近年,医療技術の飛躍的な進歩によりextracorporeal membrane oxygenation (ECMO)などの経皮的補助循環デバイスが普及しているが,導入に伴う血管損傷の報告は稀である.症例は50歳男性.急性リンパ性白血病の急性増悪に伴う急性呼吸促迫症候群を発症し,人工呼吸器管理となるも酸素化の改善はなくveno-venous ECMO(VV-ECMO)導入となった.その後VV-ECMOを離脱したが,右頸部の疼痛とシャント音,血管エコーにて右総頸動静脈瘻と仮性瘤を認めた.全身状態不良のため外科的手術は困難と判断,全身麻酔下にVIABAHN stent-graft(W.L.Gore, Flagstaff, AZ,USA)を留置し,術後造影CTで瘻孔閉鎖と瘤内血流の消失を確認した.VV-ECMO挿入時に起きた血管損傷に対しVIABAHNを用いた血管内治療を行い良好な結果が得られた.
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