日本小児循環器学会雑誌
検索
OR
閲覧
検索
30 巻 , 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
巻頭言
Reviews
  • 馬場 礼三
    30 巻 (2014) 4 号 p. 376-382
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing:CPET)は運動負荷中の呼吸,代謝などの反応を測定する検査である.CPETで得られる測定値のうち,最も重要なのは最大酸素摂取量(VO2max)である.これは心臓のポンプ機能,呼吸機能,骨格筋の機能などの総合的な予備能の指標である.嫌気性代謝閾値(AT)は骨格筋虚血による乳酸産生が生じる最低運動強度として定義づけられるが「きつすぎず,弱すぎない適度な運動強度」を代表しているために臨床で頻用されている.漸増運動中の換気量と二酸化炭素呼出量の直線関係の傾き(VE/VCO2 slope)は心不全患者の予後判定因子として重要である.また,漸増運動中の酸素摂取量(VO2)と分時換気量(VE)の対数曲線関係の傾き(酸素摂取効率勾配:OUES)はVO2maxとの間に強い相関を示し,亜最大負荷でも正確に算出できる.これは先天性心疾患を含むさまざまな心疾患患者の予後判定因子であり,現在さまざまなガイドラインや数多くの教科書に独立した項目として取り上げられている.
    抄録全体を表示
  • 泉田 直己
    30 巻 (2014) 4 号 p. 382-391
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    失神は,「一過性の意識消失の結果,姿勢が保持できなくなり,かつ自然に完全な意識の回復がみられること」と定義される.失神は,成因により反射性失神,起立性低血圧,心原性に分類される.心原性失神は非心原性失神に比し予後が悪い.反射性失神や起立性低血圧の診断では発症時の状態やその前後の経過を詳細に把握することが重要である.チルト試験は診断に有用である.心原性失神では,失神発作は,主要な危険因子であることが多く,基礎にある不整脈や器質的心疾患の診断と重症度を正確に判定し,それぞれの疾患・病勢に応じた対処を行うことが必要である.一過性の意識消失例では,失神と意識消失を来す他の疾患との鑑別を行う.発症時の状況,血圧,脈拍,心電図,胸部X線などの基本検査に加え,必要に応じで心エコー図,CT,MRIなどを行う.小児では,起立性調節障害との鑑別も大切である.
    抄録全体を表示
  • 近藤 千里
    30 巻 (2014) 4 号 p. 392-402
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    心臓核医学検査は,心臓を構築する心筋の生理・生化学的側面,すなわち組織血流,生存性,代謝,収縮機能,神経機能などを主な評価内容として成人に広く用いられている.小児においては,同様の内容について種々の先天性ならびに後天性冠動脈疾患,心筋症,心筋障害,開心術後などを対象とするが,施行,解釈するにあたっては,小児の特殊性に対応した方法の工夫,画像所見の特性を認識することが重要である.同時に放射線被曝の低減にも考慮する必要がある.これらに配慮した良好な品質管理のもとで検査が行われれば,小児循環器分野においても成人と同様の有用性が期待できる.
    抄録全体を表示
  • 福嶌 教偉
    30 巻 (2014) 4 号 p. 403-414
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    心臓移植は,すでに欧米では末期的心および呼吸不全患者の外科的治療として定着し,外科的治療として確立しつつある.1997年に施行された臓器移植法は,6歳未満の脳死判定基準がないこと,15歳以下の臓器提供の意思が認められないことから,小児は心臓移植を受けるチャンスは極めて低く,多くの小児が海外で心臓移植を受けていた.このような現状を打開するために,改正臓器移植法が2010年7月17日に施行され,脳死臓器提供者の年齢制限がなくなった.その結果,2013年末までに6名の児童(6歳未満1名,10〜16歳3名,15〜17歳2名)の脳死臓器提供があり,6名の児童が国内で心臓移植を受けることができたが,身体の小さな小児や,拘束型心筋症など医学的緊急度2の状態で,心臓移植を受ける必要のある小児は,いまだに海外に一縷の望みをかけて渡航しているのが現状である.
    ここでは,わが国の小児心臓移植の現状を紹介するとともに,小児心臓移植の適応,移植後の管理について概説する.
