The Journal of Antibiotics, Series B
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12 巻, 4 号
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  • 唐崎 正
    1959 年 12 巻 4 号 p. 273-277
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    トリコマィシンの尿中排泄に関しては, 既に細谷等1) が, 家兎および海榠に経口または経皮投与した場合の尿中濃度をカップ法で測定した結果を報告しており, 添田等2) は, マウスに腹腔内注射した場合の尿中濃度を倍数稀釈法で測定し, 結果を簡単に報告している。
    著者はこの問題を更に詳細に調べるために, 先に報告した微量比濁法3) を用いて, 家兎に種々の方法でトリコマイシンを投与した場合の尿中濃度を測定し, 尿中排泄量, 排泄速度, これらと血中濃度との関係等について調べたので結果を報告する。
  • 第1報 Candida albicans の内呼吸ならびにMaltose酸化能に及ぼす抗生物質の影響
    塚原 叡, 斎藤 貞二郎, 林 健二
    1959 年 12 巻 4 号 p. 278-285
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    カンジダ症は抗生物質療法の普及に伴なつて漸次増加する傾向があり, 本症の発生と抗生物質との間に因果関係を想定する者が内外多数あるが, まだ定説がないことは周知のとおりである。カンジダ症発生増加の1要因として, 抗生物質がC.albicansの生長, 増殖に対して直接促進的に作用するとみる報告も, CAMPBELL & SASLAW等 (1949) 1) 以来, 多数あるが, 他方, 否定的な研究報告も少くなく, 検索材料ならびに方法も研究者によつて多種多様である。
    著者等は, 微生物細胞の成長および増殖が呼吸と平行関係にある点からみて, 抗生物質のC.albicans発育促進作用の問題を検圧法によつて検することを企てた。Medium中において示す微生物の呼吸は, 細胞成分の生合成には関係がないと考えられる内呼吸と, 生合成に必須な基質呼吸との和として表現される。また, C.albicansの示す内呼吸は, 他の一般細菌細胞に較べて, きわめて大きな値を示すので, 本菌の呼吸の測定に際しては, 内呼吸を看過し得ないと考えられる。また一方, 抗生物質は周知のように, 微生物の酵素作用を阻害するので, たとえ, それがC.albicanに対して抗生作用を示さない場合も, 本菌の呼吸作用に及ぼす影響に関しても一応検討を加える必要がある。これらの諸点からみて, 著者等は, まず予報として, C.albicanの内呼吸と, Maltose酸化能とに及ぼす各種抗生物質の影響に関して検索を試み, 次の結果を得たので報告する。
  • 艀化鶏卵に及ぼす影響
    竹内 志郎
    1959 年 12 巻 4 号 p. 286-292
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    前篇においては, Fradiomycin (Neomycin)(NMと略) を使用し, 動物実験によつて, 経口投与によつても, 家兎およびマウスの血中, 尿中ならびに諸臓器内への移行をみとめ, また連続経口投与による発育への影響を述べた。本篇においては, NMの艀化鶏卵に及ぼす影響について報告する。
    既に, 本学薬理学教室において, ここ数年来, 各種の薬剤を艀化鶏卵の卵白内に注入し, その後の鶏胎仔の発育に及ぼす影響について韓告されている。すなわち, 東郷1) はStreptomycin (SMと略) は, 種卵1個当り20mgで発育を促進し, それより高濃度または低濃度では, 一時的に発育を抑制するとし, 竹内2) も, SMの鶏胎仔Ca代謝に及ぼす影響をみ, SM負荷によつて鶏胎仔の発育は低濃度において比較的促進するが, 高濃度では抑制されるか, または, 対照と変らないと報じた。川北3) は, SMおよびヨードカリの単独ならびに併用投与によつて, 各例とも対照と大差がないとした。沼尾4) は, Leucomycin (LMと略) とErythromycin (EMと略) を用い, LMの適量は発育を促進するが, それより高濃度または低濃度では抑制的に作用し, EMでは各例とも対照と差をみとめなかつたと報じた。月岡5) は, Bornylamine penicillin Gを用いて鶏胎仔の発育をみているが, 対照のProcaine penicillin Gの場合は軽度ながら促進的に作用するが, 本剤ではむしろ抑制的に作用するとした。以上の, 主として抗生物質を用いて鶏胎仔発育を観察したもののほか, 河内6) のAtropine, 広田等7) ~9) のParotin, 武藤10) のINAH, 角尾その他11) のNicocine, 堀2) ~13) のPASおよびDulcin, 和田4) のSaccharin等の実験成績がある。NMに関しては, WAKSMAN15) 等が鶏胎仔にSalmonella pullorumを感染させ, これにNMおよびSMを用い, 鶏胎仔の生存率からNMはSMよりはるかに効果的であることをみとめている。
    茲において私は, 胎生期の薬理学的研究の一端として, NMの鶏胎仔の発育に及ぼす影響ならびに尿嚢水中への排泄状況を検し, NMの生体内運命を解明する一助とした。なおNMの毒性を吟味する目的から, 胎仔の肝および腎の病理組織学的検索もおこなつた。
  • 添田 百枝, 藤田 鳳一
