日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
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10 巻 , 2 号
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  • 福岡 哲男, 野口 光一
    10 巻 (2003) 2 号 p. 115-121
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    CRPS type 2 (causalgia) の発生メカニズムを考えるため, 末梢神経傷害後にDRG (dorsal root ganglion) の一次知覚ニューロンにおいて起こる遺伝子変化について, 特に直接傷害を受けなかったニューロン (sparedニューロン) に焦点を当てて, これまでに発表されたデータをまとめた. 小型や中型の spared ニューロンでは substance P, CGRP, BDNF, VR1, P2X3等の疼痛関連分子の発現が増加しており, これらの変化は直接傷害を受けたニューロン (injuredニューロン) とは逆で, 末梢炎症モデルにおけるDRGニューロンでの変化と共通点が多いため, 末梢神経傷害後に脊髄ニューロンの感作 (central sensitization) を起こすのはこの spared ニューロンであろう. 一方, injured ニューロンにおいても, 特に自発的発火するA線維をもつ大型ニューロンは, 脊髄後索核の二次ニューロンを感作することで, 侵害刺激に対する視床ニューロンの興奮に間接的に影響している.
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  • 真下 節
    10 巻 (2003) 2 号 p. 122-126
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    Complex regional pain syndrome (CRPS) は部分的な神経損傷や骨, 筋肉組織の損傷によって引き起こされる感覚神経, 運動神経, および自律神経・免疫系の病的変化によって発症する慢性疼痛症候群である. CRPSにはI型 (CRPS type I) とII型 (CRPS type II) があり, 以前からそれぞれ反射性交感神経性ジストロフィー (RSD) とカウザルギーと呼ばれていたものである. CRPSは身体に外傷などの侵襲が加わったことを契機に発症し, 一般には末梢神経損傷, 骨折, 軟部組織の損傷, ギブス固定, 帯状ヘルペスなどに引き続き起こる. しかし, ごくまれには原因になるようなものがなくても発症することがある. CRPSは末梢性および中枢性因子が相互に絡み合って悪循環を形成し, 疼痛などのさまざまな臨床症状を出現させていると考えられている. 中枢神経性因子としては, 脊髄の役割とその重要性がよく解明されてきたが, 脳も広範囲にわたって関与しており, その役割はきわめて大きいことが最近明らかになりつつある. また, 以前は交感神経性因子が重要視されていたが, 最近では慢性炎症性因子の関与が注目されてきている. さらに, CRPSが慢性化すると情動的, 精神的な変調が起こり, 症状はより複雑で難治性となる. このようにCRPSの病態は, 炎症性因子に基づくもの, 末梢・中枢神経系の機能異常に基づくもの, および情動・精神的変調に基づくものから構成される.
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  • 森脇 克行, Syafruddin GAUS, 須山 豪通, 弓削 孟文
    10 巻 (2003) 2 号 p. 127-136
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    複合性局所疼痛症候群 (CRPS) では, 疼痛, 温度上昇, 浮腫, 関節可動域制限などの症状に伴って骨関節病変がしばしば認められる. 組織損傷後の骨病変として歴史的には Sudeck の骨萎縮と Charcot 関節が知られているが, これらの骨病変はCRPSの骨病変と同一の発生メカニズムによる可能性がある. 近年, 骨代謝の分子生物学が進歩し, CRPSの骨病変を分子生物学的に解明する糸口が見えてきた. 本稿では, 新しい知見をもとに, 骨病変と感覚神経から神経原性に放出されるニューロペプチド, 交感神経活動, 組織障害後に放出されるサイトカインや不動化との関係について考察した. 骨病変のメカニズムの解明はCRPSの病態生理学の理解と治療法の開発に有用と思われる.