    抄録全体を表示
  • 中川 雅生
    30 巻 (2014) 4 号 p. 415-423
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    薬物療法を適正に行うには,臨床試験で得られる薬物動態,有効性や安全性,用法・用量に関するエビデンスが不可欠である.医師が臨床研究を科学的,倫理的に適切に実施することは,医療の面から極めて重要であり,各領域の専門医にはその知識が求められる.臨床研究により得られる情報が科学的に信頼できるものであることはいうまでもないが,臨床研究に参加される被験者に対する安全性の確保と倫理的な配慮は同様に不可欠であり,そのための規則を遵守し,適切に実施されなければならない.また,研究者である医師と被験者である患者の関係を考えると,第三者の立場から臨床研究実施について公正かつ中立に評価する第三者的委員会の存在も極めて重要である.
    臨床研究に携わる医師は,単にエビデンスの収集を目的とするだけでなく,臨床研究に関する規則や体制についての知識を習得し,社会的に評価される研究を行う姿勢が必要である.
    抄録全体を表示
原著
  • 小島 拓朗, 小林 俊樹, 白石 昌久, 葭葉 茂樹
    30 巻 (2014) 4 号 p. 424-428
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    背景:先天性心疾患術後の肺動脈狭窄に対するバルーン拡大術 balloon dilatation (BD)は,術後肺循環の改善を目指すうえで重要な治療戦略である.最近では,従来よりもカテーテルの追従性が良いnoncompliant balloons(NBs)が開発され,その使用が広まってきている.
    目的:術後肺動脈狭窄に対するNBの有効性を,semi-compliant balloons(SBs)と比較し検証する.方法:2007年4月から2013年4月の間に当院でBDを行った術後肺動脈狭窄136症例154病変を対象に,後方視的に検討した.
    結果:術後肺動脈狭窄に対するBDの内訳は,SB群70症例78病変,NB群66症例76病変であった.BD後のwaist解除率は,SB群で45%に対しNB群では80%(p < 0.001)と,NB群で有意にwaistを解除し得た.一方,使用されたバルーンサイズの最狭窄部径に対する比率では,SB群で259 ± 6.6%に対しNB群では214.9 ± 6.1%(p < 0.001)と,NB群においてより小さなバルーンサイズ比率で有効な拡大が得られていた.
    結論:NBは,SBよりも小さなバルーンサイズ比率でより確実に狭窄を解除し得る.
    抄録全体を表示
  • 富田 英, 山岸 正明, 市田 蕗子, 坂本 喜三郎, 泉田 直己, 檜垣 高史, 土井 庄三郎, 安河 内聰, 岩本 眞理, 鮎沢 衛
    30 巻 (2014) 4 号 p. 431-435
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    背景:日本小児循環器学会専門医制度委員会では2012年から前年における修練施設・施設群の年次報告を収集している.
    対象と方法:2011年と2012年における施設状況・診療実績を2012年と2013年に収集した年次報告から解析した.
    結果:(1)回答率:2011年には44修練施設,38施設群(97群内修練施設)に対して年次報告の提出を要請し,42施設(95.5%),35施設群(92.1%),81群内施設(83.5%)から回答を得た.2012年には同様に46/47施設(97.8%),34/38施設群(89.4%),85/94群内施設(90.4%)であった.(2)施設状況:専門医数は修練施設,施設群,群内修練施設別の中央値で,2011年,2012年ともに3,5,2であった.同様に修練医数は,2011年は3,4,2,2012年は4,4,2であった.(3)臨床実績:小児循環器疾患の入院数は修練施設,施設群,群内修練施設別の中央値で,2011年が242,252,85,2012年が270,233,94であった.同様に心臓カテーテル件数は2011年が127,102,31,2012年が146,105,22であった.一方,入院数では修練施設で100例未満,群内修練施設で50例未満が2011年/2012年それぞれ4(9.5%)/4(8.7%),9(11.1%)/14(16.5%),心臓カテーテル件数50例未満は修練施設2(4.8%)/2(4.3%),修練施設群5(14.3%)/3(8.8%)であった.
