日本レーザー医学会誌
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19 巻, 2 号
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  • BCL1B-20細胞のフローサイトメトリーによる解析
    梅林 志浩, 宮本 裕一, 西坂 剛
    1998 年 19 巻 2 号 p. 77-86
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    連続波およびパルス波レーザー光励起PDTの殺細胞効果を比較するため, BALB/cマウス由来リンパ種であるBCL1-B20細胞に光増感剤として2, 4-bis (1-decyloxyethyl)-Ga (III)-1, 3, 5, 8, -tetramethylporphyrin-6, 7-dipropionyl digspartic acid (ATX-70) を接触させ, レーザー照射後の細胞のDNA含量をフローサイトメーターにより測定した.
    ATX-70を10μg/mlで細胞に接触させた場合, コントロール, 連続波レーザー照射群 (連続波群) ではアポトーシス細胞が検出され, パルス波レーザー照射群 (パルス波群) ではほとんど検出されなかった. 接触濃度を1μg/mlまで下げると, コントロール, 連続波群のアポトーシス誘導率は低下し, 逆にパルス波群ではアポトーシス細胞数が急激に増加した. また, ATX-70を1μg/ml接触させ, PDTを行った細胞からDNAを抽出し, アクリルアミドゲルにより電気泳動を行った結果, パルス波群にはアポトーシスを示すヌクレオソーム単位でのDNA切断の増加が見られた.
    これらの結果はPDTにおけるアポトーシスの誘発および中断は、接触させる光増感剤濃度に依存するというこれまでの報告と一致した. また, PDTの励起光源としてパルス波レーザーを用いれば, 同量の照射量およびパワー密度の連続波レーザーを用いるよりも, より少ない光増感剤接触量で高い殺細胞効果が得られることが判明した.
  • 石井 準之助, 藤田 邦夫, 藤盛 真澄, 飯塚 譲二, 島田 桂吉
    1998 年 19 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    口腔外科の外来患者140例 (1988~1997) に対してNd-YAGレーザーを用いて治療を行い, 臨床評価を行った. 症例は白板症44例, 血管腫23例, 線維腫12例, 乳頭腫12例, 口腔扁平苔癬12例, 悪性腫瘍5例およびその他で, これらの治療は高出力にて行った.
    本研究の目的は, 口腔外科領域の疾患に対するNd-YAGレーザー治療の臨床的有用性を評価することである.
    Nd-YAGレーザー治療は, 線維腫, 乳頭腫, 肉芽腫および腫瘍の直径が30mm以下の血管腫などの良性腫瘍においては再発もなく経過良好であった. しかし, 直径が30mmを越える比較的大きな血管腫や口唇部にみられたものでは腫瘍が残存するものがあった.
    口腔白板症では, ある一定の期間においては経過良好であった, しかし, 44例中17例 (38.6%) に再発が認められた. また, 舌白板症のなかには悪性転化した症例も認められた. 舌白板症は悪性転化の頻度が他の部位のものと比べると高いようであるので, 十分な経過観察が必要であることが示唆された. そのため, 必ず外科手術の前に生検術を施行する必要がある.
    口腔扁平苔癬は, 16例中12例 (75%) に再発が認められた. これは, 本疾患に対するNd-YAGレーザーでの治療が適応されない可能性のあることが示唆された. それらを明らかにするためには, 他の種類のレーザー治療や他の治療法での結果と比較する必要がある.
  • 鈴木 博昭, 増田 勝紀, 神津 照雄, 菱川 悦男, 磯野 可一
    1998 年 19 巻 2 号 p. 93-100
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    高出力半導体レーザー手術装置が、1996年米国AOC社によって開発された. 本装置は, 波長980nm, 最大出力60Wのレーザー光を発振し, 小型, 軽量などの特徴を有している上に, フレキシブルな光ファイバーによる導光が可能である. 今回は, 本装置を生体組織に用い, その止血, 切開, 凝固及び蒸散作用などについて, その有効性と安全性を確認するため, 2施設において臨床治験を実施した. 64例を対象に内視鏡的レーザー治療及び外科レーザー手術を行った結果, 全例に優れた治療効果が確認された. また本治験に伴う副作用は全く認められず, 本レーザー手術装置が, 内視鏡下および開腹下の治療や手術に有効かつ安全な医療用具であることを確認した.
  • 1998 年 19 巻 2 号 p. 101-114
    発行日: 1998年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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