日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
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31 巻 , 3 号
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原著論文
  • 山木 貴子, 時崎 匡史, 山木 誠, 清水 由美, 岡藤 範正
    2011 年 31 巻 3 号 p. 196-205
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    筋機能訓練装置(以下ムーシールド)は乳歯列期の被蓋改善のために開発された装置である.しかしながら,乳歯列反対咬合の年間成長発育量の評価について検討された報告はない.よってわれわれは,早期初期治療における治療効果を明らかにするために成長発育期の前歯部反対咬合にムーシールドを応用し年間成長発育量の評価について検討した.
    【症例1】 6歳5カ月女児 左側 オーバージェット-2mm,オーバーバイト+2mm,ターミナルプレーンはメジアルステップタイプでANB +2°.前歯部反対咬合と診断された.結果として,ANB +2°から+5°へと増加し骨格的改善が認められた.ムーシールド応用2年後にオーバージェット-2mm から+2mm となった.
    【症例2】 6歳2カ月男児 オーバージェット-2mm,オーバーバイト+1mm,ターミナルプレーンはメジアルステップタイプでANB +2°.前歯部反対咬合と診断された.結果として,ANB +2°から+3°へと増加し骨格的改善が認められた.ムーシールド応用4年後にオーバージェット-2mm から+2mm となった.
    さらに症例1は上顎骨の前下方方向,下顎骨の下方方向への成長が認められた.症例2は上下顎骨の前下方方向への成長が認められた.
    以上より,ムーシールドは若年者の早期反対咬合の骨格的改善に有用である可能性が示唆された.それは,ムーシールドの応用により,舌拳上の作用が有効であるからなのかもしれない.今後,さらなる追求を行っていく予定である.
  • 藤野 茂, 古屋 延明, 渡辺 浩, 松島 弘季, 杉山 和孝
    2011 年 31 巻 3 号 p. 206-214
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    本研究は,HA インプラント(Integral®,Calcitek Carlsbad CA)の10-13年間の臨床経過である.今回,われわれは,日本国内の4診療施設においてHA インプラント体579本を患者202 人に埋入し臨床経過の分析を行った.埋入後1 年未満に2 本がOsseointegration 獲得できず失敗した.その後のOsseointegration 維持期間に,インプラント周囲炎とOsseointegration の喪失により86本が失敗した.よって,10-13年間の累積成功率は85.1%であった.検討項目は性別,年齢別,インプラント体の直径,長さ,埋入部位,累積成功率,失敗インプラント体の臨床経過について行った.結果,HA インプラントは,インプラント体の長さ(8mm),埋入部位(下顎)については,その成功率に有意差が認められた.また,インプラント埋入後のOsseointegration 維持期間にインプラント体周囲骨の吸収や脱落の多くの問題が発生した.これは,HA インプラント体の HA の性状のほかに表面処理方法,インプラント体の構造,インプラント・アバットメント連結機構による影響を受けていると考えられる.
症例報告
  • 樋口 克彦, 上田 秀朗, 榊 恭範
    2011 年 31 巻 3 号 p. 215-222
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    近年,インプラントの普及に伴い,上顎洞挙上術が一般的に行われるようになってきた.その中でも多くの臨床医は手技的にも簡便で患者にとって外科的侵襲の少ないソケットリフトを選択する傾向にある.ソケットリフトはラテラルウォールテクニックと異なり歯槽堤よりインプラント床を形成し,骨補塡材を上顎洞内に塡入する術式である.しかし,上顎洞底を挙上していく際に,骨補塡材をスムーズにインプラント床内へと塡入することは困難で時間のかかるものであった.
    今回われわれは,効率よくインプラント床へ骨補塡材を塡入するための漏斗の形態をした骨補塡材塡入器具Sinus JO5を製作した.この器具により時間短縮だけでなく,周囲に飛散した補塡材が上顎洞内に入ることで感染する恐れも減る.また,高価な補塡材を無駄なく塡入することができるようになる.
    今回症例を交えてSinus JO5の有用性を報告する.
  • 江口 公人, 杉元 敬弘, 重村 宏, 又口 公人
    2011 年 31 巻 3 号 p. 223-230
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    歯周病やその他の原因により歯が欠損し,最終的に無歯顎の状態になると通常なら総義歯による咬合の回復となる.しかし,歯牙を失い,支台歯支持型の咬合から粘膜支持型の咬合に移行した時点で口腔内は基準を失い,個人が永久歯列完成時に持っていた歯の形態やそれによって支持されていた下顎位は喪失されてしまう.総義歯作製法において下顎位を求める方法は種々提言されているが,固定して咬合採取する方法がないためにその手技が困難で術者の技量に左右されやすいのと,その人工歯形態においては顎堤の吸収度合などを参考にして決定しているのが現状ではないかと思われる.