    考察と結論:修練施設・施設群では修練医の数に見合う専門医が配置されている一方,修練施設,施設群とも付則で定められた基準を継続して満たすことが困難な施設があり,修練体制のあり方については見直しが必要な時期に来ているものと考えられた.
    抄録全体を表示
  • 羽森 貫, 根本 慎太郎, 佐々木 智康, 勝間田 敬弘, 岸 勘太, 奥村 謙一, 尾崎 智康, 片山 博視
    30 巻 (2014) 4 号 p. 438-447
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    肺高血圧症の病態の本質は肺動脈リモデリングである.しかし,肺高血圧症におけるaldosterone系のリモデリングへの関与は明らかでない.本研究ではmonocrotaline誘発肺高血圧ラットを用い,肺動脈リモデリングにおけるaldosterone系の関与を検討した.加えてmonocrotaline投与の翌日からの選択的mineralocorticoid receptor拮抗薬(eplerenone)による治療介入を行い,病態形成への有効性を比較・評価した.正常コントロールに比し,無治療肺高血圧群で生じた右心室圧の著しい上昇と右心室機能障害はeplerenone投与群では有意に抑制された.組織学的には無治療群で顕著であった肺小動脈での中膜肥厚と筋性化はeplerenone投与群で有意に抑制された.無治療群の肺組織で上昇したmineralocorticoid receptor,angiotensin-1a receptor,transforming growth factor-β1の各mRNAの発現はeplerenone投与群では有意に抑制された.以上よりmonocrotaline誘発肺高血圧ラットの肺動脈リモデリング過程おいて,aldosterone系の関与が強く示唆された.加えてeplerenone投与がこのリモデリングを抑制する有効な治療としての可能性も示唆された.
    抄録全体を表示
  • 辻井 信之, 黒嵜 健一, 神崎 歩, 山本 哲也, 水野 将徳, 塚田 正範, 帆足 孝也, 鍵崎 康治, 市川 肇, 白石 公
    30 巻 (2014) 4 号 p. 448-455
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    目的:新生児期の主要大動脈肺動脈側副血行路(MAPCA)評価におけるDual Source Computed Tomography(DSCT)の有用性と安全性について検討した.
    方法:対象は新生児期にDSCTを撮影したMAPCA合併心疾患6例.統合化手術(UF)前の心臓カテーテル検査またはDSCTとMAPCA描出本数を比較した.また心臓カテーテル検査を施行したMAPCA合併乳児10例で放射線吸収線量を検討した.
    結果:撮影日齢は中央値8.5(5〜15),撮影時間は中央値2.7秒(範囲0.4〜4.7秒),推定実効線量は2.1 mSv(0.6〜6.2 mSv).新生児期DSCTによるMAPCA描出は21/23本(91%).全例でMAPCAおよび気管・気管支の三次元構造の把握が容易で,合併症は認めなかった.MAPCA合併乳児の心臓カテーテル検査は生後3ヵ月未満で吸収線量が多かったが,対象の初回心臓カテーテル検査は月齢7.1(6.9〜9.2)でUF術前まで心臓カテーテル検査を回避できた.
    結語:新生児期DSCTによるMAPCA評価は,低被ばく線量で安全に施行可能で,有用な画像情報が得られる.
    抄録全体を表示
  • 中川 直美, 鎌田 政博, 石口 由希子
    30 巻 (2014) 4 号 p. 456-464
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    背景:ACHD患者では定期受診を怠ることで病状が悪化し,高度な管理が必要となる可能性がある.
    目的:ドロップアウト(DO)を経験したACHD患者の問題点と対策について検討すること.
    対象と方法:ACHD患者56例61回のDO.A群:DO後,再診した27回/26例,B群:DO後受診がない34回/34例に分類.診断,手術歴,DO時年齢,NYHA分類,DOの理由,再診理由,再診時の病歴紹介の有無,再診後の治療,転帰を調査,分析した.
    結果:A群:DO年齢15歳以下3例,16〜19歳12例,成人期12例.DOの理由:小児期は診断/治療不能,思春期は自覚症状なし,治療拒否,成人期は自覚症状なし,治療拒否,転居が多かった.再診理由は自覚症状が多く,他の理由での受診例より状態が悪かった.再診時に18例(67%)で病歴把握が困難だった.再診の全例で治療介入を必要とし死亡1例を除きNYHA分類は維持/改善した.B群:NYHA class I 28例と大多数が軽症例であったがclass II 6例中4例にDOの既往あり.郵送連絡したうち5例(15%)のみが受診した.
