社会情報学部の在り方の重要な視点は, 今後の社会経済システム転換の方向と, 人材に要求される資質・能力をみきわめることである。今後の知的社会における情報・知識の創造のためには, 大学において, 問題発見・問題解決の一連の過程に取り組ませる必要がある。最近, 状況的学習論が台頭した。それによると, 様々な知的資源を活用し, 他者との協同的実践活動の中で, 一人ひとりの自分らしさを発揮し, 知を分かちあっていくところに, 人間の知の営みの本質があるとしている。このような協同的学習システムこそ, 21世紀の知的社会を構築するための基盤となろう。大学の基本理念は, 教育と研究だけでなく, 社会への貢献(産学連携)がある。教育の側面においては, 学習共同体の実践に参加し, 様々な知的資源を利用し, 自分らしさを生かしながら, 他者と協同し知の構築を図るようにする。研究の側面においては, 知的社会のリーディングインダストリーの基礎としてマルチメディアの研究及び付加価値の知的生産力としてのソフトウェア設計やデザインの研究を重視するようにする。
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