    しかし近年,無歯顎患者に対してインプラントを利用してのBone Anchored Bridge により,粘膜支持型の補綴から骨支持型の補綴を行うことが可能となって来ている.
    本稿では固定式の補綴を与える場合の下顎位の決定法と歯牙形態の決定法について,現在われわれがおこなっている理論と手法を述べる.
  • 櫻井 直樹
    2011 年 31 巻 3 号 p. 231-238
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    現在,咬合学の基本を学ぶ上でナソロジーはわかりやすく有用であると思うが,その理論は健全な顎関節を基準としているため顎関節症には応用できない.
    そのため顎関節症の治療を考える時,顎関節に頼らずに下顎位を何処に設定するかが重要となる.
    そこで今回はポステリアオープンバイトと言われる下顎骨の前下方へ偏位することによって起こる現象の原因や過程を探ることで求めるべき下顎位を考えてみたい.
  • 葛西 秀夫
    2011 年 31 巻 3 号 p. 239-247
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    歯科医師は日常的に口腔内の硬組織である歯や顎骨を対象に処置を行っている.治療に先立つ診査・診断に際し現在,一般的に歯科医院では歯科用デンタルX線撮影装置とパノラマX線撮影装置による画像が使用されている.
    これらの画像はあくまで二次元的な資料で,植立可能な診断が十分下されればよいが,より正確かつ三次元的な情報が必要な時にはCT(Computed Tomography)が必要となる.
    近年,CT の普及により身近に撮影ができるようになり,不十分であった硬組織像をより詳細かつ正確に把握することができるようになった.また,画像処理技術が進歩し,インプラント埋入部の三次元画像情報がデジタル化され,市販のパーソナルコンピュータで手軽に画像再構成され,インプラント体埋入シミュレーションが可能となった.さらにCAD /CAM を応用して,サージガイドを作製することにより,正確で安全な埋入手術が短時間で行われるようになった.
    今回,インプラント治療の術前診査・診断において,実際の症例でどの程度貢献できるかについて検討したので報告する.
  • 園田 晋平, 吉永 修, 永井 孝信
    2011 年 31 巻 3 号 p. 248-255
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    当医院にて20年前に治療後,歯牙破折,補綴物の脱離等のトラブルを繰り返している顎関節症の患者に対して精査を行った結果,下顎頭安定位と咬頭嵌合位のズレ,顆路を考慮していない補綴設計がトラブルの原因であることが推察された.Group Functioned Occlusion(Clyde H. Schuyler)を基礎とし,それを進化させたFunctionally Discluded Occlusion(桑田正博)の理論をもとに咬合調整を行い顎位の安定を図った結果,咀嚼筋の圧痛が消失した.
  • 1 フェイスボウに対する検討
    阿部 吉之助
    2011 年 31 巻 3 号 p. 256-263
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
    この研究において著者は顎の前方運動を再生できる咬合器上のフェイスボウの必要性に関して論じ,調節彎曲の幾何学的解析に言及している.著者は未だかつて明確に解明されたことのない調節彎曲を幾何学的に解析し,フェイスボウの存在に対抗している.
    先に中心位咬合が採得され,顎体が咬合器上にセットされている状態では,顎体の位置的関連性は固定化されて,チェックバイトを設定することにより咬合器上の顎体の運動条件と同一化している.したがって咬合器の拠点(目盛板の中心および切歯指導板上指導釘との接点)は,顆頭と切歯路との間に構成された顎の運動位に一致せざるを得ない.フェイスボウを使用する必要はない.また咬合器の運動路の傾斜角度から咬合器の咬合平面が位置づけられると同時に決定され,咬合床の咬合平面と咬合器のそれとは諸条件が一致しなければならない.
    換言すれば模型を咬合器にセットするに際しては咬合平面板を使用する方がより合理的であると考えられる.また,調節彎曲は咬合堤の上に立ち咬合堤前後端の運動路差を含む円の円周上にある.
  • 伊藤 雄策
    2011 年 31 巻 3 号 p. 264-269
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
  • 阿部 伸一
    2011 年 31 巻 3 号 p. 270-271
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
  • 田口 明
    2011 年 31 巻 3 号 p. 272-275
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
  • 2 歯の動揺と咬合性外傷
    関野 愉
    2011 年 31 巻 3 号 p. 276-279
    発行日: 2011/12/26
    公開日: 2014/01/14
    ジャーナル フリー
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