消化管病変に対する内視鏡下Nd: YAGレーザー治療に用いるために, 新しいタイプの凝固子を開発した。この凝固子はアルミニウム合金製で円筒形をしている。この凝固子のNd: YAGレーザー透過率は, 凝固子の冷却および組織・粘液・血液の付着防止のために蒸留水 (2.0ml/min) を用いた場合には83%, CO
2(400ml/min) を用いた場合には95%であった。臨床応用した際には20W~30Wの出力のレーザー照射で治療効果が認められた。この凝固子では蒸留水が常に先端から流出するので凝固組織の付着が起こりにくい。また, レーザー光線は, 計算上この凝固子を照射することはないので破損は起こらない。それ故, 安全性に優れている。
この凝固子を用いて, 胃異型上皮6例6病変, 胃癌12例12病変に対して内視鏡下Nd: YAGレーザー治療を行い良好で安全な結果を得た。
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