本研究は,日本語版「WHO-5精神的健康状態表」(WHO-5-J)の地域在住高齢者における標準化を行うことを目的とした.
日本全国に居住する高齢者(65~84歳)を対象とした無作為抽出標本調査を行い,1,251人(男性596人,女性655人)を分析の対象とした.WHO-5-Jのほか,既存の精神的健康尺度(心理的苦痛(K6),生活満足度尺度K),社会経済的指標,健康状態指標を測定し分析に用いた.
分析の結果以下が明らかとなった.WHO-5-Jは因子的妥当性,併存的妥当性,信頼性を有することが確認された.WHO-5-J得点は,負に歪んだ,やや扁平な分布形状を示した.WHO-5-J得点に性差は認められなかった.WHO-5-J得点に年齢差が認められ,80~84歳群の得点がほかの群よりも低かった.WHO-5-J得点は,健康度自己評価,健康リテラシー等と関連した.
上記より,WHO-5-Jは良好な計量心理学的特性を示し,地域在住高齢者における精神的健康の測定尺度として有用であることが示唆された.
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