日本画像学会誌
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49 巻, 2 号
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原著論文
  • 王 銘, 信澤 悠一, 中村 卓, 中村 佐紀子, 宮川 信一, 北村 孝司
    2010 年 49 巻 2 号 p. 68-73
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    本研究では,アミノ基を持つシランカップリング剤を用いて正帯電の樹脂被膜した電気泳動白色粒子を作製した.電気泳動白色粒子として無機顔料である酸化チタンを用いた.まず,酸化チタン粒子の表面にラジカル重合性ビニル基と正極性のアミノ基を同時に持つシランカップリング剤を反応させた.次に,その外側に,有機絶縁性溶媒中での分散安定性を持たせるため表面グラフト反応法により,高分子ポリマーを成長させることで,疎水化処理をした.作製した電気泳動白色粒子の物性を測定し,その粒子の電気泳動の挙動を顕微鏡観察し,移動度,ゼータ電位を算出した.
  • 成 紅梅, 江 滋晴, 星野 坦之
    2010 年 49 巻 2 号 p. 74-79
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    画像の鮮鋭さは画質において重要な要素である.画像システムにおいて輪郭強調は画像の鮮鋭さを向上させるために広く用いられている.本研究では画素サイズおよび輝度の分布が,輪郭強調の最適条件に与える影響について,主観評価により検討されている.画素サイズが大きくなるにつれて,ラプラシアンの強調度合いが小さくても輪郭強調効果があることを明らかとし,人間の視覚特性から説明している.輝度分布が広がると最適輪郭強調条件が弱い強調度合側に移ることを得ている.
Imaging Today
  • 野田 明彦, 浜 順一
    2010 年 49 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    電子写真の主要な現像方式である2成分現像において,トリクル現像 (Trickle Development) はサービスコスト低減を目的とする技術として位置づけられる.富士ゼロックスにおいてはColor Laser Wind 3310を皮切りに,カラー,単色を問わず多くの機種に導入してきた.シンプルな構成で現像剤の帯電寿命に対して大きな効果を得られることが,広く用いられてきた理由と考えられる.
    トリクル現像はトナー補給と同時にキャリアを少しずつ追加するが,それと同時に余剰の現像剤を排出することによって,現像剤の帯電レベルを安定化することができる.余剰現像剤の排出は電子写真装置の形態によって制約を受けるため,補給よりも構成上の工夫が要求される.
    本稿では,その代表的な排出構成と現像剤の帯電持性に対する考え方について実例とともに紹介する.
  • 酒見 裕二, 山本 武男
    2010 年 49 巻 2 号 p. 87-95
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    ジャンピング現像方式は帯電した一成分磁性トナーに交番電界を作用させて非接触の状態で静電潜像に飛翔させて画像を形成する方式である.
    本方式はその構成の簡単さや安定性の良さで当社の電子写真の白黒現像におけるキー技術となっている.
    近年,電子写真方式もカラー化やPODを睨んだ高速化への対応が要求されてきている.
    本稿では,まずジャンピング現像方式の高画質化や高速化への取り組みを材料とハード構成の両面から,可視化やシミュレーションの結果を交えて紹介し,最後に最近の展開として,カラー機への対応とPODへの対応の技術的な内容を紹介する.ジャンピング現像は構成の簡易さによりカートリッジ等の小型の機種でのキー技術として誕生し成長してきたが,今後は高速の白黒の分野を含め当社の電子写真の中核技術として更に発展していくと考えている.
  • 板垣 整子
    2010 年 49 巻 2 号 p. 96-101
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    二成分非接触現像法に関して概説する.二成非接触現像法は現像バイアス電圧に交流電圧を重畳しトナーのみを飛翔させ現像を行う.このためカブリ,キャリア付着を生じない,現像条件の適正化が必要となる.別の解決策である低い交流電圧で高い現像効率を得る制御電極法に関しても概説する.また非接触現像実現において必須の技術である薄層形成技術に関してもふれる.
  • 小澤 義夫, 坂田 昌一
    2010 年 49 巻 2 号 p. 102-107
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    タッチダウン現像は古くから1成分現像方式の一方式として研究され,その後キャリアを用いてトナーを帯電させる2成分現像の要素を取り入れることでハイブリッド現像とも表現される.近年は小型プリンター,カラーMFP,プロダクション印刷機などで画質の追求と長寿命を可能にする現像方式として注目されている.
    ここでは,この現像方式の歴史的な経過と最近の実施例を示し,その特徴と課題について解説する.
  • 大嶽 英宗
    2010 年 49 巻 2 号 p. 108-115
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    液体現像技術は,電子写真技術においてオフセット印刷に近似の高画質が得られる可能性を持ち,その優れた潜在能力は広く認められている.しかしながら,乾式電子写真プロセスを用いたPOD (Print On Demand) 技術による商業印刷業界への進出が目覚しい中,現時点において液体現像プロセスを用いた同様の製品は非常に限られたものでしかないのが現状である.また,これまでに液体現像方式を用いた試作モデルがいくつか提案されており,実用化されていないものも含めて多様なアプリケーションに向けた研究がなされているものの,本格的に市場に投入されるにいたっていない.大きな可能性を持った液体現像技術が真に実用化されるためにはどのようなアプローチが必要であるのか,液体現像技術の変遷を振り返りながら,その技術的な特徴について整理し,今後取り組むべき課題についてまとめた.
  • 乙め 幸雄, 広瀬 洋二, 鈴木 克彦, 菊地 裕, 鈴木 貴志
    2010 年 49 巻 2 号 p. 116-122
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    超高速連続帳票用モノクロレーザープリンターは,官公庁や会社等において帳票印刷などの基幹系業務における出力装置に用いられている.基幹系業務では,請求書や明細書等を,限定された期間内に大量に印刷する必要があるため,印刷速度の高速化,高い耐久性,高い信頼性が求められる.また近年では,ダイレクトメールやブック印刷などのモノクロオンデマンド印刷用途にも用いられ始め,写真などのハーフトーン均一性やバーコードのライン再現性が求められるため,画質の更なる向上が望まれている1~3).本報告では,超高速連続帳票用モノクロレーザープリンターを概説し,特に,超高速現像プロセス技術における多段ローラー現像技術と現像剤攪拌技術,及びトナー補給とトナー濃度検出技術の特徴を解説する.
  • P.A.C. GROENEN, S.K.J. LENCZOWSKI, M. SLOT
    2010 年 49 巻 2 号 p. 123-130
    発行日: 2010/04/10
    公開日: 2010/04/13
    ジャーナル フリー
    Toner development with conductive toner in electrophotography has been considered as an alternative to the most widely used dual-component toner development process. While in the latter case insulative toner particles are charged using tribo-electrification, this is not required for conductive toner where toner particles will be inductively charged when subjected to an image wise applied electrical field. Incorporating magnetic pigment in conductive toner particles allows for monocomponent development systems.
    This paper describes theory, key characteristics, advantages and challenges of conductive toner development with monocomponent magnetic toner. It will also describe the application in Océ printing systems.
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