映像情報メディア学会誌
Online ISSN : 1881-6908
Print ISSN : 1342-6907
ISSN-L : 1342-6907
75 巻, 1 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
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VVC (Versatile Video Coding)
技術解説
講座 触覚技術入門~触覚インターフェースの可能性~ (最終回)
映像情報メディア年報2021シリーズ (第1回)
知っておきたいキーワード (第139回)
輝け! リケジョ (第52回)
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研究ハイライト (第24回)
ニュース
論文特集 選奨(技術振興賞/映像情報メディア未来賞)受賞者論文
巻頭言
招待フィールド論文
技術振興賞 コンテンツ技術賞受賞
  • 青木 貴則
    2021 年75 巻1 号 p. 98-105
    発行日: 2021年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    ライブステージで使われるLEDスクリーンの映像には,曲の展開に合わせてプリレンダリングされた動画をメディアサーバから送出するのが一般的である.安定的に映像を送出できる反面,出演者であるパフォーマーの動きなどライブ感を生かした映像演出を行うことができない.そこで,センサを使って出演者の動きを検出し,動きに反応したグラフィックスを生成するシステムを構築して生放送で運用することを目指した.LiDARと呼ばれる距離測センサとTouchDesigner上で開発した位置解析法を使って動きを検出し,リアルタイムグラフィックスエンジンである,Unity, Notchを組み合わせたジェネラティブなグラフィックス表現をフロアLED上で表現した.イメージベースドなキャリブレーション方法を採用することで,センサのズレや転倒が発生した場合にも迅速に復旧できるロバスト性を備えたシステムを構築した.

技術振興賞 コンテンツ技術賞受賞
  • 田中 陽, 篠田 貴之, 鈴木 寿晃, 日野 裕介, 内舘 真一, 佐藤 誠
    2021 年75 巻1 号 p. 106-109
    発行日: 2021年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    本取り組みではテレビ中継ならではのスポーツ視聴の価値を創出するべく,画像認識技術を活用し競技(ラグビーなど)の解析を行った.解析においては新たなカメラや伝送手段の追加といった現場の負担となりうる要素を排除し,放送用の中継映像のみからフィールドサイズの解析・選手の自動認識をリアルタイムに行った.この解析結果から選択シーンにおける選手の走行スピード・走行距離を算出し,数値による説得力のある解説を可能にした.また選手の自動認識によって選手紹介スーパーの選択を自動化するシステムを構築し,スーパー表示の正確性・俊敏性の向上を実現した.さらに選手認識技術を活用し,OA映像において対象がどれだけの割合で映像に映っているかといったOAテイク率の算出を行った.これにより従来はディレクターの勘と経験によるものだった映像スイッチングに定量的な新たな指標を提案した.

招待論文
技術振興賞 進歩開発賞(研究開発部門)受賞
  • 惠良 勝治, 山﨑 浩介, 貝嶋 誠, 河野 憲治
    2021 年75 巻1 号 p. 110-117
    発行日: 2021年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    FM補完放送のエリア拡張を行うに際し新しく開発した同期放送システムで展開した.このFM同期放送エリアを構築するにあたり課題となるのは異なる2つの送信所からの放送波が重なる点で干渉しあう受信放送波2波のD/Uや遅延時間差,並びに同期放送品質の確認である.従来は試験放送を行う期間中の放送休止時間にしか実施できなかったが,今回開発した新しいアルゴリズムを高精度FM復調器に採用し,開局前の試験放送期間においても通常のプログラム音声波での実施を可能とした.

技術振興賞 進歩開発賞(研究開発部門)受賞
  • 三島 剛, 萩原 愛子, 伊藤 均, 小森 智康, 佐藤 庄衛
    2021 年75 巻1 号 p. 118-124
    発行日: 2021年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    放送局では番組制作に必要な構成資料や放送原稿などを作成するため,取材した映像素材の発話を文字に変換する字起こしを活用している.しかし字起こしを制作する作業は多くの労力を要し,迅速な番組制作の妨げになっている.そのためわれわれは音声認識技術を用いた字起こし支援技術の研究を進めている.この研究では,字起こしの作業時間短縮に加え,記者会見などのライブ素材の字起こしや複数人での協調作業など,番組制作のワークフローを考慮することで迅速・正確に情報を届けることを目指している.本稿では,新たに開発した字起こし支援技術の詳細や,この技術を実用化したNHK字起こしシステムについて紹介する.

映像情報メディア未来賞 フロンティア賞受賞
  • 岡市 直人, 佐々木 久幸, 加納 正規, 河北 真宏, 苗村 健
    2021 年75 巻1 号 p. 125-130
    発行日: 2021年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    視点追従技術および従来設計より焦点距離の長いレンズアレーを用いて,広い視域と高い映像品質をもつ個人視聴に適したインテグラル3D映像表示システムを提案する.レンズアレーを回転させて水平・垂直方向の光学視域の比率を変化させる手法,瞳位置に応じた要素画像を高速に生成する手法,および視距離に応じて視域を最適化する手法を用いて,試作装置を構築した.従来設計と提案設計の試作装置において比較実験を行い,視点追従により視域が水平方向は2.9倍の81.4゚,垂直方向は1.7倍の47.6゚に拡大し,レンズアレーの焦点距離を2倍にしたことにより映像品質が向上したことを確認した.薄型かつ軽量のディスプレーを用いることによって,人がディスプレーを直接手に持ってインテグラル3D映像を楽しむことができるコンパクトな構成のシステムを実現した.

映像情報メディア未来賞 次世代テレビ技術賞受賞
  • 河村 侑輝
    2021 年75 巻1 号 p. 131-138
    発行日: 2021年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    AR/VR(Augmented Reality and Virtual Reality)技術への高い関心に現れているように,従来の映像技術の進化の主軸であった2次元映像の定量的なスペック向上とは異なる軸でのメディア技術の進化として,コンテンツ空間の3次元への拡張による新たな視聴体験の実現が期待されている.筆者らは,テレビ放送の高精細映像に加え,その映像と時間軸とストーリー展開を共有する3次元の自由視点ARコンテンツをモバイル端末上で視聴する,新たな視聴スタイルを提案し,これを実現するコンテンツ伝送技術の研究開発を進めている.提案技術は,映像と同期させた自由視点ARコンテンツをリアルタイムに通信回線を介して伝送でき,将来的に生放送への対応も可能である.本稿では,放送・通信連携システムと3次元オブジェクト伝送技術の概要,試作コンテンツを用いたシステム検証と新たな視聴体験の具現化について述べる.

フィールド論文
  • 中村 友洋, 大川 裕司, 三浦 菊佳, 米内 淳, 林田 哲哉, 瀧口 吉郎
    2021 年75 巻1 号 p. 139-146
    発行日: 2021年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    フルスペック8Kによるコンテンツ制作に対応したプロダクションスイッチャ,波長多重伝送装置,およびフレーム周波数120 Hzに対応したリアルタイム編集機を開発した.開発した映像制作機器やU-SDIコネクタ盤を搭載した制作実験車を整備し,カメラ4式,レコーダ2式によるコンテンツ制作を可能にした.HDTVと同様のワークフローでフルスペック8Kによるリアルタイムコンテンツ制作が可能であることを検証するため,開発・整備した映像制作機器,編集機,および制作実験車を用いて制作実験を実施した.遠隔地からの中継を想定した実験,音楽番組を想定した実験,およびリアルタイム編集機を含めた総合検証実験を実施した結果,HDTVコンテンツ制作と同様にライブプロダクション,ポストプロダクションが可能であることを確認した.

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