動物の循環器
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29 巻, 1 号
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  • ロードアイランドレッド種の実験的ビタミンB1欠乏における心電図の変化
    向井 真, 町田 登, 西村 昌晃, 中村 孝, 桐生 啓治
    1996 年 29 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
    我々はこれまでにニワトリにおいて,心房性および心室性期外収縮を中心とする自然発生性不整脈に関して,ロードアイランドレッド種(RIR)が他の鶏種に比べて有意に高い発生率を示すことを見いだした。一方,各種動物においてビタミンB1(VB1)欠乏の際には不整脈の発生が見られることが知られている。また,RIRは他の鶏種と比べてVB1欠乏に対する感受性が高いとされていることから,RIRにおける不整脈の好発性がRIRのVB1欠乏に対する高感受性に関わっているか否かを検討する目的で,孵化後30日のRIRと白色レグホン種(WL)の雛20羽ずつにVB1欠乏飼料を,対照群としてそれぞれ10羽にVB1含有配合飼料を与え,その際に発生する不整脈について17日間にわたって詳細な心電図学的検索を行った。実験期間中,RIR,WLともに対照群の心拍数は約450/分でほぼ一定しており,不整脈および心電図波形の異常は全く認められなかった。一方,VB1欠乏群の心拍数は漸次低下する傾向を示した。そして,RIR8羽およびWL4羽に4種類の不整脈が見出され[洞性徐脈(RIR:2羽;WL:3羽),洞房ブロック(1;0),洞停止(3;0),洞性不整脈(2;1)],さらにRJR,WLそれぞれ6羽に心電図波形の異常が認められた[T波の変形(5;3),S-Tの上昇あるいは下降(1;3)]。これらの不整脈および心電図波形の異常の発生率についてVB1欠乏群は対照群よりも有意に高かったが(p<0.001),VB1欠乏群のRIRとWLの間に有意な差は認められなかった。
    以上の結果から,RIRにおける不整脈の好発性には,RIRのVB1欠乏に対する高感受性が直接関わっていた可能性は低いものと考えられた。
  • 上原 勇作, 河野 敏彦
    1996 年 29 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
    犬における超音波パルスドプラ波形の形状的特徴を知る目的から,2歳以下の健常犬35頭を用い,左右心室の流入路および流出路の血流ドプラ波形の計測を行った。流入路波形に関しては7種,流出路波形に関しては3種の計測を行い,その計測値を処理し,合成波形を得た。その結果,左室流入路の血流速波形はM型を示し,拡張前期の第1ピークは常に後期の第2ピークより高い峰を形成した。左室流出路の血流速波形はVおよびレ字の中間型を示し,ピークは収縮期前期に位置した。右室流入路の血流速波形はM字型であったが第1,第2ピークの波高ならびにその高低差も少なく,波形ピークの逆転率も40%に見られた。右室流出路の血流速波形はV字型となった。そのピークは,収縮前期から中期に位置した。この結果,犬におけるドプラ波形の形状は,ヒトのドプラ波形の形状とほほ同じであることが判明した。このことは,超音波ドプラ法を小動物に応用するに際して,すでに医学で報告されている心機能評価への応用が,犬でも可能であることが示唆された。
  • 永田 正, 竹村 直行, 鷲巣 誠, 本好 茂一, 若尾 義人, 高橋 貢, 松本 英樹, 山根 義久, Raffaele A. RONCA ...
    1996 年 29 巻 1 号 p. 14-26
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
    僧帽弁閉鎖不全を主因とするIII度或いはIV度の心不全を有する家庭飼育犬を用いてエナラプリルの有効性および安全性を評価する試験を国内20ヶ所の動物病院の協力を得て行った。年齢5~18歳,体重1.4~19.7kgの様々な品種および性別の犬136頭を供試し,無作為にエナラプリル投薬群とプラセボ対照群に振り分けた。エナラプリル群の供試犬にはエナラプリル0.25mg/kg1日1回の初期用量で7日間投薬した後,投薬後14日目まで0.5mg/kg1日1回に投与量を増量した。投薬回数の1日1回から1日2回への変更は投薬14日目の検査結果を基に獣医師の判断で行った。対照群の犬にはプラセボ錠を投与し,エナラプリル錠およびプラセボ錠の投薬は28日間行った。1頭を除き総ての供試犬に心不全の標準療法を獣医師の判断で行った。すなわち125頭(92%)の犬にフロセミドを最犬4mg/kg/日,125頭(92%)の犬にジゴキシンを最大10μg/kg/日の用量でそれぞれ投与した。対照群およびエナラプリル群の供試犬頭数はそれぞれ67頭および69頭で,その内対照群の46頭そしてエナラプリル群の57頭が試験を終了した。
    投薬28日後に行った検査結果では,総てのスコア化された検査項目(活動性,運動能力,食欲,咳の頻度,呼吸状態,肺水腫の程度,および心不全分類)の投薬開始前と比較した改善度がエナラプリル群の方が対照群に比べて統計学的に有意に優れていた。獣医師の判断による総合評価は投薬7,14および28日目総ての時点でエナラプリル群の方が対照群に比べて統計学的に有意に優れていた。血清生化学,電解質等の検査結果に関する両群間の有意差は認められなかった。エナラプリル投薬に起因する副作用は全く認められなかった。本試験結果から,エナラプリル0.25~0.5mg/kgを1日1回又は2回心不全の標準療法と併用する事によって心不全の臨床症状を安全に改善することが判明した。
  • 森谷 孝雄
    1996 年 29 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
    10才の雌のトイプードル犬を超音波検査した所,右心基底部に2cm大の腫瘍塊が検出された。死後剖検により,右心房に発生した血管肉腫が認められた。他臓器への転移が認められないことから,心蔵原発性血管肉腫と診断した。
  • 松山 琢哉
    1996 年 29 巻 1 号 p. 32-34
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
  • 局 博一
    1996 年 29 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
  • 金井 孝夫
    1996 年 29 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 29 巻 1 号 p. 43-47
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/17
    ジャーナル フリー
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