日本レーザー医学会誌
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18 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 白木 邦彦, 高峯 行男, 河野 剛也, 森脇 光康, 三木 徳彦
    1997 年 18 巻 3 号 p. 1-10
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    走査型レーザー検眼鏡の特徴を生かして,(1) 眼底の脈絡膜母斑に対して単色光観察,(2) 中心性漿液性網脈絡膜症の脈絡膜循環遅延に関してインドシアニングリーン蛍光眼底造影像でのデジタル画像解析.(3) microperimetryを使用して眼底ドルーゼンでの網膜感度測定を行った。脈絡膜母斑は, 近赤外光であるダイオードレーザーを光源とした場合暗視野方式の観察により明瞭に観察しえた。中心性漿液性網脈絡膜症での循環遅延部の蛍光輝度は, 周囲の健常な部位に比して明らかな色素流入の遅れが確認された。眼底のドルーゼン部では網膜感度の低下がみられた。走査型レーザー検眼鏡は種々の機能を有し, 眼底病変の形態変化, 眼底循環の異常, さらには視機能異常の検出など眼底疾患の病態把握とそれに続く治療に今後ますます寄与するものと思われた。
  • 富田 剛司, 内田 英哉, 安藤 宏
    1997 年 18 巻 3 号 p. 11-16
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    走査レーザー検眼鏡においては, 共焦点孔を用いることにより眼底の焦点面からのみの画像を詳細に観察することができるため焦点面を移動させることにより眼底を層別に観察することが可能である。Scanning laser tomography装置は基本的には共焦点レーザー走査眼底観察装置であり, コンピューター制御により共焦点画像, すなわち断層画像を取得し, それらを三次元的に再構築することにより眼底の立体的観察と計測を行う。本法の利点は, 視神経乳頭の立体的観察, 網膜神経線維層の観察, そして三次元的計測が1つの装置で散瞳することなく行えることである。黄斑部疾患の評価にも有用であり, 解析スピードも早いことから日常臨床に十分取り入れていくことが可能と思われる。
  • 玉置 泰裕
    1997 年 18 巻 3 号 p. 17-21
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    レーザースペックル現象を利用した眼底末梢循環の生体用二次元解析機を開発し, 測定の定量性について検討した。本装置は眼底のレーザー照射野内に生じたスペックルパターンをエリアセンサーに結像し, 各画素におけるスペックルパターンのぶれを表す値 (normalized blur; 以下NB値) を血流速度の指標として, それを二次元カラーマップ表示する。脈絡膜, 視神経乳頭末梢循環測定には波長808nmの半導体レーザーを, 網膜末梢循環測定には波長488nmのアルゴンレーザーをそれぞれ用いた。家兎眼圧を変化させ, 脈絡膜および網膜のNB値と, microsphere法による脈絡膜および網膜の組織血流量を測定したところ, 両者はそれぞれ有意な相関を示した。血流速度の指標として用いたNB値は, 脈絡膜および網膜の組織血流量の定量的指標ともなりうることが示された。
  • 木下 茂, 伊藤 光登志
    1997 年 18 巻 3 号 p. 23-29
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    眼科領域で屈折矯正手術に用いられるエキシマレーザー, Nd: YAGレーザー, ピコセカンドNd: YLFレーザー, ホルミウムYAGレーザー, エルビウムYAGレーザーにつき, 角膜組織に対する反応様式の違いや, これまでの実験ないし臨床試験の経過等について述べた。すでに実用段階に達しているのはエキシマレーザーのみであるが, これ以外のレーザーのなかにも将来性の高いものがあると考えられた。
  • 森 圭介, 米谷 新
    1997 年 18 巻 3 号 p. 31-36
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    加齢性黄斑変性における脈絡膜新生血管は失明の主要病因である。現在脈絡膜細生血管に対して認められている唯一の治療法は熱作用によるレーザー光凝固であるが, 網膜全層の瞳害により治療による視力低下を引き起こしてしまう。一方, 光化学療法は光感受性物質の集積した組織のみを選択的に障害しうる治療法である。第二世代光感受性物質の一つであるmono-l-aspertyl chlorin e6 (NPe6) は、皮膚過敏性は低く, 長波長域にその最大吸光波長を有し, 水溶性で組織代謝が速く, 光感受能が高いなどの優れた特性を持つ。我々はNPe6の眼科臨床への応用のため, その最大吸光波長を発振するダイオードレーザーとそのデリバリーシステムを開発した。加えて, 実験的脈絡膜新生血管にNPe6を用いた光化学療法を施行し, 脈絡膜新生血管の選択的閉塞を得ることに成功した。このことから, NPe6を用いた光化学療法は安全にかつ有効に加齢性黄斑変性を治療しうる可能性が示唆された。
  • 山本 哲也
    1997 年 18 巻 3 号 p. 37-41
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    緑内障治療を目的として最近開発された二つのレーザー治療を概説した。選択的線維柱帯細胞破壊の原理に基づく半波長Nd-YAGレーザーによる隅角レーザー治療はselective laser trabeculoplastyと呼ばれている。本術式のパイロットスタディの成績は眼圧下降成績, 合併症の点でほぼ満足できるものであった。また, レーザー内視鏡毛様体手術は直視下に毛様体を破壊し, 房水産生低下により眼圧を下降させる治療であり, 硝子体手術や白内障手術との同時手術に適している。こうした新しい術式により緑内障治療の幅がさらに広がる可能性がある。
  • 伊関 洋, 南部 恭二郎, 佐久間 一郎, 土肥 健純, 安達 滝介, 高倉 公朋
    1997 年 18 巻 3 号 p. 43-48
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    外科治療の歴史は, 戦争の武器・戦術・戦略の発達と似ている。メス・ハサミなどの道具の改良にはじまり, 今ではコンピュータを使った迅速な医療情報処理と可視化技術にもとついて手術戦略を構築する時代を迎え, 低侵襲手術手技によるいわば「ピンポイント攻撃」の重要性が高まっている。新しい手術装置や手技の研究もここ数年著しい進歩を遂げ, 特に内視鏡を使用した手術システムが広く研究されている。コンピュータ外科においては, レーザーは治療手段として手術戦略システムや術中イメージングと組み合わせられ, 「ピンホイント攻撃」の主要な手段となる。
  • 1997 年 18 巻 3 号 p. 49-51
    発行日: 1997年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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