日本レーザー医学会誌
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16 巻, 2 号
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  • 井上 雅博, 坂東 行洋, 相川 洋介
    1995 年 16 巻 2 号 p. 3-8
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    単純性血管腫の治療には従来アルゴンレーザーが用いられたが, 十分な変化が得られずまた瘢痕化が多くの症例で認められた。これらの欠点を克服する可能性より近年色素レーザーが注目されている。
    我々は単純性血管腫25例, 毛細血管拡張症5例に対して日本レーザーシステム社製のKDL-102型色素レーザー治療装置を用いて治療を行った。照射部位は顔面16例, 頚部4例, 躯幹2例, 上肢4例, 下肢4例であり, 照射後は1週, 2週, 1ヵ月, 2ヵ月, 3ヵ月で照射部位の変化及び副作用の有無を観察した。評価は3ヵ月後に行い, 色調の消褪効果は「極めて有効」5例,「有効」18例,「不変」5例であった。副作用に関しては色素沈着1例, 瘢痕化が1例認められいずれも軽度で照射部位は下肢であった。
    本装置は安定した照射出力が得られ単純性血管腫を主とする皮膚血管性病変の治療に有効であると考えられた。
  • 西山 俊夫, 富井 信之, 佐藤 雅人, 高居 欣治, 小口 理, 長谷川 明, 斉藤 公英, 岡田 知子, 川嵜 建治
    1995 年 16 巻 2 号 p. 9-18
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    口腔領域への応用を目的として, 小型, 軽量, 操作の容易性を考慮した, 最大出力3Wの高出力半導体レーザー装置を長田電機工業株式会社と共同で開発した。この石英ファイバー導光方式の装置から出射されるレーザー光を用い, 口腔軟組織疾患に対し, 止血, 切開, 凝固および蒸散を行い, その効果の有用性を確認するための治験を実施し, 臨床的評価を行った。65例を対象に治療を行った結果, 電気メスと比較して, 満足すべき治療効果が全例で確認された。また, この治験に伴う副作用は認められず, 有効かっ安全なレーザー装置であることも確認された。
  • 黒川 公平, 鈴木 孝憲, 鈴木 和浩, 松本 和久, 橋本 勝善, 小野 芳啓, 久保田 裕, 斉藤 佳隆, 山中 英寿
    1995 年 16 巻 2 号 p. 19-24
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    20例の前立腺肥大症を対象に経尿道バルーンレーザー高温度治療 (TUBAL-T) を行った。治療条件は, 原則として腰椎麻酔, Nd: YAG laser出力は30-40ワットで, 温度設定は尿道粘膜温度40℃以下, 直腸粘膜温度42℃以下であった。治療時聞は直腸粘膜温度が40℃に達してから40分間であった。対象の平均年齢は66.3歳で, 前立腺体積は平均31.3cc, I-PSS (international prostatic symptom score) は平均16.9ポイント, QOLは平均3.9ポイントであった。観察期間は3カ月であった。検討項目は, 組織内温度, 前立腺体積, 前立腺特異抗原 (PSA), LPSSおよび副作用であった。組織内温度は, 熱電対をエコー下に経会陰的に前立腺に挿入し測定した。
    約5mmの深さの組織内温度は, 40ワットによる治療では, 治療中45-50℃に保たれた。PSAは前値平均3.7ng/mlで治療1日後に平均74.0ng/mlと有意に上昇したが4週後には平均4.7ng/mlとなった。前立腺体積は治療1週後に平均42.0ccと有意に増加し, 12週後に平均33.6ccとなった。I-PSSは4週後に平均12.5ポイントと有意に減少し, 12週後に平均9.3ポイントと更に有意に低下した。QOLは4週後に平均2.8ポイントと有意に低下し,12週後は平均2.5ポイントと更に有意に低下した。副作用は一過性の尿閉3例およびプローブ挿入に伴う血尿2例であった。
    TUBAL-Tは, 安全な治療であり, 自覚症状の改善をもたらすことが示唆された。
  • 1995 年 16 巻 2 号 p. 33-36
    発行日: 1995年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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