老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
37 巻 , 3 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著論文
  • 鳩間 亜紀子
    2015 年 37 巻 3 号 p. 295-305
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2019/11/29
    ジャーナル フリー

     訪問介護に求められる効果や満足などのアウトカム,測定方法,関連要因を系統的に明らかにすることを目的とした.医中誌Web,メディカルオンラインによるデータベース検索とハンドサーチにより,2000〜2014年までに発表された訪問介護の効果や満足等に関する論文を収集した.採択基準にしたがって選定された13件について検討した.訪問介護の評価に焦点を当てたものは5件に限定され,いずれも満足度を測定するものだった.縦断的研究におけるアウトカム測定について追跡期間に2か月〜4年のばらつきがみられた.アウトカム指標として,ADL / IADL,認知症,意欲,介護負担感等に関する尺度や項目を複数用いている研究が多かった.アウトカムとの関連が認められた要因として,訪問介護の内容(身体介護/生活援助の別),要介護度,訪問介護員の技術,担当頻度等の状況,回答者の別が明らかにされていた.

  • ― 非常時と日常における近隣への意識に着目して ―
    澤岡 詩野, 渡邉 大輔, 中島 民恵子, 大上 真一
    2015 年 37 巻 3 号 p. 306-315
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2019/11/29
    ジャーナル フリー

     本研究は,都市高齢者の非常時(災害時など)と日常における近隣との支え合いへの意識と,近隣との関わり方との関連を明らかにすることを目的とした.横浜市に居住する65歳以上の市民のうち,住民基本台帳より無作為に抽出された2,800人に対し,郵送法による自記式アンケート調査を実施した.このうち,分析に用いる変数に欠損のない1,477人を対象に分析を行った結果,①あいさつやサポートの授受など,かかわる近隣の他者のいない人は男性で多いこと,②男性の近隣との支え合いへの意識は,非常時では家族資源の存在が,日常では社会経済状況が影響を及ぼすこと,③あいさつをときどきする,町内会・自治会活動に年数回程度の参加でも,近隣との支え合いへの意識を高めていることが示された.都市部の高齢者が支え合う地域社会のあり方を考えるうえで,これらの弱いかかわりにも目を向けていくことが必要である.

資料論文
  • ── 看護職と介護職との相互行為に焦点づけて ──
    山田 千春
    2015 年 37 巻 3 号 p. 316-324
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2019/11/29
    ジャーナル フリー

     目的:介護老人保健施設(以下,老健施設)における看護職の役割定義の活動の特徴を明らかにすること.

     方法:老健施設に就業した経験のある看護職10人と介護職13人に「看護職の役割」について半構造化インタビューを行った.その語りを質的記述的研究方法により分析し,それぞれの職種が協働するなかでとらえる「看護職の役割」を抽出し,比較した.

     結果:看護職が認識している役割として4カテゴリと14サブカテゴリ,介護職が看護職に期待している役割として4カテゴリと12サブカテゴリが抽出された.

     結論:①看護職の役割定義の活動では,高齢者や家族,他職種,過去の病院経験での役割定義をもつ自分など「他者」との関係をとおして,老健施設における看護職の役割を再定義していた.②日常生活援助についての看護職の役割定義では,看護職と介護職でその認識にズレがみられた.③医療に関する看護職の役割定義では,病院の医療と老健施設の医療の認識にズレがみられた.

feedback
Top