高度情報化社会の進展にともない, マルチメディア情報の著作権保護などを目的とした画像データへの付加情報埋め込み方法がいくつか提案されている.筆者らは既に画像における標本化格子の2次元位相変調の概念に基づく付加情報の埋め込み方式を提案した.本論文では, この方式における符号化信号処理手法について, 静止画符号化 (JPEG) に対する耐性を通して, 復号誤り率の観点から検討を行っている.その結果, スプライン補間および帯域制限補間による符号化処理は, その処理量は増加するものの, 双1次補間による処理よりも付加情報の復号誤り率を小さくできることを明らかにしている.たとえば, 標準画像 “Zelda” の場合, JPEG圧縮比3.6, 位相シフト量
a=0.1において復号誤り率を双1次補間の場合の約1/5にまで低減できることを示している.
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