ヒト下垂体腺腫に対する新しい治療法を開発する基礎実験として, pheophorbide-a(Ph-a)を用いた光化学療法の効果を培養ラット下垂体腫瘍細胞(GH3) で検討した。Ph-aの溶解はアルカリ溶解法により行い. 光源は白色光を用いた。
1)Ph-a濃度: 前処理は120分間, 光照射は15分で検討した。殺細胞効果はPh-a濃度依存性に見られ, その生存細胞率は. 100.000lux照射群では125×10
-6M54%, 2.50×10
-6M19%, 5.00×10
-6Mでは2%であった。
2)光照射強度: 殺細胞効果は光照射強度に応じて見られ. その細胞生存率はPh-a濃度5.0×10
-6Mでは50,000lux: 16%, 100,000lux: 2%であった。
3) 前処理時間: 光照射は50.000lux, 15分間で検討した。前処理時間に応じ殺細胞効果がみられ. Ph-a濃度2.5×10
-6Mでは前処理時間60分で生存細胞率は86%. 90分で71%, 120分で54%であった。
4) vitamin E の光化学効果防御作用: Ph-a濃度5.0×10
-6M, 前処理120分, 光照射50,0001uxの条件下で検討した。Ph-a+光照射では生存細胞率は18%に低下したが, Ph-a+Vitamin E (1.0μg/
ml)+光照射では. 35%と有意に上昇し, Vitamin Eによる光化学効果防御作用がみられた。
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