日本レーザー医学会誌

Letter to the editor

未承認医療機器を用いた「入れ墨除去」施術の注意喚起

橋新裕一

2015 年 35 巻 4 号 p. 402
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0030

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受賞論文

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する光線力学療法

小澤俊幸, 森本訓行, 鶴田大輔, 粟津邦男

2015 年 35 巻 4 号 p. 403-407
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0031

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各種抗生物質に対する細菌の耐性化は世界的な問題となっている．光線力学療法（Photodynamic Therapy: PDT）は，一重項酸素の細胞破壊効果により殺菌作用を起こす．PDT はその作用機序のため，耐性菌を生じる可能性が低く，新たな細菌感染治療法として注目されている．本総説では，メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）に対するPDT について，これまでの報告を紹介するとともに，我々の行っている5-アミノレブリン酸を用いたMRSA に対するPDT について報告する．

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特集「OCTの臨床診断と新しい展開」

「OCTの臨床診断と新しい展開」の特集によせて

近江雅人

2015 年 35 巻 4 号 p. 408
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0032

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眼科診断機器としてのOCTの進展

森口祥聖, 秋葉正博

2015 年 35 巻 4 号 p. 409-415
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0033

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光干渉断層計（OCT）は眼底の断層画像を非侵襲的かつ高解像度で撮影できることから，眼科臨床診断において必要不可欠な機器となっている．眼底の断層画像に領域抽出アルゴリスムを適用することで網膜内層構造の境界が自動的に抽出でき，緑内障などの臨床診断に役立っている．本稿では，現在の眼科診断におけるOCT の有用性を概説し，臨床現場から要求を受けている高速化，広範囲化，高機能化，簡易化について，近年の研究成果例を紹介する．

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OCTの歯科補綴学分野への応用

峯篤史, 南野卓也, 松本真理子, 矢谷博文

2015 年 35 巻 4 号 p. 416-423
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0034

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補綴歯科治療は，歯質や歯の欠損を人工材料で再建する処置が主になる．今回MEDLINE および医学中央雑誌から論文を抽出し，歯科補綴学に関するOCT研究の現状を確認したところ，インプラント・クラウン・義歯・支台築造・光学印象に関する報告があった．また，支台築造処置を行った歯のOCTを用いた非破壊的観察像をもとに，OCTを用いた歯科硬組織観察の可能性と限界を考察した．そしてOCT開発の一助となることを願い，OCTの歯科補綴学分野への応用を思案した．

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光コヒーレンストモグラフィーの脳組織活性モニターへの応用研究

佐藤学, 西舘泉

2015 年 35 巻 4 号 p. 424-431
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0035

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脳組織活性モニターへのOCT応用の研究を述べた．ラット脳を用いた実験より，過剰麻酔後，心停止前にOCT信号が増大すること，周期的温度負荷があるレベルを超えると過剰麻酔無しでも心停止前にOCT信号の増大があること，組織温度とOCT信号は負の相関関係があること，活性の指標となる脳波のスペクトラルエントロピーが減少するとOCT信号は増大することがわかった．以上より脳組織活性モニターへのOCT応用の可能性が示された．

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スーパーコンティニューム光を用いた超高分解能OCT

西澤　典彦

2015 年 35 巻 4 号 p. 432-437
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0036

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高輝度で広帯域な光が光ファイバから出力されるスーパーコンティニュー光源を用いると，高感度に高精細な断層イメージングが可能な超高分解能OCTを実現できる．我々は，波長0.8 〜1.7um の間の5波長でスーパーコンティニューム光の生成とそれを用いた超高分解能OCT，そして各種サンプルのイメージングを行っている．本稿では，超高分解能OCTの研究の進展について，我々の研究成果を中心に概説する．

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OCTの皮膚生理学分野への応用

近江雅人

2015 年 35 巻 4 号 p. 438-443
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0037

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生体表皮下の汗腺および末梢血管系は，皮膚交感神経に支配される代表的な微小器官であり，体温調節や末梢組織への栄養・維持するなどの重要な生理機能を有する．これら汗腺の発汗活動と末梢血管系の動態は交感神経活動の興奮度を反映する．本論文では，光コヒーレンストモグラフィ（OCT）を用いて，外部刺激に対するエクリン汗腺の動態解析，ならびにヒト指小動脈の実時間イメージングによる動態機能の解析を行った．

