日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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23 巻, 1 号
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  • 2003 年 23 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 石崎 利香, 笹栗 健一, 堀口 美和, Woon-Nahm Chung, 佐藤 貞雄
    2003 年 23 巻 1 号 p. 12-21
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    初診時年齢18歳の女性で, 左側顎関節の間欠的開口制限, 顎関節雑音ならびに開口時疼痛, 特に起床時の開口時疼痛, 開口制限が著しいことを主訴に来院した.自力最大開口量は27mmで, 患者自身が下顎を左右に偏心運動させながら開口することで, 開口障害を解除することが可能であった.MRI所見では, 両側の顎関節円板が復位型前方転位であった.そこでaxiographを用いた下顎頭運動分析により, 症状側である左側下顎頭の開閉口運動時の閉口時に関節円板が前外方に転位する直前の顎位, すなわち治療目標の下顎位 (therapeutic reference position; TRP) で機能的顎矯正装置を用いて関節円板の整位を試み, そのTRPに対してマルチブラケット法と機能的顎矯正装置を併用して歯の三次元的移動により咬合を再構築したところ, 動的治療終了後2年を経過しても安定した咬合が得られ, すべての臨床症状の再発は認められなかった.以上から, 復位性顎関節円板転位症例に対して機能的顎矯正装置を併用した矯正治療が有用である可能性が示唆された.
  • ―咬み癖に着目した症例への対応
    上原 忍
    2003 年 23 巻 1 号 p. 22-27
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    It is known by experience that habitual mastication of chewing in one side of the jaw is thought partly as the cause of TMD (temporomandibular disorders) . The theory of biomechanics is tried to apply to some cases in clinical dentistry from the standpoint of habitual mastication. In this article the applied cases of biomechanics are reported on the result of treatment and the change of posture. In conclusion, it is suggested that there may be a correlation between mastication and posture.
  • 今井 俊広
    2003 年 23 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    Under the physical function, occlusion, muscles and T.M.J. are bio-structurally connected one another. Cooperation during occlusion, muscles and T.M.J. is essential to establish comfortable and stable occlusion, and smooth mandible movement. In this treatise, using three dimensional comput-ed tomography (3D-CT), we have visualized condyle bone remodeling on the case, that mandibular deviation induced over loading on stomatognathic system and condyle bone erosion which was treated by occlusal reconstruction to C.R. position or physiologic mandibular position. This results suggested the effectiveness of normal loading for stomatognathic system.
  • ―第2報ゴシックアーチ・トレーサーによる
    菅野 詩子, 菅野 博康
    2003 年 23 巻 1 号 p. 34-40
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    日常臨床の中で様々な咬合採得法が行われているが, その中で, 主に無歯顎者の水平的ド顎位を決定するために用いられているゴシックアーチ・トレーサーによる咬合採得法について, 有歯顎者を被験者として, その下顎位の再現性を検討した.
    5名の被験者に対し, 初診時, ゴシックアーチApex, 同部での咬みしめ, Trapping Point, 同部での咬みしめ, オクルーザルスプリント使用後のセントリック・リレーション・レコードを2枚ずつ採得し, それぞれの再現性および下顎位を比較検討する.なお, 初診時とスプリント使用後はチンポイント変法を川いる.
    ゴシックアーチ・トレーサーで1枚目と2枚日のセントリック・リレーション・レコードが一致したものは32枚・16組のうち1組のみであり, この1組もチンポイント変法のものとは一致しなかった.
    チンポイント変法と比較してゴシックアーチ・トレーサーによって得られた下顎位は, 咀嚼関連筋群の生理的緊張のバランスのとれた下位とは異なったド顎位を示す可能性が高く, その下顎位の再現性には問題がある.
  • 上川 明久, 横峯 吉昭, 阿部 晴彦
    2003 年 23 巻 1 号 p. 41-49
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    無歯顎補綴医療において優れた咀嚼機能・審美性の回復を成功に導くためには, 的確な問診および診査・診断を行い, 対応策を熟慮し, それにより治療計画を立案することが重要となる.