    1959 年 12 巻 4 号 p. 293-294
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    この研究の大要は, 1957年11月22日日本抗生物質学術協議会第107回研究会において発表した。
    1946年以来, 放線菌がつくる抗カビ性抗生物質は, 46種の多きを算え1), Penicillium属, Aspergillus属, Bacillus subtilis, B.brevis等から得られるものを加えると55種に達する。
    1954年, 岡見, 歌原, 中村, 梅沢2) は, 紫外部吸収の値から放線菌抗カビ抗生物質を4群に分け, 翌年VINING.TUBER & GREGORY3) は, Polyene系抗生物質と名づけ, その二重結合の数から4群に分けた。
    私共が1954年8月20日, 日本歯科大学の緒方規雄教授の御好意によつて得た秋田県下の慈虫有毒地帯 (仙北郡内小友村寺邑家墓地) の土壌から, 今までに発表された放線菌のいずれの菌株とも異なる1新株 (H-5504株) を見出し, Streptomyces akitaensisと名づけ, その産生する抗カビ性抗生物質をAkitamycinと命名した。
    1955年, 細谷, 石橋4) が富山県の土壌から分離した抗カビ性抗生物質Toyamycinの産生株 (T-6株) と本菌株の菌学的研究は, 千葉大学腐敗研究所の新井正助教授によつておこなわれ, 多少の相違はあるが, よく類似することが明らかにされたが, その後の研究によつて化学的性状が明らかとなり, 著者の1人 (藤田) はAkitamycinの結晶化に成功し, 両物質は全く異なることが分つたので, ここに報告する。
  • 産生菌の菌学的性状
    添田 百枝, 藤田 鳳一
    1959 年 12 巻 4 号 p. 295-296
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    この研究の大要は, 1957年11月22日日本抗生物質学術協議会第107回研究会において発表した。
    前報1) においては・秋田県下の悲虫有毒地帯の士壌から抗カビ性物質をつくる1新放線菌H-5504株を分離し, これをStreptomyces akitaensisと名づけ, その産生する物質をAkitamycinと命名し, 報告した。今回は, WAKS・MAN & HENRICI (1957) 2) の分類に従がつて, H-5504株の菌学的性状について報告する。
  • 1959 年 12 巻 4 号 p. 296
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 藤田 鳳一
    1959 年 12 巻 4 号 p. 297-299
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1954年, 私共 (細谷, 添田, 藤田) によつて秋田県下の慈虫有毒地帯の土壌から分離された1新放線菌は, 抗カビ性抗生物質Akitamycinを産生することをみとめ, Streptomyces akitaensisと命名し1), 前報2) にはその菌学的性状を記載した。著者は, 細谷教授の指導の下に, Akitamycinの化学的研究をおこない, その結晶化に成功したのでここに報告する。
  • 添田 百枝
    1959 年 12 巻 4 号 p. 300-304
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    現在までに発表された放線菌の産生する抗腫瘍性抗生物質には, Actinomycin群物質1), Antitumor substance 2892), Sarkomycin3), Trichomycin4), Carzinomycin5), Azaserine6), Carzinophilin7), Mitomycin8), Carzinocidin9), Gancidin10), Melanomycin11) 等があり, 最近に到つて梅沢等はRaromycinを報告した。現在までの放線菌抗腫瘍性物質は, 有機溶媒系に移行する物質と, 移行しない物質に大別することができる。細谷, 添田等のCarzinomycin, 原田, 奈良, 岡本等のCarzinocidin, 菅原, 松前, 秦等のMelanomycinは後者に属するが, 本報のMarinamycinも後者に属し, 毒素精製に用いられる部分的濃縮法によつて, 放線菌S-34株の培養濾液 (pH7.4~8.4) にZnCl2を加えると, 紫状の沈澱を生じ, 第2燐酸ソーダで抽出される。Marinamycinは, 血清, 腹水等によつて不活性化されず, 非透析性で, Seitz濾紙に吸着されず, 熱に不安定な物質である。以下, その実験経過を報告する。
  • 1959年6月28日 長崎大学医学部会議室
    1959 年 12 巻 4 号 p. 305-310
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1959年7月4日 京都大学楽友会館
    1959 年 12 巻 4 号 p. 311-318
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1959 年 12 巻 4 号 p. 319-322
    発行日: 1959/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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