近畿地区6施設協同で内視鏡的早期肺門部肺癌 (25例 28病巣), 早期胃癌 (18例 18病巣), 食道表在癌 (5例 5病巣) を対象に, Photofrin II (2mg/kg) を併用した光線力学的治療を行った。エキシマ色素レーザーを用い, 照射は肺癌に対してエネルギー密度100J/cm
2以上, 胃癌および食道癌に対しては60J/cm
2以上を原則とした。最終腫瘍効果 (完全寛解率)は, 早期肺癌81.5%(22/27), 早期胃癌88.9%(16/18), 食道表在癌 100%(5/5) であった。根治的効果は, 腫瘍長径, 深達度, 肉眼所見など癌浸潤と関連があった。照射野外に再発が6.0%(3/50) にみられた。副作用 (WHO grade 2以上) は, 一過性の皮膚炎 (2.1%), 日焼け (2.1%), 閉塞性肺炎による症状 (4.3%) および胃潰瘍の痛み(2.1%) がみられたが, 容易に制御可能であった。なお, grade 1の肝, 賢機能異常がみられたが, 一過性でかつ可逆性であった。
PDTは内視鏡的に可視可能な早期癌に対し, その大きさによる制限はあるが, 根治的効果をもつ治療法である。
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