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  • 西村 友紀子, 森山 直樹, 石部 裕一
    10 巻 (2003) 2 号 p. 137-140
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 星状神経節近傍への直線偏光近赤外線照射が手と頭部の体温および血流に及ぼす影響を調べた. 方法: 健康成人20人で二重盲検比較試験を行った. 直線偏光近赤外線治療器 (SUPERLIZER HA-550®, 東京医研) の通常装置と出力0%のダミー器を用い, 日を変えて左側星状神経節近傍に7分間の照射を施行した. 測定項目は, 室温, 両側手掌深部温, 両側第3手指尖表面温, 両側拇指球血流速度, 両側鼓膜温, 左側中大脳動脈血流速度および両側前額部頭蓋内酸素飽和度で, 照射15分前から照射後30分までの各パラメータを連続測定し, 照射開始前, 照射7分終了時, 照射終了から30分後の3時点の値を記録した. 結果: 照射により, 同側の第3手指尖表面温と中大脳動脈血流速度は有意に上昇したが, 対側ならびにダミー群との間にはすべてのデータにおいて有意差が認められなかった. 結論: 左側星状神経節近傍への直線偏光近赤外線照射は, 健康成人の手と頭部の体温および血流に影響を及ぼさない.
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  • 御村 光子, 佐藤 公一, 井上 光, 並木 昭義
    10 巻 (2003) 2 号 p. 141-144
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 発症より1年以上経過した帯状疱疹後神経痛 (PHN) における局所麻酔薬による神経ブロックの効果を retrospective に検討した. 方法: 発症後平均31.5ヵ月を経過したPHNの6症例を対象とし, 痛みの推移を pain relief score (PRS) を指標として評価した. これら症例においてはアミトリプチリンを併用し, 1%リドカインを用いた星状神経節ブロックまたは硬膜外ブロックを初診より1~2ヵ月間は週1~2回の頻度で行った. 結果: 6症例はすべて女性, 平均年齢64歳, 平均観察期間は19ヵ月, 罹患部位は三叉神経第1枝3症例, 頸, 胸神経各々1, 2症例であった. 初診より約4週間において痛みの程度の低下は顕著であり, その後疼痛が軽減した症例は1症例のみであった. 5症例については神経ブロックにより段階的に痛みが軽減した. 初診時の痛みの程度を10とするPRSでみた場合, 最終的に3症例でPRS 5, 2症例で3, 1症例で1となった. 結論: 発症後1年以上を経過したPHN症例においても, アミトリプチリン併用下に局所麻酔薬を用いた神経ブロックにより痛みの軽減を期待できる.
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  • 梅内 貴子, 藤原 昭宏, 伊吹 京秀, 智原 栄一, 細川 豊史, 田中 義文
    10 巻 (2003) 2 号 p. 145-149
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) 術後のテネスムス症状を改善する目的でくも膜下腔に塩酸モルヒネを投与し, その有効性を検討した. TUR-Pを予定された患者44名を対象とし, 麻酔法により局所麻酔薬群とモルヒネ群の2群に分けた. 脊椎麻酔はL34またはL45の棘間から22~25G Quincke 型脊椎麻酔針で穿刺し, 局所麻酔薬群では0.24%塩酸ジブカイン2.5または3mlを投与した. モルヒネ群では塩酸モルヒネ0.1mgを塩酸ジブカイン2.5mlまたは3mlに混入, 計2.6mlまたは3.1mlをくも膜下腔に投与した. モルヒネ群は局所麻酔薬群に比べテネスムス症状の有意な改善が認められ, 体重あたりの坐剤使用量も有意に減少した. 呼吸抑制などの重篤な副作用は認められず, モルヒネを添加した腰椎麻酔は術後テネスムス症状の管理に有効な麻酔法であることが示唆された.
