The Journal of Antibiotics, Series B
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8 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 小林 裕, 元村 吉旦, 小林 洋男, 高谷 淞世, 金子 吉孝
    1955 年8 巻3 号 p. 79-81
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    さきに我々はFradiomycin (Neomycin) について主として腸内細菌の感受性, 耐性獲得, 交叉耐性等について報告した。1) 赤痢菌に対する各種抗生物質の併用効果については既に小林が報告しているが, 2) その報告には赤痢菌に対してかなりな抗菌力を有し, しかもJAWETZ等3) の所謂第I群に属する抗生物質としてはStreptomycinだけが用いられた。Neomycinは所謂第1属に属する抗生物質であるので, 前報を補足する意味でNeomycinと他の抗生物質との併用効果を検討した。
  • 赤痢菌に対するStreptomycin, Chloramphenicolの併用について
    小林 裕
    1955 年8 巻3 号 p. 82-84
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    前報告1)2) において私はStreptomycinに対する耐性獲得をGuanofuracinによつて, ある程度抑制しうることを述べた。その際供試菌株中5株に対して両剤は協力的に作用したが, 1株に対してはindifferentであつた。また, 見掛け上の耐性獲得抑制現象が, 殊に等量混合例において著明に認められた。これらの成績において, 協同作用のあつた菌株とindifferentな菌株との間に耐性獲得の面に差を見出し得なかつた。SulfathiazoleとUreaには著明な協同作用があるが, UreaはSulfathiazoleに対する赤痢菌の耐性獲得を抑制し得なかつた3)。それゆえ, 単に協同作用があれば耐性獲得を抑制し易く, 拮抗作用があれば抑制しがたいというようには考え難い。
    Streptomycin (SM) とChloramphenicol (CM) が赤痢菌に対して協力的に働く場合と拮抗的に働く場合のあることは既に報告した4)。そこでこの組合せを用いて, 更に多くの菌株について併用効果を調べると共に, 上記の諸点について検討するために以下の実験をおこなつた。
  • 赤痢菌に対する Chloramphenicol,Guanofuracinの併用について
    小林 裕
    1955 年8 巻3 号 p. 85-88
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    私はこれまでの報告1) 2) 3) において, 細菌のStreptomycinに対する耐性獲得に, GuanofuracinあるいはChloramphenicolがいかに影響するかについて述べた。その際, StreptomycinとGuanofuracinの併用では見掛け上の耐性獲得抑制現象が認められたが, StreptomycinとChloramphenicolの併用では認められなかつた。この現象がどうして起るかについては, その可能な条件に関して前報3) で推論したのであるが, そのうちGuanofuracin自身にそのような現象を起させる性質があるのではないかということも一応は考えられるし, また協同作用, 拮抗作用とこの現象との間になんらかの関連性がありはしないかとも思える。
    また, Streptomycinは細菌性赤痢の治療剤としてはあまり適当でなく, 最近はもつぱらChloramphenicol, Chlortetracycline, Oxytetracycline等が用いられている現状である。しかもこれらは最近乱用の傾きさえあり, やがてこれらの薬剤に対する耐性菌の出現のうれいがないことはない。そこで, Chloramphenicol等の補助薬として併用しうる薬剤を見出すことが必要である。Guanofuracinは細菌性赤痢の治療に一応有効な薬剤であるので, このような目的に使用しうるかどうかの基礎的検討をおこなうことを目的として, 以下の実験を試みた。
  • (I) 沈澱剤について
    服部 清, 大橋 正明, 青山 功, 水野 民也
    1955 年8 巻3 号 p. 89-91
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    昭和27年伝染病研究所第1研細谷教授等により発見されたトリコマイシンはその抽出精製法について発表されているが (1), 我々もこの精製法の一環として諸種の沈澱剤を研究した。トリコマイシンは酸性物質でその分子中にγまたはδ-ラクトン基を有するであろうと赤外スペクトルから想定されている。
    偶々トリコマイシンの水溶液にストレプトマイシンを加えた時沈澱の生起を認めた。また別個にアクリノールとの結合が報告された (10)。これから, トリコマイシンと有機アミン群との結合が考慮されることになつた。実験方法としては, pH8.4附近のトリコマイシンの完全に溶解させた液を作る。これをpH7.4まで低下させると沈澱は生じないが, 僅かに濁つた液が得られる。
    これに沈澱剤を加えてよく攪拌すると常温または低温で直ちに或いはある時間を経て沈澱を生じて来る。
  • 細谷 省吾, 中沢 昭三
    1955 年8 巻3 号 p. 92-93
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 細谷 省吾, 中沢 昭三
    1955 年8 巻3 号 p. 94-95
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • ザルコマイシンの子宮頸部癌に対する効果
    百瀬 剛一, 小林 健正
    1955 年8 巻3 号 p. 96-100
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 菌のストレプトマイシン接触による感受性の変化について
    田中 寛治
    1955 年8 巻3 号 p. 101-103
    発行日: 1955/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ストレプトマイシン (SM) 耐性菌の出現に関する遺伝学的機序に関して, 2説の存在することは既に述べた (1)(2)。突然変異による高耐性菌の出現は, 特に大腸菌では高率に出現するが, この突然変異による耐性菌の出現 (3) が唯一のものでなく, 淘汰的に作用しないSMの低濃度にSal. Enteritidis 1891を継代することによつても耐性菌の出現がみられるので, SM自身が細菌に対し変異を誘導する作用を有している。
    細菌を培養する場合には, 菌の分裂増殖に伴なつて少数の耐性菌が突然変異によつて生じ, この際, 培地中に菌の発育を阻止しない程度の低濃度のSMが存在すれば, SMの誘導変異作用によつても変異菌が生ずるので, この突然変異ないしSMによる誘導変異をなくして, SMと細菌との相互作用による細菌のSMに対する適応現象を観察するには, 細菌を分裂増殖しない状態におくことも1方法であるとされている。
    そこで私は, resting cellとして定常期及び誘導期の菌を用い, 以下のような実験をおこなつたので報告する。
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