The Journal of Antibiotics, Series B
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14 巻, 1 号
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  • 放線菌抗生物質に関する研究第44報
    松本 慶蔵
    1961 年 14 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 1961/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    放線菌の産生する抗癌物質のScreeningにおいて, HeLa細胞を使用して各濾液の示す細胞変性効果を観察することは, 含まれている有効物質の判定を容易にするばかりでなく, さらにその物質の精製にも利用されるきわめて簡便な抗癌物質試験系であることを異にする2物質の併用5, 6) を理論的に導いてゆくため, ことに既知の抗癌物質のいずれもがその高い毒性をもつことが知られている現状を考え合わせると, 重要な問題といえる。このような考慮のもとに, 既知の抗癌物質と教室で最近分離した抗癌物質21種についてそ, のHeLa細胞に対する作用機作を細胞学的に調べたのがこの仕事である。
    仕事を進めるに当つて, 次のような方法論によつた。
    (1) HeLa細胞は無染色のまま観察するほか, MAY-GIEMSA染色をおこない, 細胞学的変化を油浸で観察した。
    2) 各物質について, その作用部位を決定するに当つては, 時間的な変化の追跡はさけ, むしろ濃度勾配をつけて一定時間後に観察し, 最小有効濃度附近でHeLa細胞のどの部位に変性効果を示すかを検討することとした。
    (3) ただし, このような形態学的な変化のみから結論を下すことは危険と考えたので, この細胞がHVJの完全増殖を許す事実を利用して, 各種抗癌物質がこのウイルス合成をどのような態度で阻止するかを定量的にしらベ癌物質作用下, 抗のHeLa細胞の蛋白合成能の一端を窺うこととした。
    (4) さらに, 以上の基礎的な実験結果をもととして, 2種の抗癌物質の併用効果をこの細胞の場でしらべてみたもちろん, 現在の趨勢としては, 担癌動物を用いて特に抗癌物質分布の相異という観点に立つて動物レベルで併用の研究が主としておこなわれているのであるが, in vitroの簡単な条件下で細胞レベルの成績を固めることは今後多くの利用度を生む基礎的な実験と考えたためである。
    以上, 4つの観点から進めた実験結果を整理してみて, 種々の新知見を得たと考えるので, ここに報告して批判をうけたいと思う。
  • Fraction Cの諸性質について
    片桐 謙, 佐藤 孝三郎
    1961 年 14 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 1961/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1929年FLEMING が Penicillin を発見して以来, 真菌属の産生する抗生物質の研究は急速に発展し, NEWTON1, 2, 3) らは Cephalosporium からCephalosporin 群を分離し, OXFORD4) らはPenicillium griseofulvum からGriseofulvinを分離した。 真菌の産生する抗生物質には, なお興味ある物質の出現の可能性も充分考えられることは, 言をまにないところである。 真菌のうち, 特に病原性真菌の産生する抗生物質に関しては, VONKENNELら5), PECKら6), URIら7, 8, 9) および占部10) によつて検討されているが, 産生抗生物質の諸性状が詳細に研究されている報告が少ない。 しかし, これらの報告によると, 病原性真菌はPenicillinまたはそれに類似する抗生物質を産生していることが記載されていることは興味あることである。
    我々もEpidermophyton floccosum について, その産生抗生物質を追求した結果, 共同研究者である西尾が1報2) で述べたように, 本菌が3つの異なる抗生物質を産生していることが明らかとなつた。 すなわち, Fraction AはPenicillinsに属するものであること, Fraction BはPenicillinsに近似の物質であるが, エーテルによるPaper chromatographyおよび抗菌スペクトルなどの結果から, 常通のPenicillinsとは異なる物質である。 Fraction CのSummarizedpapergramは, いわゆるActinomycin型に属し, Penicillinaseによつて全く不活化されない点など, 諸性状が明らかにPenicillinsとは異なつている。本報は, Fraction Cについて, 分離抽出法, および得られた物質の生物学的, 物理化学的諸性状について報告する。
  • 加納 泉, 内田 正, 山尾 登美子
    1961 年 14 巻 1 号 p. 20-21
    発行日: 1961/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    ペニシリンの合成製剤フェノキシエチルペニシリン (シンシリン) は, 1957年にほぼ完成の域に達し, 我国においては本年になつて市販されるようになつた.その製品も, 米国における検討では, 生物学的, 薬理学的, さらに臨床学的にも, 従来のペニシリン製剤より多くの利点をもつことが報告されている.
    試験管内における効果は, 肺炎球菌, 連鎖球菌, 淋菌, ペニシリン (PC) 感性葡萄球菌等に有効で, 従来のPCと同じスペクトルであるが, 従来のものより感受性が高く, 耐性菌も少い. しかし, 強いPC耐性を示す菌には, やはり無効のようである.
    我々はフェノキシエチルペニシリン (シンシリン) を子宮附属器炎, 子宮内膜炎, 子宮労結合織炎, 子宮周囲炎, 産褥期感染予防, 術後感染症, 腹膜炎および腎孟炎等の産婦人科領域の疾患24例に使用し, その臨床成績および血中, 尿中, 乳汁中濃度を測定し, 併わせてその副作用について観察した.
  • 芝木 秀臣, 嶋崎 匡, 中川 束, 大久保 洋平, 金上 文雄
    1961 年 14 巻 1 号 p. 22-24
    発行日: 1961/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我々は先に, Paecilomyces varioti BAINIER var.autibioticusから産出された抗真菌性抗生物質であるパリオチンのアルコール溶液の臨床効果をしらべ, かなり良好な成績を得たが1), このたび本剤を軟膏にしたものを日本化薬株式会社から提供を受け, 臨床的に試みたので結果を報告する。
    パリオチン軟膏は, プラスチペース50Wを基剤とし, 1g中にパリオチン3,000単位, 塩化ペンザルコニウム1mgを含有している。
    使用方法は, 1日1~2回患部に塗擦, またはガーゼにのばして貼布した。 なお, 本剤による治療中は, 他の薬剤または理学的療法等の併用は一切おこなわなかつた。
    使用した症例は, 検鏡によつて菌が証明されたもののみを選んだ。
    効果の判定は, 主として臨床所見によつて決定し, 著効 (+) は臨床的にほとんど治癒し, 菌が証明できなくなつたもの, 有効 (++) は臨床症状の一部は残つているが, 経過の良好なもの, 軽快 (+) はある程度軽快を示しながら, その後好転を示さないもの, 無効 (-) は全く変化がないか, または却つて病状の悪化したものである。
  • 四日市 憲一
    1961 年 14 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1961/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 1961 年 14 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1961/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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