筆者らは,MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送方式を用いた高効率・高信頼FPU(Field Pick-up Unit)の研究開発を行っている.MIMO伝送方式には,有相関MIMO伝搬路で耐性があると考えられる時空間符号を検討している.筆者らは,2つのQPSK時空間トレリス符号化器からなる64状態の16QAM時空間トレリス符号化器を設計して,有相関2×2MIMO伝搬路を通した計算機シミュレーションを行い,従来報告されている符号との比較を行った.その結果,提案した符号は,Σ
o-rank基準とトレース基準により設計した符号と同程度の良好なビット誤り率特性を示した.また,この結果は,今回提案した設計手法が有効であることを示すと考えられ,同様に,多値変調の時空間トレリス符号化器をそれよりも変調多値数の少ない時空間トレリス符号化器の組合せにより実現することが有効であると考えられる.
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