情報社会の進展とともに,学校教育において情報リテラシーの育成が求められている.学習者が学校教育で習得した情報リテラシーを,いずれ所属する社会集団や企業組織の中で有効に発揮することができるよう,われわれは情報教育におけるグループ学習に注目している.グループ学習の形態としては,グループ構成員が個々の学習目標をグループの中で個別に達成させる構成員並列型と,もう一つは,グループとしての学習目標をグループの中で共同で達成させる構成員合意統括型とが考えられる.本研究で,われわれは構成員合意統括型のグループ学習を実践し,グループ課題の評価と,構成員の気質や行動の傾向を表す5つの要素(内因性,外因性,リーダー性,協調性,やる気の好感度)との相関,さらに,グループ構成員個々の課題制作能力との相関を分析した結果,グループ学習の成否は,グループを編成する時の構成員の組み合わせ方が重要な要因となっていることを実証した.さらに,その実証を基に,効果的なグループ学習を成立させるためのいくつかの条件を見いだしたので報告する.
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