    結語:ACHD診療においてDOは非常に大きな問題であり,われわれ循環器小児科医は,移行期,移行後のDOを防ぐべく,小児期からの十分な説明,教育を施しておくことが重要である.
    抄録全体を表示
  • 中本 祐樹, 西村 智美, 吉敷 香菜子, 稲毛 章郎, 上田 知実, 嘉川 忠博, 朴 仁三, 村上 保夫, 和田 直樹, 安藤 誠, 高 ...
    30 巻 (2014) 4 号 p. 465-473
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    目的:修正大血管転位症(ccTGA)に対する術式別の遠隔成績と問題点を調査し,最適な治療戦略を検討すること.
    対象と方法:1977〜2013年に当院で診療を行ったccTGAに対する根治手術後患者71例(機能的修復手術 45例,解剖学的修復手術 14例,Fontan型手術 12例)を対象とし,診療録より後方視的に検討した.
    結果:死亡は7例で,機能的修復手術後の遠隔期死亡6例(うち5例でTVR施行),解剖学的修復手術後の急性期死亡1例であった.術後生存率や再手術率は各治療群間で有意差はなかったが,機能的修復手術群ではTVRを要した症例で術後生存率が低い傾向が認められた(20年生存率TVR有 58.6% vs TVR無 96.3%).解剖学的修復手術群ではJatene型DSは耐術すれば再手術もPMIもなく最も予後良好であったが,Rastelli型DSは再手術やPMIが高率に必要であった.Fontan型手術群は全例が生存していたが術後遠隔期合併症(PLE,肝腫瘍)を認めた.
    結論:ccTGAでは合併心奇形の有無や特徴によりリスクを層別化して個々の病態に応じた治療戦略を立てていくことが重要である.
    抄録全体を表示
  • 倉岡 彩子, 瀧聞 浄宏, 安河 内聰, 田澤 星一, 森 啓充, 赤沢 陽平, 小田 中豊, 蜂谷 明, 大軒 健彦
    30 巻 (2014) 4 号 p. 474-480
    公開日: 2014/08/01
    ジャーナル フリー
    背景:成人領域では左房容積が左室拡張能障害や心不全の予後予測因子として認識され,3Dエコーを用いた左房計測が広まりつつある.
    目的:小児におけるリアルタイム3D心エコーを用いた左房解析の有用性を検討する.
    対象と方法:心内形態異常を伴わない小児52例(男児23例,平均年齢5.4±3.7歳)を対象とし,Philips社iE33を用いて3D四腔断面像を記録,QLAB(ver7)を用いて左房容積を計測し,さらに同3D画像から四腔・二腔断面を切り出しModified-Simpson(MS)法,Area-Length(AL)法で左房容積を計測,撮像した2D画像からもMS法,AL法で左房容積を計測して比較検討した.
    結果:記録時の平均心拍数は90±22 bpm,平均フレームレートは28±7 Hzであった.最大左房容積係数LAVI(Left atrium volume/BSA)は平均17.6±3.7 mL/m2,最小LAVIは平均5.9±1.5 mL/m2,平均EF 66.3±5.2%であり,性別・年齢による有意差はなかった.測定誤差は検者内:最大LAVI -1.3±3.0 mL/m2(平均差±Limits of agreement),最小LAVI -1.0±2.2 mL/m2,検者間:0.5±5.2 mL/m2,-0.4±2.8 mL/m2と再現性は良好であった.3D画像によるMS法とAL法では最大LAVIがそれぞれ16.2±3.1 mL/m2(1.0±4.4),18.2±3.8 mL/m2(-0.5±5.4)でほぼ一致していた.2D画像からの計測は左房長軸の描出に劣るため測定誤差-3.3±7.0 mL/m2,-3.3±6.6 mL/m2とやや過大評価であった.
    まとめ:3Dエコーによる左房解析は小児においても有用であった.今後は計測値の蓄積により小児における正常値を求めることが期待される.
    抄録全体を表示
Editorial Comments
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top