The Journal of Antibiotics, Series B
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10 巻, 3 号
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  • 金沢 裕
    1957 年 10 巻 3 号 p. 85-91
    発行日: 1957/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Sensitivity disk (感性ディスク) を用いる細菌の化学療法剤感受性測定法は, 手技が比較的簡単なので, 数種の薬剤について検する必要の多い今日では, 一般臨床検査法として広くおこなわれるようになつた。現在, わが国で市販されている感性ディスク (Roskilde, 昭和 (旧型), 栄研, Difco) は, 感受性を4段階に区分判定しているが, 定量的に感受性を知る方法については説明がなく, また各感受性の表現に相当する最小発育阻止濃度も明らかにされていない. 化学療法をおこなつた場合の化学療法剤の体内活性濃度は, 薬剤の種類, 投与法, 投与量, または感染の部位によつてもかなりの差異が見られる。したがつて, 個々の症例について適当な化学療法剤を選択し, 合理的な投与量, 投与法を決定するために, または他の方法による測定値と比較する際には, 最小発育阻止濃度を或る程度定量的に知る必要がある。
    私はさきに15, 16, 17, 18), ディスクまたはTabletを使用する寒天平板拡散法の感性判定結果に影響を及ぼす諸種の条件, すなわち, 寒天培地の組成, 培地の厚さ, 培地のpH, 培養前放置時間, 放置温度, 培地中薬剤濃度分布, 薬剤の拡散性の差異, 培養中の薬剤の安定性, 培養時間による発育阻止濃度の相違等について検討した。
    今回は上記の実験条件に加えて, ディスクの薬剤含有量を実験の上で適当に規定し, 寒天平板拡散法の長所である測定値の連続性を利用して感性値を定量的に知る方法について実験をおこなつたので報告する。なお, 化学療法剤としてはPenicillin (以下PCと略記), Dihydrostreptomycin (SM), Chloramphenicol (CP), Chlortetracycline (CTC), Oxytetracycline (OTC), Tetracycline (TC), Erythromycin (EM), Colistin (CLS), Sulfisoxazole (SIX), Sulfisomidine (SIM) を実験対象とした。
  • 丹保 好一
    1957 年 10 巻 3 号 p. 92-97
    発行日: 1957/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    HACKMANN1) が1952年actinomycin Cの抗腫瘍作用を報告して以来, 既にいくつかの放線菌抗腫瘍物質, すなわちactinomycin, sarkomycin2), puromycin3), azaserine4), carzinophilin5), gannmycin6), carcinocidin7), gancidin8), pluramycin9), mitomycin10) 等が単離報告されている。
    この放線菌抗腫瘍物質をスクリーニングする方法についても, 梅沢等がラッテの吉田肉腫, マウスのEHRLICH腹水癌を用いて比較的簡単に培養濾液の抗腫瘍作用を検する手技を導入して, 多くの研究者の採用するところとなつた。
    古賀11, 12) は吉田肉腫, 腹水肝癌を用いて, 既知抗生物質について, 抗腫瘍物質による治療の基礎的研究をおこない, carzinophilinの抽出精製過程における抗腫瘍成分を精しく追求し, 細谷等は試験管内接触後移植性の有無によつて抗癌力を判定する方法をEHRLICH癌と放線菌培養濾液に応用した (新家法)6)。また, 菊池, 松沢等13), 山本等4), 宮村15), 新井, 鈴木16), 等は各種のoxidoreduction indicatorを指標として癌細胞のdehydrogenase活性の阻害から抗癌作用を推定する方法を考案した。これらはいずれも抗腫瘍物質のスクリーニングの研究に大きな示唆を与えるものである。
    著者は, 土壌放線菌のコレクション中, 同一の土壌試料から分離され, 生物性状, 抗菌像によつて, 同一菌種と推定されたものを除いた株について, 第1次スクリーニングとしては, 試験管内接触後移植法, 第2次スクリーニングとしては, 培養濾液の連日注射による延命効果を見る方法を採用して, 有効株を選別し, 更に有効成分の粗物質の抽出までおこなつたので, ここに報告する。
  • 1957 年 10 巻 3 号 p. 97-97,135
    発行日: 1957/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 2. 基礎的研究 3. 孵化鶏卵を使用しての研究特にErythromycinとの比較について
    沼尾 欣一
    1957 年 10 巻 3 号 p. 98-120
    発行日: 1957/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    余は前篇において, 純邦製の新抗生剤として最近製作されたLeucomycin (以下LMと略記) を使用し, これの臨床的研究成績を述べ, 内服ならびに静注后人体, 家兎およびマウスの血中その他の諸臓器中に有効濃度以上に本剤が移行することを実証し, その後, 小児の急性感染症11例に本剤を用い, 内104例に甚だ有効であることをみとめた。
    本篇においては, LMの艀化鶏卵に及ぼす影響について観察し, Erythromycin (以下EMと略記) のそれと比較検討してみた結果について報告する。
    既に, 本学薬理学教室においても, ここ数年来, 各種の薬剤を艀化鶏卵の卵白内に注入し, その后の鶏胎仔の発育に及ぼす影響について, 各種の実験成績を報告している。すなわち, 東郷はStreptomycin (以下SMと略す) の鶏胎仔の発育に促進的に作用する最適量は, 種卵1個当り20mgであり, それよりも高濃度または低濃度の場合には, 発育が一時的に抑制される傾向があると述べており1), 教室の竹内も, SMの鶏胎仔Ca代謝に及ぼす影響についての研究をおこない, SM負荷によつて鶏胎仔の発育は低濃度においては比較的促進の傾向を示し, 高濃度では抑制されるか, または対照と変らないと報じている2)。川北は, S Mおよびヨードリの単独ならびに併用投与の鶏胎仔に及ぼす影響について, 各注射例とも概ね対照と大差がないと報じている3)。教室の月岡は, Bornylamine penicillin Gを用いて鶏胎仔の発育を見ているが, 対照のProcaine penicillin Gの場合は軽度ながら促進的に作用するが, 本剤ではむしろ抑制的に作用すると報じている4)。その他の実験で, 薬剤が鶏胎仔の発育を, 薬剤の使用量によっては, 僅かながら促進的に作用すると報じているものに, 河内のAtropine, Scopolamineを用いてのAtropineの成績5), 広田6), 野呂7), 森8) の唾液腺ホルモン (Parotin) を用いての実験成績等がある。また, むしろ鶏胎仔発育を抑制的に作用していると報告しているものには, 武藤その他のINAHを用いての実験9), 角尾その他のNicotineを用いての実験成績等がある10)。更に, 対照群となんら発育の差を認めなかつたと報じているものに, 堀のPASを用いての実験11) およびDulcinを用いての実験2), 和田のSaccharinを用いての実験成績等がある13)。
    ここにおいて余は, 胎生期の薬理学的研究の一端として, LMの鶏胎仔の発育に及ぼす影響ならびに尿嚢水中への排泄状況をEMと比較検討し, LMならびにEMの生体内運命を解明する一助とした。なお, LMならびにEMの毒性を吟味する目的から, 胎仔の肝臓および腎臓の病理組織学的検索を併わせ施行した。
  • 第30回研究会・第31回臨床部会 (1957年2月23日)
    1957 年 10 巻 3 号 p. 121-128
    発行日: 1957/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1957 年 10 巻 3 号 p. 129-135
    発行日: 1957/06/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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