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  • 椋棒 由紀子, 川真田 美和子
    10 巻 (2003) 2 号 p. 150-152
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 少量アスピリン投与中の患者の血小板機能を, ソノクロットを用いて診断することを検討した. 方法: 少量アスピリン服用中の, ペインクリニック外来患者12例を対象とした. 測定項目は, 一般血液検査, 出血時間およびソノクロット波形とした. 結果: 一般血液検査および出血時間 (Duke法) は全例正常範囲内であった. ソノクロット波形上, ピーク波形が不明5例, Time to Peak 延長1例がみられた. これらの症例では血小板機能低下の可能性を考え, 星状神経節ブロックや胸腰部硬膜外ブロックを避けた. 結論: アスピリン服用中の患者における血小板機能の判定に, ソノクロットは Duke 法出血時間より有用であり, ペインクリニック外来で短時間での血小板機能の評価が可能であった.
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  • 田中 陽, 佐古 博恒, 齋藤 繁
    10 巻 (2003) 2 号 p. 153-155
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    三叉神経第1枝の帯状疱疹では, ぶどう膜炎や角膜炎を合併することがまれではない. 今回われわれは, 3例の眼疾患を合併した症例を経験した. 第1例 (透析治療中の77歳の男性) は, 皮疹出現後8日目より角膜潰瘍とぶどう膜炎が発症し, 次第に悪化した. 第2例 (55歳の女性) は, 皮疹出現後8日目より角膜浮腫とぶどう膜炎が発症した. 第3例 (68歳の男性) は, 皮疹出現後15日目より表層性角膜炎と沈着物を伴う毛様ぶどう膜炎が発症し, これらの症状は次第に悪化した. 最初の2例においては, アシクロビル眼軟膏と抗菌剤の局所投与により次第に眼症状が改善した, 第3例目は, 眼症状は軽微で増悪はしなかった. 三叉神経第1枝領域の帯状疱疹では, その治療に際して眼症状の注意深い観察が必要である.
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  • 清水 斎, 大林 俊彦
    10 巻 (2003) 2 号 p. 156-160
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    腸腰筋内血腫から一側下肢の慢性柊痛をきたした症例を経験した. 症例は, 55歳, 男性で, 僧帽弁置換手術後の心停止に対し右大腿動静脈よりPCPSを挿入し救命された. 意識回復後から左下肢の麻痺と激痛を生じ, CTで左腸腰筋内血腫を認めた. 血行動態が不安定であったことと, 人工弁に対する抗凝固療法が必要であったため, 血腫除去術は行われなかった. 疼痛に対し鎮痛薬投与と神経破壊薬を用いた腰部交感神経節ブロックを行ったが十分な鎮痛は得られなかった. 約2ヵ月後に血腫は消退したが麻痺と強い疼痛は残存した. 発症から1年半後の現在, 1日450mgの硫酸モルヒネ (MSコンチン®) の経口投与で疼痛管理を行っている.
    腸腰筋内血腫では, 出血傾向が基礎にある場合が多く, 疼痛管理に神経ブロックを用いにくいという難点がある. 鎮痛薬投与等の保存的治療でコントロール困難な疼痛が持続する場合, 血腫除去手術の適応を考慮する必要がある.
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  • 高田 正史, 福崎 誠, 寺尾 嘉彰, 金出 政人, 都 正彦
    10 巻 (2003) 2 号 p. 161-164
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    持続硬膜外ブロックに伴う硬膜外膿瘍発生の報告は多い. 今回われわれは, 基礎疾患のない患者に1回注入法での硬膜外ブロック治療経過中, 硬膜外膿瘍および椎間板炎を発症した1例を経験したので報告する. 症例は74歳, 男性. 腰部脊柱管狭窄症および根性坐骨神経痛に対し, 硬膜外ブロックで疼痛軽減が得られていたが, 5回目の施行翌日に強い背部痛が出現し, 緊急入院となった. 第1病日, 高熱, 著明な炎症所見, 背部痛増悪から, 硬膜外膿瘍を疑い, 緊急MRIを施行した結果, 硬膜外膿瘍およびL4/5の椎間板炎の所見が認められた. 第3病日, 意識混濁をきたしたため, 椎弓切除術, 硬膜外ドレナージ術が施行され, 同時に血液および硬膜外組織培養から表皮ブドウ球菌が同定された. この結果, 今回発生した硬膜外膿瘍はブロックに起因したものと診断された. 神経学的には脱力症状もなく, 一般には保存的治療が選択されるが, 本症例は腰背部痛が重度で, 菌血症を併発したことから, 観血的治療を選択した. 外来治療において, 基礎疾患のない患者への1回注入法での硬膜外ブロックの機会は多い. 同部位から硬膜外穿刺を繰り返す場合, 1回注入法でも感染発症の危険性がある.