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特集「超高齢社会におけるレーザー治療の意義」

「超高齢社会におけるレーザー治療の意義」の特集によせて

奴田原紀久雄

2015 年 35 巻 4 号 p. 444
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0038

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高齢者の前立腺肥大症に対する外科的治療法：PVP と HoLEP

関成人

2015 年 35 巻 4 号 p. 445-450
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0039

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前立腺肥大症に対する手術治療として，波長532 nm のLBO レーザーを用いる光選択的レーザー前立腺蒸散術（PVP）ならびにHo:YAG レーザー（波長2140 nm）による前立腺核出術（HoLEP）は，いずれも標準術式である経尿道的前立腺切除術（TURP）と同等の治療効果を示す一方で，周術期の出血リスクの軽減や術後のカテーテル留置や入院期間の短縮が期待できる有用な方法として我国において普及が進んでいる．

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高齢者におけるレーザーを用いた抗加齢美容医療

尾崎峰, 佐藤卓士, 江藤ひとみ

2015 年 35 巻 4 号 p. 451-455
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0040

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高齢化社会になるにつれて，アンチエイジングという概念は高齢者のこれからの生き方に対する気概の表れのひとつと考えることができる．少しでも若い自分を取り戻したいという欲望は，決して否定的な意味はなく，むしろ社会全体の勢いを助長するものであり，非常に有益なものと考えている．高齢者における抗加齢美容医療の中心疾患はシミや皺であり，本稿ではレーザーを用いたこれらの疾患の治療について述べる．

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高齢者・寝たきり患者の腎・尿管結石に対する内視鏡的結石破砕術

高沢亮治, 北山沙知, 辻井俊彦

2015 年 35 巻 4 号 p. 456-461
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0041

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最近，日本では高齢者の上部尿路結石症が問題となっている．高齢者では，女性患者，尿路感染の合併患者，心血管系および麻酔リスクの高い患者が増える．高齢者においても，ホルミウム・ヤグレーザーを用いた内視鏡的結石破砕術は有効かつ安全な治療である．また，寝たきり患者の多発性・感染性尿路結石に対しては，適切なドレナージで感染徴候を抑えたのち，内視鏡的結石破砕術を駆使して，「結石の完全除去complete stone free」をめざすべきである．

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高齢化社会における眼科領域でのレーザー治療

門屋講司

2015 年 35 巻 4 号 p. 462-467
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0042

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高齢者のレーザー治療は，侵襲が少なく，短時間で，患者への負担も少なく，認知症などの精神疾患や重篤な全身疾患でもない限り，特別な配慮は必要なく，安全に行うことができる治療法である．①高齢者の眼の特徴，②眼科領域で使用されるレーザーの種類およびレーザー治療の適応疾患，③高齢者がレーザー治療の対象となることが多い眼疾患である，後発白内障，閉塞隅角緑内障，加齢黄斑変性そして網膜中心静脈閉塞症について現況を述べた．

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高齢者に対する消化器領域の光線力学療法

金子剛, 松井裕史, 下川治, 間宮孝, 溝上裕士, 兵頭一之介

2015 年 35 巻 4 号 p. 468-474
発行日: 2015/01/15
公開日: 2016/05/19

DOIhttps://doi.org/10.2530/jslsm.jslsm-35_0043

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光線力学療法（Photodynamic Diagnosis & Therapy：PDD/ PDT）は，癌親和性のある光感受性物質とその吸収波長に適合したレーザーを用いた診断・治療法の一つである．癌特異的に集積する光感受性物質にレーザー照射をすることで活性酸素種を発生させ，癌部位選択性壊死を惹起する．本邦では1994 年にヘマトポルフィリン誘導体を用いた食道癌，胃癌，肺癌，子宮癌に対するPDTが保険収載されたが，①レーザー発振器が高額で医療費がかさむこと，②光毒性を防ぐため 2 週間程度暗室に入院するなど患者の負担が多く，③また光感受性物質の癌特異的集積機序が未確定であり治療に対する信用性が低いために普及が阻まれた．しかしながら高齢化社会を迎え，心疾患，脳血管障害といった動脈硬化性疾患によって抗凝固・抗血小板薬などの予防薬を内服している等，高侵襲の治療が難しい患者群に対する治療が求められる時代に突入した．手術困難例に対し，QOLを担保した治療法という側面を持つPDTは高齢化社会の需要に合致した治療であると考えられる．本稿ではそうした高齢者にとって安全で有効な治療法であるPDTを紹介する．

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