    臨床においては, 診査・診断の結果, 直ちに最終義歯への調製に入れる症例と, 口腔内諸条件・顎機能の改善処置を先行しなければ最終義歯の調製に入れない症例とが存在する.
    後者に該当するものとして次のものがあげられる (図1、2) .
    (1) 下顎の偏位: が存在し, 正常な位置に復位する必要がある症例.
    (2) 床下粘膜異常が存在し, 粘膜調整を必要とする症例.
    (3) 著しい歯槽堤の挺出により的確な咬合平面の構築が不可能であり, 歯槽整形を必要とする症例.
    (4) 粘膜ド骨組織のトポグラフィー不良により優れた支持組織を期待できないため, トポグラフィー改善処置として歯槽整形を必要とする症例.
    (5) その他.
    今回, 床下粘膜異常が存在し粘膜調整を必要とする症例と, 著しい歯槽堤の挺出により的確な咬合平面の構築が不可能であり歯槽整形を必要とする症例に対し, 治療用義歯を活用し問題を改善した後, 最終義歯へ移行した臨床例について報告する,
  • 佐藤 寛
    2003 年 23 巻 1 号 p. 50-55
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    多数歯欠損歯列で補綴する場合は, 炎症のコントロールと力のコントロールをどのように対応するか困難である.
    症例は4~27欠損という悪条件ながら, 機能性を回復して, 審美性を向上しながら固定性クロス・アーチ・ブリッジで補綴した.若干の問題はあるものの, 現在まで18年間, 比較的良好に経過しているので報告する.
  • 今井 慎哉, 西岡 智秀, 南 清和
    2003 年 23 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    リマウントは複雑で面倒な操作であるにもかかわらず, リマウント操作でのエラーがかえって大きな誤差を生じさせる.しかし, 広範囲な補綴治療, 特に歯周補綴などに代表されるオクルーザル・リコンストラクションケースにおいて, 補綴物に精密な咬合を付与していくため, リマウントは必要不可欠なステップである.リマウントを価値あるものとするためには, その目的を理解し術式を把握しなければならない.そこで, 歯周補綴におけるフルマウス・リコンストラクションケースを用い, リマウントの一法に関して, その過程を検証し, リマウントエラーの原因について考察した.
  • 大澤 一茂, 高橋 徹次, 真島 徹, 阿部 晴彦
    2003 年 23 巻 1 号 p. 62-70
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    総義歯を調製するうえで, 研究模型の咬合器上での所見から得られる情報は, 診査診断の重要な要因となる.咬合平面, 人工歯列と歯槽堤との関係, 上下人工歯列対向関係, 顎堤の大きさ, およびその吸収状態や挺出増殖状態は, 残存歯の正中矢状面を基準とする阿部晴彦の開発したSHILLA Systemを活用することにより, 具現化が可能となり, 優れた診査診断, ひいてはそれに基づく対応策を的確に導くことが可能となる.
  • 高森 一乗, 大橋 英夫, 渡部 茂, 高橋 慶壮, 村上 幸生, 横瀬 敏志
    2003 年 23 巻 1 号 p. 71-73
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    近年, 分子生物学の発展はめざましく, 多くの原因不明であった遺伝性疾患の原因遺伝子が同定され, その病態も明らかにされてきている, これらの成果は, 医科のみならず, 歯科の臨床にも多くの情報をもたらしている.
    われわれの歯科領域は, 硬組織と軟組織が複雑に混在する口腔ならびに顎顔面領域の形態, 発育形成, その機能などに包括的な対応を行っており, 遺伝性疾患においても重要な位置を占める.そのため, 歯科医師がその徴候をとらえ, 疾患を発見することも少なくない.
    そこで今回, 歯科領域に関与する全身疾患と遺伝子異常のなかで, 鎖骨頭蓋異形成 (骨) 症〔cleidocranial dysplasia (dysostosis) ; 以下CCDとする〕にスポットを当て, その原因遺伝子であるRnux2/CBFA1について, 自験例ならびに文献的考察も加え解説する.
  • 小嶋 壽
    2003 年 23 巻 1 号 p. 74-77
    発行日: 2003/01/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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