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  • 北浦 道夫, 西本 雅彦, 佐牟田 健, 井上 一由, 檀浦 徹也, 大上 智誉, 佐藤 健治
    10 巻 (2003) 2 号 p. 165-167
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    今回われわれは硬膜外腔で硬膜外カテーテルの結節が形成 (knotting) されて抜去困難となり, 観血的に抜去した症例を経験した. 症例は23歳, 女性. 帝王切開術を, 脊椎麻酔, 腰部硬膜外麻酔を併用して行い, 術後は持続硬膜外注入にて良好な鎮痛が得られていた. 術後2日目にカテーテルを抜去しようとしたところ, 抵抗が強く抜去困難となり, 疼痛を訴えた. カテーテルのトラブルを考え経過観察を行った. 術後4日目カテーテルより造影を行い硬膜外腔に先端があることを確認した. 体位を変えて抜去を試みるも, 強い抵抗と疼痛を訴えたため, 全身麻酔下に観血的な抜去を行った. カテーテルは硬膜外腔で軟部組織を巻き込むような形で結節を形成しており, 軟部組織を除去すると抜去できた. 術後は一過性に磐部から大腿前面にかけてのしびれ感を訴えたが, 徐々に消失し退院となった. 硬膜外カテーテルの挿入に伴う合併症には, 硬膜外血腫, 膿瘍, 抜去困難や断裂などがある. 抜去困難時には無理をせず, 造影を行い, 走行状態を確かめた後, 種々の抜去法を試みるべきであるが, 神経症状がある場合や, 非観血的に抜去不可能の場合, 観血的な抜去を行うのがよいと思われる.
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  • 木村 尚平, 河西 稔, 高橋 伸二, 川瀬 守智, 波木 京子
    10 巻 (2003) 2 号 p. 168-172
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    電気けいれん療法 (ECT) には, 原法 (original ECT) と修正法 (modified ECT: m-ECT) がある. 今回は慢性腰痛の患者にm-ECTを用い著効した. 症例は, 39歳, 男性. 主訴は腰痛と両下肢痛で, 36歳の時に腰痛と両下肢のしびれに対して他院において腰部椎間板ヘルニアの手術を施行されたが改善せず, 病院を転々として当院を受診した. 持続硬膜外ブロックと全脊椎麻酔でいったん改善し退院したが, 8ヵ月後に再度強い疼痛が出現したため入院となった. 血液検査, CT, MRIのいずれにも頑固な腰痛の原因となる所見を認めなかった. また心理テストでは気分障害が疑われ, 本人の強い希望もありm-ECTを3回施行した. 1回目で疼痛は激減したが3日後に疼痛が出現した. 2回目はあまり効果がなかったが, 3回目は著効を示し, 以後12ヵ月以上経った現在まで疼痛はまったく自覚されていない.
    神経ブロック療法や薬物療法が無効であり, 明らかな器質的疾患を認めず, 心理テストで気分障害や疼痛性障害の疑いのある患者では, ECTを疼痛治療の一つとして考慮にいれるべきと考えられた.
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  • 10 巻 (2003) 2 号 p. 173-174
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
  • 10 巻 (2003) 2 号 p. 175-182
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
  • 10 巻 (2003) 2 号 p. A1-A3
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
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