子との関係も未知なものがある。著者は1955年来, Colistinに対する関連因子の影響を知るために, 熱, 酸, 消化酵素, 胆汁, 糞便, 金属イオン等がColistinの作用にどのような影響を及ぼすかについて検討し, そのほかにも若干の知見を得たので報告する。
    Colistinは八洲化学, Colimycin (colistinと同一抗生物質) はライオン菌薬研究所, 粉末胆汁は日本栄養化学, 強力ペプシンおよびパンクレアチンは, みくに化学より提供された。
  • 1957 年 10 巻 6 号 p. 260-266
    発行日: 1957/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1957 年 10 巻 6 号 p. 267-269
    発行日: 1957/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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